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目の前のルフレとアルフレは気づいていない。
テーブルの下は確実に死角だったから。
夢子「せ、先生!?」
ベレトが彼女を隣に座らせたり理由は
こういうセクハラがし放題だということ、だった。
【文字通り肉食系なのですが、どちらの意味で捉えて貰っても構いません。6】
夢子の左手をベレトはギュッと強く、でも優しく握る。
顔を赤くしてテンパる夢子。
喧嘩してるルフレとアルフレに聞こえない声量でベレトに言う。
夢子「せんせ!?右手塞がったらご飯が食べれなくなるのでは…」
ベレト「俺は両利きだから。」
夢子「そ、そういう問題!?」
ベレト「お前の手は白くて温かくて柔らかいな…剣を持つ俺とは大違いだ。」
夢子「…そんな事ないですよ?先生の手も大きくて安心出来ますよ?」
ベレト「…本当にそう思ってくれてるのか?」
夢子「皆の頼れる先生ですから!」
ベレト「…俺はお前にだけ頼られたいんだがな。」
ここで夢子は目の前の白の軍師に目を向ける。
ガミガミと言い合うふたり。
ベレトと夢子の会話が耳に入らないほどヒートアップしてる。
ルフレ「ー…君はホントいけ好かない奴だね!?ほんとに僕の半身なの!?見た目意外全然違うじゃないか!?」
アルフレ「紛れも無いよ。僕は君。君は僕。君が最低なら僕も最低。ね?」
ルフレ「絶対可笑しい…こんなの…覚醒の世界を恨むよ僕は…」
アルフレ「まあ、父さんは計画的に僕を生み出したから。君も運命には抗えないよ。」
ルフレ「…いや、運命は変えられる。僕が変えて見せる。」
アルフレ「クロムみたいなこと言うね?…まあ精々頑張って。僕には新しい目標が見つかったから。」
夢子「…ルフレとアルフレまだ喧嘩してる…。」
ベレト「元気が良いな、あいつ等。」
夢子「先生…そろそろ手を…」
そういう夢子の発言を無視してベレトは何と
恋人繋ぎをしてきた。
指が深く絡められる。
夢子「ちょ‥‥!!///」ベレト「何だ?彼氏の前で、罪悪感でも生まれたか?」
夢子「そ、それは…」
ベレトの手の指絡めが止まらない。
めちゃくちゃ夢子の指をベレトが親指で触って撫でてくる。
夢子「ぅぅ…///」
ベレト「…アルコールでも飲んだか?顔がずっと赤いぞ?」
夢子「お、お茶ですから!!」
ベレト「では、確認しないとな。」
ベレトは夢子のお茶の入ったコップに手を伸ばすと、何とそれを飲んだ。
ルフレがベレトの動作に気づいて悲鳴をあげる。
ルフレ「ちょおおおおおお!!どさくさに紛れてベレトが夢子のお茶飲んだ!!
しかも間接キスじゃないか!!最悪!!何してくれてんの!?!?」ベレト「ふむ…お前の言ったように確かに普通のお茶の様だな。嘘はついて無い様だ。」
夢子「だ、だから言ったじゃないですか!!は、恥ずかしい…///」
アルフレ「‥‥ちょ‥‥」
ここでアルフレの様子が可笑しくなる。
そう、彼は先ほど夢子達が席を離れた際に彼女のお茶にとある物を混ぜた。
それを、夢子ではなく…ベレトが飲んでしまった。
これは非常に不味い事。
夢子「…?アルフレどうしたの?」
アルフレ「まさか先生が飲むだなんて…」
ルフレ「…ん?君何言ってるの?」
すると次の瞬間
バンッ!!!
