夢子「あああああああああああああーーーーーー!!!???私のシャンプー!!!」



夢子は玄関に立つアルフレの手に持たれた袋を指さす。
確かに袋にはドラッグストアのロゴが書かれている。






【シャボン玉飛んだ屋根まで飛んだ屋根まで飛んで…壊れず消えない事もあるから。3】










夢子は怒りでプルプル震える。
それもそうだろう。
こんなにまで苦労して、此処まできて
リンクと鉢合わせて襲われかけて。

全部…

全部…


この男(アルフレ)のせいだった。

彼女は必死に手を伸ばしながら怒る。

夢子「全部貴方の仕業だったのね!?!?」

アルフレは指でビニール袋をくるくる振り回しながら答える。

アルフレ「ん?何誤解してるの?」
夢子「だってそれ…私のシャンプー!!」
アルフレ「ああ、これね。さっき君が鍵もせずに家の中に入って行ったからさ。
     不用心だなって、ついでに玄関覗いたら買い物した袋放置してたから…
     盗まれたら可哀想でしょ?だから僕が預かってたの。
     で…そろそろ使う頃かなー?って思って届けに来たんだけど。」
リンク「言ってる事滅茶苦茶じゃないですか…?」

アルフレはリンクを睨みつける。

アルフレ「そしたら何さ、何で英傑勇者が彼女の前にいるの?
     今そこにいるべき存在は僕だよ?」
リンク「…要はストーカー後に不法侵入した挙句、窃盗までして最終的には性犯罪ですか?貴方死刑確定ですよ。」

リンクの言ってる事は正しかった。
しかしアルフレも負けない。

アルフレ「カッコつけてるとこ悪いけど…君だって今から夢子の事襲おうとしてたでしょ?
     考えてる事僕と大して変わらないじゃないか。」
リンク「なっ…!!」
アルフレ「まぁ、僕は誰にも負けない愛情を夢子に注ぐからいいんだよ。
     誰にも負けない愛おしい痛みを…フフフ…。」
リンク(コイツ‥‥前々から思ってましたが危険すぎる…)

夢子「…くちゅんっ!!!」

夢子はカワイイくしゃみをした。
そして口論するふたりに告げる。



夢子「…もういい、私もう一度お風呂で温まってくる。さっきから寒いの。」

夢子は部屋へ戻ろうとする。
するとリンクとアルフレに両腕を掴まれる。

夢子「ひっ!?」

リンク「ダメですよ!!寒い時は人肌が一番良いんです!!」
アルフレ「は?何言ってるの?夢子は今から僕と水責め拷問ごっこするんだよ。」
リンク「馬鹿な事言うのも大概にしてください。大体此処は俺等の家ですから。
    貴方はさっさと最上階に戻ってカエルの解剖でもしててください。」
アルフレ「失礼だなぁ、君なんかが彼女を楽しませる事が出来るわけ無いだろ。
     彼女の悲鳴を聞くのは僕だけの特権だから。」
リンク「貴方は女性への配慮がまるでなってませんよ。赤子からやり直してください。」
アルフレ「よく言うね?大体君は彼女の何なの?彼氏面してうっざ。」
リンク「この世界に一番最初に来て彼女と一番長くいるのは俺ですから?
    貴方こそ新参者でしょう?元左手組所属の癖に貴方こそ頭が高いですよ?」
アルフレ「昔の事グダグダ言う男ってホント嫌だよね。そう思わない?夢子。

     ……ん?あれ?」

ふたりが振り向くといつの間にか夢子の姿がなくなっていた。

リンク「…夢子さんが、居なくなった…!?」



夢子はリンクとアルフレが喧嘩している間にこっそりシャンプーの袋を奪還して一人風呂場に戻っていた。

すぐさまリンクが猛ダッシュで風呂場の扉の前に行く。
‥今回は鍵がちゃんと掛かっている。

リンクが泣きながら扉を叩く。

リンク「夢子さん、ごめん!!怒ってますか?
    謝りますから鍵開けてください、今度こそ一緒にお風呂入りましょう!」

この人、まだ諦めていない。
そして、もうひとりも。

家の中にズカズカと入ってきたアルフレ。
彼はリンクの背後から風呂場を見る。

アルフレ「…フフフ、君…等々彼女に嫌われちゃったね?」
リンク「‥‥うっさい!って言うか勝手に家の中上がらないでください!?警察呼びますよ?!」
アルフレ「こんなに怒った彼女を大人しくさせられるのは…やっぱり僕しかいないよね?」
リンク「何する気です!?」
アルフレ「風呂場の鍵なんてすぐ開けれるよ?少し小細工したら‥‥フフフ。」
リンク「それはダメです!!」
アルフレ「ん?何で?君だって中入りたいんでしょ?」
リンク「そこまでしたら人間性疑いますよ流石に。」
アルフレ「僕はずっとクズって言われてるから今更人間性なんて気にしないけど。」
リンク「帰ってください。」
アルフレ「えー?」
リンク「…夢子さん、さっきまでずっと俺と一緒に居て…
    あの格好でですよ?!湯冷めして寒かったはずです。」
アルフレ「んーエロかったね。」
リンク「それは間違いないですが、風邪引いたら貴方責任取れるんですか!?」
アルフレ「そうだね…僕が《また》口移しで風邪薬飲ませればいいでしょ?」
リンク「またって…貴方またって何ですか!?一体過去に何したんです!?」
アルフレ「フフフ。じゃあ今日は僕帰ってあげるよ。お大事にねー?」
リンク「ちょ…アルフレ!?」

意味深な発言をして立ち去るアルフレ。
※因みにアルフレの口移しの話は長編の夢子が義眼になった事件の話になる。※

当然リンクはその場に居なかったので詳細までは知らないので

リンク「すっごいモヤモヤする…。」

そりゃな。


一方夢子はというと温かいお風呂に浸かってから
念願の2度目シャンプーをしていた。



夢子「んー♪やっぱりシャンプーは2回しないとね!!」



夢子は風邪もひかずに無事お風呂を済ませることができた。
お風呂から上がって頭にタオルを乗せてリビングに行く夢子。
そこには出かけていた他の剣士男子達が帰ってきていた。


ピット「夢子お風呂入ってたんだね!?」
マルス「シャンプー替えた!?めっちゃ良い匂い!!僕も同じの使っていい??」
アイク「俺は弱酸性じゃないと駄目だ…」
シュルク「意外ですね…めっちゃ地肌強そうなのに。」

夢子「あ、そういえばリンクは?」

ルフレ「何か部屋に籠ってブツブツ言ってたよ。…それより夢子、もっと僕の側に来て?!
    シャンプーの匂い、クンカクンカしてあげるから!!」
夢子「はぁ!?///」



因みに、リンクはというと
自室で鬱になっていた。



リンク「…《また》って何ですか?」


未だにアルフレの問題発言を引きずっていた。








【シャボン玉飛んだ屋根まで飛んだ屋根まで飛んで…壊れず消えない事もあるから。】【完】






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