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ベレトはゆっくりと起き上がった。
外はもう夜なのでエンジンをかけていない車の中は暗い。
夢子「あのー…先生、一緒に居るのは良いんですけど…」
ベレト「何だ?」
夢子「何時まで腕掴んでるんですか…?」
【文字通り肉食系なのですが、どちらの意味で捉えて貰っても構いません。7】
ベレトは夢子を掴んで離さない。
困惑する夢子。
ベレト「‥‥ああ、すまない。」
ベレトは夢子の腕を掴む力を弱めた。
夢子「まあ私は大丈b…」
すると次の瞬間ベレトはもう一度夢子の腕を掴む。
そして力を入れて思い切り自分の元へと引きずり込んだ。
夢子「ひゃっ!?」
ベレト「…捕まえた。」
夢子「なっ!///」
夢子はベレトの懐に入る状態になってしまった。
背後からベレトはそっと夢子を抱きしめる。
夢子「ちょ!!何してるんですかー!?///」
ベレト「…ハグだが?」
夢子「もー…幾ら寝ぼけてるからってこんな事…」
ベレト「ああ、まだ眠い。クラクラする。」
夢子「じゃあもう少し休んだらどうですか?一人で邪魔者無しでゆっくり…」
ベレト「…お前が居た方が良い。」
夢子「うーん…じゃあもう少し居ますね?」
ベレト「…ああ。」
車の中、ベレトは黙って夢子を抱きしめている。
夢子はずっとドキドキしまくってた。
流石にイケメン教師と密すぎて心臓がバクバクしてる。
それはベレトも感じ取っていた。
ベレト「…なあ、夢子。」
夢子「何ですか?」
ベレト「俺の心音…感じるか?」
夢子は気づいた。
こんなにも近くに居るのにベレトからは鼓動が全く聞こえない
夢子「…何か、ベレト先生って脈が落ち着いてるんですね?前から静かだなって思ってましたが。」
此処でベレトは夢子に話し始める。
自身の話を少しだけ。
ベレト「…実は…
今の俺の心臓は、動いていないんだ。」
夢子「え!?それってどういう…」
ベレト「…元の世界で色々合ってな。
人体実験を受けたりして…まあ俺は成功体なのだが。
だから、
俺の心臓はこの世に生を受けた瞬間から動いていない。…死んでいるのも同然なんだ。」夢子「人体実験って…」
ベレト「詳しく話せば長くなるが、いつか話そう。お前には俺の事をもっと知ってほしい。」
夢子「私でいいなら、お話いつでも聞きますよ!」
ベレト「…お前は優しいな。…でも…」
夢子「?」
ベレト「その優しさ、俺だけに向けてほしいな。」
夢子「またまたそんな…。」
ベレトは夢子の事を抱きしめたまま離さない。
こんな姿、剣士男子達に見られたら苦情物だろう。
それでも束の間の幸せを感じるベレト。
ほんと、酔っぱらってるようだった。
確実にノンアルしか飲んでないのに。
夢子「せんせー?やっぱり酔っぱらってる??」
ベレト「そうかもな。」
夢子「やっぱり一人でゆっくり休んだ方が…」
それでも夢子の事を解放しようとはしないベレト。
それどころか抱きしめる腕に力が入る。
…夢子を何が何でも拘束する気だ。
夢子「せ…先生…力入れ過ぎでは?」
ベレト「こうでもしないとお前が逃げそうな気がしてな。」
夢子「逃げるって…」
ベレト「今日の香水も甘めなんだな。…俺は甘い匂いを普段好まないが、
お前の付けた香水は不愉快にはならない。」
夢子「ちょ、先生…!?」
ベレトは夢子の項に顔を埋める。
距離感が近すぎる。
…これはやばい。
夢子「せんせ…こんな所他の男子に見られたら不味いですってっ…!///」
ベレト「見られなければ、良いのか?では場所を移動するか?」
夢子「ななな!!そういう意味じゃ…///」
ベレト「深夜のドライブ、ロマンチックだろ?」
そんな事したら120%夢子が食われる柄しか浮かばない。
どうにかベレトを刺激しない様に事態を回避しようとする夢子。
夢子「お、お店にカバン置いたままだし…」
ベレト「あいつ等に持ってこさせれば良い。」
夢子「そういう問題じゃ…」
ベレト「ああ、また頭がクラクラしてきた…」
夢子「えええ…!?」
ベレトは更に強く夢子を背後から抱きしめる。
何だか様子が可笑しくなってきた。
此処から車内と言う密の中、セクハラが始まる。
回避が全く出来ない。
夢子「先生…ちょ、…!!」
ベレト「お前に触れてたら眩暈が収まるんだ。」
ベレトは夢子の太ももを触り始めた。
その手つきは物凄くイヤらしい。
…キャバクラの酔っ払いのおっさん如く。
夢子「先生絶対酔っぱらってる!!もう一度ベレス先生に診てもらわなきゃ!?」
ベレト「俺はシラフだ。…それにしてもお前…よくこんなエロい恰好してきたな?」
夢子「み、ミニスカが好きなだけです!!」
ベレト「…俺からしてみれば誘惑してるようにしか見えないがな?」
夢子「そ、そんなんじゃないです!!」
ベレト「では本当かどうか試そうか?」
ベレトは夢子を自分の真正面に身体を移動させる。
本当に距離が近い。
夢子はベレトに跨る状態になる。
車の中なのでどうしても姿勢は限られてくる。
幾ら外車で大きなベレトの車の中でも‥‥。
夢子「せ、先生ってば!?何考えてるの!!///」
ベレト「さあな。」
ベレトは夢子を再び抱きしめた。
ベレト「…ああ、俺はもうだめかもしれない。」
夢子「ど、どうしたんです!?」
ベレト「理性が抑えられない。」
ベレトはそう呟くと今度は夢子を座席に押し倒した。
後部座席のシートが必然と下げられる。
夢子「えええええええ!?!?///」
夢子、これは大ピンチ。
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