【ギリギリまで錯覚させて?】


夢子宅では食品の買い出しは決まって付き添いがいる。
何故なら夢子をひとりで買い物へ行かせると
必ず下心を持った男たちが寄ってくるから、要はボディーガードだ。
因みに今日はルフレが夢子に付き添っている。
家では悔しがるリンクとのんきにゲームをしている剣士組がお留守番中。
ルフレにとっては何より至福な時間である。
そしていつも通り買い物をしているのだが…
今日も色んな人に誤解されている。
まずは近所のおばちゃん。
ルフレの事を本気で夢子の彼氏だと勘違いしている。
ルフレはまんざらでもない様子。
夢子は必死に抵抗するがただ照れてるだけとスルーされる始末。
そして八百屋のおじさん。
おじさんもルフレの事を彼氏というかあろうことか婚約者だと言っている。
否定するにもそのおかげで野菜が値引きされるので抵抗も虚しい。
ルフレはここでもまんざらでもない様子。
色んな誤解をされながら買い物は一通り終わったふたり。
いつも重たい荷物を全てルフレが持ってくれる。


夢子「そういうところは紳士だよねー。」
ルフレ「僕はいつだって紳士さ。君だけの!」
夢子「思うんだけど皆こんな重たい荷物良く持てるわね?」
ルフレ「一応ファイターだからね。鍛えてるし。
    でも僕はその中でも一番力あるよ?」
夢子「ん〜?ほんとォ〜?」
ルフレ「アハハ、君には勝てないね。勿論嘘だよ。リュウさんとか超凄いもん。
    実はあの人100`のダンベル片手で軽々持つよ。」
夢子「あー、なんか確かに凄そう。」
ルフレ「僕はムキムキにはなりたくないから鍛えすぎないようにしてるんだ。」
夢子「そうなの?」
ルフレ「剣振る時とか筋肉が重くて素早く触れないからね。」
夢子「だから剣士組は華奢なのね?アイクは結構鍛えてるっぽいけど」
ルフレ「あいつは両手剣だから筋肉必要なのさ。」
夢子「ほぇーなんか色々勉強になった!」
ルフレ「じゃあさ、夢子。この際おとなの勉強もしない?」
夢子「なにサラリと変態発言してんの!?馬鹿?!」
ルフレ「僕たちこうして歩いてるとほんとカップルにしか見えないでしょ?
    実際そういう関係になっても良いと思うんだけど。」
夢子「よくなーい!いつから彼氏になったのよ!」
ルフレ「だって皆言ってるよ?僕らラブラブなカップルだって。
    勿論僕はその気さ!!」
夢子「私にも…選ぶ権利があるのよ?その…貴方の事は嫌いじゃないけど。」
ルフレ「だったらもういっそのこと付き合わない?」
夢子「え!?」
ルフレ「良く芸能人にもいるでしょ?結婚してから付き合う逆恋愛!
    僕あれ真似てもいいと思ってるんだー」
夢子「はなし進みすぎでしょ!貴方どんだけ私と結婚したいのよ…」
ルフレ「前にも言ったけど君以外の女子はカボチャにしか見えないんだ。
    だから言い寄られても無理。夢子しか視界に入らない。」
夢子「全国の女子に謝りなさい…」
ルフレ「まあ無理は言わないよ僕だって。
    君の意志を尊重する。」
夢子「あら‥わりとまともな事も言えるのね?」
ルフレ「でもこの時間だけは錯覚させてね?僕の生きがいだから。」
夢子「はぁ…。」
ルフレ「家に帰りたくないなぁ…永遠にこの時間続けばいいのに〜」
夢子「ピットくん達がお腹空かせてるからそうもいかないわよ。
      あなたの料理皆好きなの。勿論私も!」
ルフレ「夢子が僕の料理好きって事は…僕の事も好きなんだね!
    よし。頑張って夕飯作るよー!!」
夢子「なんかいろいろ勘違いしてるけど…いいわもう。」
ルフレ「君は手ごわいけど僕もしつこく頑張るよ。絶対口説いて見せるから。」




【いいね!!】



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