夢子は学校帰り、一人で歩道を歩いていた。
いや、正確にはひとりではないのだがー・・・

認めたくない、夢子の大嫌い人が後を着けてくる。



【よつばは幸せ?】





その人物は彼女と一定距離を取りながら背後で夢子に声を掛けてくる。


「ねぇ、もう少し日陰歩かない?こんな場所歩いてたら焼けちゃうよ。」
夢子「・・・。」
「そんなに早く歩かなくてもいいじゃないか。人生ゆっくり僕と歩もう?」
夢子「・・・。」
「何で無視するの?この僕がこんなにも話しかけてるのに。レアだよ?SSRってやつ。」
夢子「・・・。」
「それとも、そんなに僕から責められ続けたい?君って変態だなぁ?」



夢子「煩いわよアルフレ!!!」


そう、後ろから粘着してきたのはアルフレだった。
流石にうるさ過ぎてキレる夢子。
眉間にシワが寄る程怒っている。

アルフレ「あ、やっとこっち向いてくれたv」

嬉しそうなアルフレ。
反対に夢子の怒りは収まらない。

夢子「今日は早めに学校終わったし、人通りの多い場所あるから一人行動も許されたのに…
      貴方はなんでこうも邪魔してくるの!?」
アルフレ「邪魔何てしてないよ?僕が君を守ってるんだ。」
夢子「何処が!?さっき私の頭にひっつき虫投げてきたじゃない!?」
アルフレ「…ああ、そんな事もしたっけ?仕方ないじゃないか、あれは副産物だよ?」
夢子「‥意味が分からないんですけど。」

アルフレは手元から緑色の何かを取り出した。
そして彼女に見せつける。


アルフレ「ほら、クローバー。しかも、四つ葉。」

夢子「…それが何?」
アルフレ「四つ葉のクローバー見ると君を思い出すんだよね。」
夢子「それがひっつき虫投げてくる理由!?」
アルフレ「だってほら、クローバーの周りに自生してるだろ?邪魔なんだよねー。
     まるでリアルの君と周りの取り巻きみたいっていうか。」
夢子「はぁ…。」
アルフレ「だから全部根っこごと取って除去しないとね。
     それで見て、今日はもう既に2本の四つ葉のクローバー見つけたんだ。僕運が良いと思わない?」
夢子「…貴方がそれを見つけてどうするつもり?押し花でも作る?あり得ないわよね?」
アルフレ「何言ってるの?




     
     …食べるに決まってるじゃん。」



そう言うとアルフレは拾ってきた四つ葉のクローバーを食べ始めた。

夢子「な…!!」

ドン引きする夢子。
アルフレはニタニタ笑いながらクローバーを食べる。

アルフレ「こうすると君を食べてるようで堪らないんだ…!これが最近僕のハマってる趣味。
     でもさー、やっぱり所詮草食だしべててもしょうがないよね?」
夢子「気持ち悪すぎるからやめて?!っていうか食べちゃダメでしょ…!?」
アルフレ「所説あるみたい。クローバーは食べたら身体に良いとか逆に毒になるとか。
     ぶっちゃけ僕はどっちでもいいよ。最も君らしくて良いじゃないか。フフフ…」
夢子「もう帰るから。貴方とは話したくない。さようなら。」

夢子は走って逃げようとする。
すさかずアルフレが夢子の腕を掴む。

ガシッ!!

夢子「な、何するのよ!?離して!?」
アルフレ「そんなに僕の事キライ?」
夢子「そうよ?」
アルフレ「でもこうして会話してくれてるじゃないか。」
夢子「それは貴方があまりにも煩いから…」
アルフレ「フフフ。」
夢子「何!?気持ちの悪い表情しないで!?」
アルフレ「やっぱり…君が欲しい。君を手に入れるためならばギムレー様の器になるのも悪くはない。」
夢子「はぁ!?」
アルフレ「…まあこの世界ではそんなことしないつもりだけどね。
     クレイジーとかダーズとか解決しなきゃいけない問題あるし。
     まあ、もしも万が一何かあった場合僕は君だけ連れ去って逃亡するからけどね。
     世界がどうなろうが、他の奴らがどうなろうが僕には関係ない。」
夢子「最低ね…」
アルフレ「夢子、君は僕の月の光だ。僕、太陽の光は嫌いだけど月は好きなんだ。」

アルフレが掴んだ腕ごと夢子を抱き寄せようとする。
夢子は思わず掴まれてない方の腕で押しのける。

夢子「馬鹿なの!?ここ公共の場だからね!?」
アルフレ「じゃあ今から僕の家来て?そこでならいいだろ?
     今なら先生はまだ仕事中だし、ブラピは最近ハマったファミレスとやらに行ってるし。
     …邪魔者は居ないよ?」
夢子「そういう問題じゃないから。」
アルフレ「つれないなぁ。普通僕みたいなイケメンが口説けば女の子はすぐ股開くんだけど。」
夢子「私はそういうタイプの女の子じゃないから。」
アルフレ「え?僕君の事ビッチだと思ってたけど?」
夢子「失礼過ぎない!?貴方のそういう所が嫌なの!!」
アルフレ「まあ清楚でもビッチでも僕は別に気にしないよ?
     夫婦の子作りも皆結局同じことするんだ。」
夢子(真昼間からする話じゃない…)
アルフレ「だからさ、僕と夫婦になろう?僕が毎日鞭で叩いてあげるからさv」
夢子「嫌。」
アルフレ「反対信号ゲーム?」
夢子「そんなわけないでしょ!?っていうか…貴方今日学校来てなかったでしょ。
      ‥‥等々不登校?単位とか席次足りるの?」
アルフレ「僕は君が居るから仕方なく通ってるだけだし。
     最近気づいたんだよね、君がこうやって一人で居る時守ってあげればいいじゃんって。」
夢子「それストーカーだからね?警察行くよ?」
アルフレ「それにしても今日は天気良くて最悪だね。フード被っても眩しいよ?」
夢子「さっさと家帰れば?」
アルフレ「君と同じ家だからv」
夢子「はぁ…。」




こんな感じのやり取りがタワマンに着くまで永遠と続いた。
夢子はぐったりして家に帰った。

夢子「…最悪。」

今後のアルフレ対策、また考えなければいけない。



【よつばは幸せ?】【完】








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