今日は平日。
しかし学校は終わって既に夕方。
夢子はレンタルショップに出かけていた。
色んなDVDを眺めて、彼女が最終的に手に取った作品はー・・・



まさかのジャパニーズホラーで超有名なあの作品だった。



【恐怖を感じても感じ無くともずっと俺の隣にいて構わない。1】
※若干ホラー要素有※映画初代リング本編のネタバレ有※








帰宅する夢子。
玄関を開けてすぐ、いつもは大量に散らかってるはずの靴の量が少ない事に気が付いた。

夢子「あれ…?」


不思議に思いながらも家の中に入る夢子。
家の中もとても静かだった。
でもリビングは明かりがついている。
ソファーに座る一人の人影も見える。


夢子「あれ…?アイク?」

そこに座ってアイスを食べながら扇風機に当ってるアイクがいた。
わたあめも辺りを走り回ってる。


アイク「…ああ、夢子か。お帰り。」
夢子「ただいま!…ねぇ、他の皆はどうしたの?」
アイク「…あいつ等なら飯の材料買いに行ったぞ。」
夢子「アイクは一緒に行かなかったの?」
アイク「…お前が帰ってくるだろ?帰り待つ奴が1人もいないと心細いだろうなと。」
夢子「ふーん?見た感じアイクが一番お腹空いてそうなのに?」
アイク「まあな。こうして飯前にアイス食ったし。少しは持つだろう。」
夢子「でも、ありがとうね、アイク!私の帰り待っててくれて!」

夢子は笑顔でアイクに感謝を伝える。
少し頬を赤らめるアイク。

アイク「…ぁぁ。///」
夢子「…?アイク何か顔赤いよ?大丈夫?」
アイク(アイスでクールダウンした意味なさそうなんだが。)



夢子はTVのあるリビングへ行く。
剣士男子達が散らかしてあるスイッチのゲームなどを片付ける。

アイク「…何してるんだ?そんなのはあいつ等にさせればいい。」
夢子「私今からTV使おうと思って…ほら、さっき私外出してたでしょ?」
アイク「そういえば。…どこ行ってたんだ?」
夢子「DVDレンタルショップ!!」
アイク「あの近所のやつか。」
夢子「うん!それでね、色々DVD見たんだよね。アクションとか、アニメとか、SFとか色々!!」
アイク「何か面白そうな作品見つかったか?」
夢子「あったよー?教えてあげよっか?」


レンタルDVDの入った袋をアイクに見せる夢子。
中から1枚のDVDを出す。

そこには‥‥


【リング】


と書かれている。
アイクは真っ青になる。

アイク「それって…あの有名な和ホラー物じゃないか?…よく借りてきたな?」
夢子「実は私、ホラーとかまるっきり駄目なんだよね…」
アイク「では尚更…何故借りてきたんだ…理解に苦しむぞ。」
夢子「うーん誰かと一緒なら見れるかなって。ほら、今そういう季節だし。
      そしたら今日は家にアイクが居たから‥‥」
アイク「…なぁ、まさか俺に《一緒に鑑賞してくれ》って言わないだろな??」
夢子「…ダメ?」
アイク「いや…俺はこういうの正直苦手なんだが…」
夢子「えー、意外!!でも今家にアイクしかいないし…お願い!!」
アイク「…そんなに俺と一緒に見たいのか?」
夢子「お願いお願いー!!」


すると夢子の勢いに押されアイクは返事をしてしまった。

アイク「はぁ、わかった。1回だけだからな。」
夢子「ほんと!?ありがとアイク!!」
アイク(まあ、夢子と一緒なら大丈夫か。俺も男だし此処は怖がらずに堂々としなくては。)



