夢子「イギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!???」



家の中に夢子の悲鳴が響き渡る。
するとその悲鳴を聞きつけたアイクとシュルクが来た。
ふたりは丁度、家の中に在宅していたのだ。

すぐさま夢子の部屋へと駆け寄る2人。




【無意識だから許されると思ってる。っていうか許して。2】





アイク「夢子!?一体どうした!?!?」

直ぐに夢子の部屋のドアが勢いよく開かれる。
運が良かったことにこの時は施錠はしていなかった。

シュルク「こ、これは…!!」


ドアを開けたアイクとシュルクの目に入ってきた光景は
正に夢子を押し倒し胸を鷲掴みしてるルフレだった。


アイク「おま…!!軍師…真昼から何してんだっ…!!??」

夢子は顔を赤くしてアイクとシュルクに助けを求める。

ルフレ「ボール…ボール…」

夢子「ふ、2人とも…助けてぇ‥‥!!///」

アイクはすぐにルフレを夢子から引き剥がす。
シュルクは倒れてる夢子を起こしに掛かった。

シュルク「夢子さん、大丈夫ですか!?」
夢子「シュルク…ルフレが…ルフレが突然…」

半べそをかいてる夢子。
一方ルフレはというと…アイクに押さえつけられていたのだが‥‥?

アイクは結構戸惑っていた。
ルフレが変な唸り声をあげて物凄い力で暴れようとしていたから。

アイク(なんだ…コイツ…変態軍師とは言えこんなに力あったか…?!)

アイクはルフレの様子が可笑しい事に気が付く。
夢子と助けに入ったシュルクはそのことに気づいていない。


シュルク「はぁ、ルフレ…幾ら貴方でも真昼間から、しかも夢子さんが嫌がってるのにこんな事をしては…」

ルフレ「うううっ…うううううっ…ぐぐぐ…うあああああ!!!」

シュルク「…ルフレ?何か、変じゃないですか?」

ここでシュルクもルフレの様子が可笑しい事に気が付いた。
ルフレの目が段々赤く光る。
アイクが冷や汗をかきはじめた。

アイク「シュルク…コイツを抑えるの手伝ってくれ…何やら尋常じゃない力で暴れようとしている…っ!!」
シュルク「…穏やかじゃありませんね。」

するとルフレは狂犬病に掛かった犬の様に暴れはじめた。
すぐさまアイクとシュルクが床に押さえつけて羽交い絞めにする。
ルフレはそれでも暴れている。
悲鳴をあげて夢子は怯える。

夢子「何か…ルフレが変‥‥!?私のせいだ…私のせいでルフレが…っ!!」

シュルク「夢子さん、直前にこの人に何かしました?幾らスケベだとしてもこれは流石に…」
夢子「え…えっとね…ルフレに催眠術かけたんだけど…」
アイク「どうやってかけたんだ?」

夢子はハッと思い出しアイクとシュルクに催眠術に使用した水晶を見せた。

夢子「これ使ったんだけど…」

アイクとシュルクはその水晶を見て直ぐに表情を濁らす。
そして夢子に言い放った。

アイク「夢子、その水晶を今すぐ破壊しろ。」

夢子「え…?」

アイク「早くっ!!」


あの普段はおっとり系男子のアイクに怒鳴られて夢子はあたふたとしながらも
部屋の中を見回して視界に入ったアンティークのうさぎの置物を手に取る。
丈夫でかなり重さのある金属のうさぎ置物だ。
息を吸って決心して夢子はうさぎの置物を水晶目掛けて投げつけた。



バリンッ!!!



水晶は砕け散る。怪しい光を放ちながら。
その瞬間と同時に暴れて押さえつけられていたルフレの動きも止まった。
夢子は額の汗を手で拭う。
アイクとシュルクも脱力して部屋に座り込んだ。

アイク「‥‥はぁ、危ない所だったな。」
夢子「もしかして…原因はあの水晶のせいだったの?」
シュルク「夢子さん、あれは水晶ではないですよ。」
夢子「え?」

アイク「…所謂魔石ってやつだな。」
夢子「まっ…!?」
アイク「こんなものがこの世界にあるとは…」
シュルク「あるというか、意図的に誰かに持ち込まれたとしか言いようがありませんね。」
夢子「そんな…私占い師のおばあちゃんから貰ったんだよ?」
アイク「その占い師‥‥本当は占い師じゃないのかもな。」
夢子「そんな…私のせいでルフレを危険な目に…」
シュルク「何だか、いよいよクレイジーの手が忍び寄ってきてる感じしますね。」
アイク「…そうだな。これからはもっと気を付けて行動しないとだな。」
夢子「…。」
アイク「落ち込むな、夢子。今回の事で責任感じる必要はない。お前も騙されたのだし。」
シュルク「そうですよ。知らずに入手してしまった物…落ち込まないでください。」
夢子「うん‥‥。」


3人がそんなやりとりをしていると、気絶していたルフレが目を覚ます。


ルフレ「う…うーん‥‥僕は一体何してたんだ?…頭が痛い…。」

夢子「ルフレ!!!」


夢子は目を覚ましたルフレに抱き着く。
わんわんと夢子は泣いた。

ルフレ「夢子!!??一体どうしたの?!」
夢子「ルフレー!!」
ルフレ「ああ、よしよし、そんなに泣いて…僕の事相当好きなんだね?わかったよ、よしよし。」
アイク「…そういう意味じゃないと思うんだが。」
ルフレ「む、何で君たちまで彼女の部屋に居るの?」
シュルク「…貴方…さっきまで大変だったんですよ??」

アイクとシュルクは事情を話した。
うんうんとルフレは聞いている。
そして、頷いた後にひとり納得するルフレ。


ルフレ「あー…やっぱあの水晶、魔石だったんだね。
    最後に視界に入った時、何か変な感じしたんだよね。
    水晶にしては濁ってたし、中心部から変な魔力感じて。」
夢子「そうなの?」
ルフレ「僕ももっと注意したらよかったね…ごめんね、夢子。心配かけて。」
夢子「そんなこと無いよ!!私これからはもっと気を付ける‥‥。」

ルフレ「それにさ、


    そんなまどろっこしい事しなくても

    僕は堂々と夢子のおっぱい触るから!!!」




夢子「…はぁ!?///」



アイク「ルフレ‥‥お前なぁ…。」
ルフレ「ん?君たち堂々と触れないんでしょ?プププー!!残念でしたー!!これは僕の特権(?)」
シュルク「…モナド出していいですか?(にっこり)」
アイク「俺もラグネル出していいか?(にっこり)」
ルフレ「僕と戦う気かい?良い度胸だね?(にっこり)」

夢子「喧嘩はやめて‥‥?てかこんな事で武器召喚しないで?!」

…これは権限を解除したマスターも悲鳴物だ。

結局夢子が貰って来た謎の水晶によって一時は暴走したルフレだったが
水晶を破壊したことによって意識が戻り通常通りになった。



夢子「これからはもっと身を引き締めなきゃ…何があるかわからない‥‥。」



言い合う3人の横で
夢子は床に砕けった魔石の欠片を見て思う。





【無意識だから許されると思ってる。っていうか許して。】【完】


【いいね!!】



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