家の中でTVを見る夢子。
バラエティー番組の企画で巷で有名なマジシャンの出る企画があった。

その企画ではマジシャンが催眠術をゲストにかけるというもの。

食い入るように見つめる夢子。


そして…番組を見終えた夢子はニヤリと笑った。



【無意識だから許されると思ってる。っていうか許して。1】




ルフレ「どうしたの?夢子。急に僕の事部屋に呼ぶなんて。」
夢子「やっぱり、一番最初に手伝って貰おうかなー?って思って。」
ルフレ「ナニナニ〜?今日は一緒に寝たいのかい?良いよ!僕の胸の中は何時だって君の物…」
夢子「そうじゃないってば!!健全な話だから!!」
ルフレ「何だ、残念。それで僕に手伝ってほしい事って何?」
夢子「ここに1つ水晶があるんだけど‥‥」
ルフレ「ん?…それで何する気だい?」
夢子「ルフレに催眠術、かけてみたいなーって。」
ルフレ「…どういう事?」


彼女は説明した。
TV番組で見た催眠術特集の事を。
つまり、見ていたら試したくなった、というわけだ。


ルフレ「それでこんな道具まで準備したの?」
夢子「準備したって言うか…これも偶然なんだけどね
      この間市場行った時に占いして貰って…
      占い師のおばあちゃんからこの水晶貰ったんだ!魔除けになるからって。」
ルフレ「…その占い師怪しくないかい?…本当に大丈夫?」
夢子「そしたらTVでタイミングよく特集してたから、
      これは水晶を有効活用しなさいって神様からのお告げだと思って!!」
ルフレ「…まあ、君が楽しいならそれでいいけどさ…。」
夢子「だから、ルフレ…第1号になって?!(キラキラ)」
ルフレ「要は最初の犠牲者になってって意味か…」
夢子「犠牲者だなんて失礼な!!成功するんだからそんな悲惨な結果には絶対ならない!!」
ルフレ「その自信は一体何処から…」
夢子「じゃあ、早速…ルフレ、この紐に下がってる水晶を見つめて!」
ルフレ「はいはい…。終わったら僕のお願いも聞いてもらうからね?」


ルフレは夢子が紐からぶら下げた水晶を見る。
見つめて5分が経った。

ルフレ「…。」

夢子「集中して?これからゆっくり左右に揺らすから…」

夢子は水晶を揺らした。
よくある催眠術のあの行動。
水晶はゆっくり揺れる。

見つめていたルフレは思った。

ルフレ(‥‥この水晶…何か…ん?こ、これは…!!)


ドクンッ!!!


突然ルフレは自分の心臓が変な脈を打つ感覚に襲われた。
そして…その場で倒れた。

夢子「わっ!?ルフレ!?‥‥催眠術、聞いたのかな?」

倒れているルフレに声を掛ける夢子。

夢子「もしもーしルフレー?‥‥やった、成功したかも?!」

喜ぶ夢子。初めての催眠術が初めて成功した。

夢子「やればできるじゃない!私!…でも、術を掛けた後、私はどうしたらいいのかな?」

その後の事をあまり深く考えていなかった夢子。
どうしようか考え悩んでいたその時だった。

ルフレがむくりと起き上がった。

夢子「あ…」
ルフレ「…。」
夢子「術…まだ、解けてないよね…?」
ルフレ「…。」

ルフレは黙ってぼーっとしている。

夢子「この状態なら何か無茶な命令とかも利くかも?」


夢子は此処からルフレに色々実験することにした。

夢子「そうだなぁ…よし、まず初めに…ルフレ、逆立ちして?」


夢子は言った。
最初の命令がそれいいのか…?
するとルフレは黙って立ち上がり勢いよく逆立ちした。
因みに普段ルフレは逆立ち出来ない人間だったりする。

夢子「わあぁああ!凄い、術効いている!!そ、それじゃあそのまま部屋の中歩いて?」

ルフレ「…。」

ルフレは逆立ちして部屋の中を動く。

夢子「私って、もしやマジシャンの素質あるんじゃない!?」

喜んで興奮する夢子。

夢子「じゃあ…次は…そうだ、このわたあめのお気に入りのおもちゃのボールでお手玉して?」

夢子はボールを2つルフレに渡す。

ルフレ「…。」

ルフレは通常の姿勢に戻ると黙ってボールでお手玉をし始めた。

夢子「わー!凄い凄い!ここからもうひとつずつ玉増やしたらどうなるかな…10個くらいできるかも!?」



しかし、ここでトラブルが発生した。
ルフレが突然、投げていたボールを床に落とした。
床にボールがバウンドする音が響く。

ダンダンダンダン・・・・ッ‥‥
転がるボール。

夢子「…ルフレ?どうしたの?」
ルフレ「…ボール…。」


ルフレが夢子を見つめる。
いや、夢子というか



夢子の胸元を見つめていた。


夢子は頭が真っ白になった。
目も点になる。

夢子「…え?」

ルフレはジリジリと彼女に近寄り始める。

ルフレ「ボール…2つ…。」

夢子はさっと腕で胸を隠してルフレを警戒する。
明らかにルフレは夢子の胸を見ている。


夢子「いや…ちょ…ボールって…こっちじゃなくて…。///」

夢子は腕で胸を隠す。
すると次の瞬間!!


ルフレが夢子に襲い掛かった!!!


夢子は思わず悲鳴をあげる。



夢子「イギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!???」






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