TVの前に散らばったゲームを片付けて、DVDプレイヤーにDVDを入れる。

夢子「雰囲気づくり大事だから電気消すね?」
アイク「…正気か?」
夢子「折角だから。」
アイク「まあ…別に良いが…。(怖がるな俺…!!)」



暗くなったリビングでソファーに座り、ホラー映画鑑賞会が始まった。


いつも煩い家の中が静まり返り、初っ端から流れる不気味な音だけが響く。

アイク「…結構年季入ってるな。」
夢子「結構昔の映画だからね…。」
アイク「まあそれも余計雰囲気あっていいのかもな。」
夢子「そうかもね…何か独特な感じで…私もうちょっと怖いかも。」
アイク「そうか?」
夢子「アイクは怖くないの?!」
アイク「まぁ‥‥(ぶっちゃけ手が震えてるが)」
夢子「上映時間1時間半以上あるからね…序盤だし頑張って耐えなきゃ‥‥。」
アイク「…。(コワイ。)」



シーンはとあるペンションに遊びに来た男女4人が呪いのVHSを見て
1週間後に全員変死した話から始まった。
全員死因は不明だがこの世の者とは思えないような恐ろしい形相で無くなっていたらしい。


夢子「出た…呪いのビデオ。」
アイク「VHSが出る辺りも時代感じるな。今じゃ出回ってないんだろ?」
夢子「うーんどうなんだろ。通販とかだと有りそうだけど。」
アイク「俺が出た蒼炎の軌跡や暁の女神ももう大分前だもんな。…ほんと時代を感じる。
    取り残されたくはないな。」
夢子「大丈夫だよ!アイク、今此処にいるでしょ?私の隣にいて生きているんだもん!
      寂れたりしないよ!!」
アイク「…そうだといいが。」


物語は進んで主人公のレイコと息子のヨウイチが写る。
幼い子供のヨウイチ、割と落ち着いてて行動も怖い。


夢子「このコ…なんか怖いんだけど…」
アイク「子供の冷静さじゃないよな。行動も妙だ。」
夢子「何か変な事起きなきゃいいけど…」


更に話は進む。
レイコが変死した若者たちの調査をして例のペンションへ行く。
そこで管理人に頼み目に入った名前もタイトルもないVHSを借りてくる。



夢子「これ絶対呪いのビデオじゃん!!??レイコってば何で借りてくるのー!!」

夢子は叫ぶ。
そんなツッコミも虚しく映画は話がどんどん進んでいく。

借りてきたVHSをレイコは勿論、あの冷静小学生の息子のヨウイチまで見てしまった。


夢子「いやああああ!!二人とも見ちゃったよ!?どうしよアイク!?」
アイク「…まだ…大丈夫だ。」
夢子「‥‥うう、どうなるんだろ…」


そこから別れた夫のリュウジも出てきてリュウジもダビングした呪いのVHSを見てしまう。
因みにリュウジは凄い霊感のある凄い元ダン。ヨウイチの父はこの人だったりする。
リュウジがレイコの写真を撮ると顔だけ歪んでいた。
呪われたものは全員写真にこう映るらしい。


夢子「…うわァァ…結局3人も見ちゃった…どうなるんだろう。」
アイク「。」
夢子「アイク大丈夫?顔真っ青だよ?」

と、そのときだった。

鏡に一瞬貞子が写るドッキリシーンがきた。




夢子「いぎゃあああああああああああああああ!!!」


夢子が悲鳴をあげてアイクの腕にしがみ付く。

夢子「い、い、い今後ろに長い髪の女の人がぁぁああああ!!」

震える夢子。
アイクも正直今のシーンでびびっていたのだが
自分にくっ付いてきた夢子が可愛くて恐怖が若干飛んでいた。
っていうか夢子がくっ付いて離れようとしない。
物凄く力を入れてアイクにしがみ付く夢子。


夢子「タイムリミットのカウントが怖いよおおおお!!」


アイク「…幸せかもしれん。」
夢子「何か画質悪い上に映像の天気がどれも悪すぎる!!海が邪悪な色に見えるううう!!」
アイク「俺も悪霊に取りつかれたかも。」
夢子「出てくる人みんな怖く見えてくるうううう!!うわああん怖いよおおお!!!」



夢子は完全にビビり散らしていた。
アイクにしがみ付いてる事も本人は気にしてなかった。
アイクはというともうめちゃくちゃドキドキしてる。
…色んな意味で。




【いいね!!】




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