突然ベレトがテーブルに顔面から倒れた。
夢子「ちょ…せんせ!?」
驚く夢子達。
ベレトはというと…
目を閉じて眠っていた。夢子「え…何で!?先生ノンアル飲んでたのに寝ちゃった?!」
ルフレ「…君さ、夢子のお茶に何か入れたでしょ?!僕の軍師の目…舐めないでよね。」
そう睨むルフレにアルフレはあっさり降参する。
アルフレ「ああ‥‥僕としたことが。
本来なら夢子にデスソース飲ませて苦しむ姿見ようと思ってたのに
間違って僕が普段愛用してる睡眠薬入れちゃったっぽい。」
ルフレ「あ゙ァ゙!?何だって!?!?」アルフレ「だーかーら。僕が間違って入れた睡眠薬入りのお茶、先生が飲んじゃったってこと。」
ルフレ「前者も後者もどちらも許せないんだけど。」
夢子「先生…ねぇ起きて先生!!せんせー!?」
ベレトは唸ってる。悪夢にうなされてる様だ。
ルフレ「アルフレの調合した睡眠薬なんて…ろくでもない効果有りそうだけど。」
アルフレ「僕は凄まじく快眠だよ?」
ルフレ「へー?その割に目の下にクマが酷いけど?」
アルフレ「僕は一日中夢子の事考えてるから。寝ても覚めても夢子の事であたまいっぱい。」
夢子「ベレス先生!!大変です!!」
夢子は直ぐに奥のテーブルで豪遊してるベレスに話しかける。
食べ終わった後の皿が回転ずしの様に積み上げられている。
ベレス「モグモグ…ん?どうしたの夢子ちゃん。そんな血相変えて…」
夢子「ベレト先生が倒れちゃった!!」
ベレス「んー?どれどれ…」
ベレスは箸を置いて席から離れ意識の無いベレトを診る。
ベレス「…。」
夢子「ど、どうです?ベレト先生、アルフレの睡眠薬間違って飲んじゃって…」
ベレス「只寝てるだけよ。安心して!」
夢子「そ、そうですか…」
アルフレ「だから言ったろ?僕の調合は神がかってるんだから。」
ベレス「…ベレト、最近思い悩んでたから疲れてたのもあるかもね。薬のせいだけじゃなさそう。」
夢子「…そうなんですか?」
ベレス「こう見えても教師だからね…皆の事ちゃんと考えてるのよ??」
ルフレ「変態だけどね。」
ベレス「あら?男の子は皆変態でしょう?」
ルフレ「まあ、それはそうかもだけど。」
ベレス「ちょっと弟を車で休ませてくるわね。貴方達は残り時間心置きなく食べなさい!!」
夢子「はい…。」
ベレスはベレトの肩を担いで焼き肉屋さんから出て行った。
ルフレ「…お姉さんって強いんだねー。僕には兄弟居ないから分からない感覚だよ。」
アルフレ「君と僕は兄弟みたいなもんだろ?」
ルフレ「…君と同じ血が流れると思うと管で血を全部吸い取って捨てたくなるよ…。」
夢子「ねえ、アルフレ…」
アルフレ「何?」
夢子「さっきは緊急事態だったからスルーしたけど、一応聞くわ。
…何で私のお茶にデスソース入れようと思ったの…?(怒)」アルフレ「決まってるだろ?それは君が顔赤くしてゲホゲホ咽ってパニックになる姿を見たかったから。
最近刺激が足りなかったからさー。君の苦しむ姿が一番の刺激で…ああー見たかったなぁ。
ねぇ夢子、今度は失敗しないでデスソース入りのお茶作るから飲んでくれない??」
ルフレ「お前が飲め。(怒)」
アルフレ「嫌だよ辛いじゃん。」
夢子「何所をどう突っ込めばいいの…。」
何だかんだ言って焼き肉食べ放題の制限時間が過ぎていく。
各自そろそろ最後の〆を食べている。
夢子はベレトの事を心配していた。
夢子「ベレト先生大丈夫かな?目が覚めると良いけど。」
ルフレ「あの人が起きないと僕ら帰れないよね…何が何でも目覚めて貰わないと…」
夢子「ちょっと車見てくるね。」
夢子は焼き肉屋から飛び出した。
外は夜。今夜は満月だ。
風も冷たくて心地よい。
夢子は駐車場のベレトの車へと向かった。
ベレトは後部座席を倒して休んでいた。
夢子「せんせー?…まだ目覚めないかな?」
夢子は後部座席の車の扉をガラガラと開けた。
静かに寝ているベレト。
夢子「睡眠薬の事があるとは言え、よっぽど疲れてたんだろうなぁ…
私たちがいつも迷惑かけてるから…悩み事も多いんだろうなぁ。」
夢子はベレトを見る。
夢子「あと少し、休む時間ありますから…その間だけでもゆっくり休んでくださいね‥‥!」
夢子はベレトに小さな声で語りかけた。
そして車から出ようとした、その時だった。
ガシッ!!!
腕を捕まえれた夢子。
当然掴んできたのはベレトだった。
夢子「先生…!?ご、ごめんなさい…起こしちゃった…!?」
ベレト「…くれ。」
夢子「え?」
ベレト「行かないでくれ…ここに、居てくれ。」
夢子は少し戸惑ったが、笑って答える。
夢子「良いですよ。丁度お腹もいっぱいになったし…先生と一緒に居ます。」
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