3
夢子は此処から演技をすることにした。
全てはアルフレを黙らせ屈服させるためー・・・。
【こんな不愉快なモノ、この世に存在してはいけないと思うんだけど。3】
此処から夢子の怒涛の演技が始まる。
夢子は大きな声でアルフレを刺激する。
夢子「嫌ッ!!!私に近寄らないで!!」
そういわれると不審者は余計近寄りたくなる素質。
無論、アルフレもだ。
アルフレ「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん?ねえ、これからお茶しようよ。二人きりでさ。」
夢子「嫌!!何で貴方と何か!!」
アルフレ「ルフレとはいつもしてるんでしょ?何で僕はダメなの?」
夢子「私は貴方が嫌いなの!!さっきから嫌って言ってるでしょ!?」
アルフレ「連れないなぁ…僕がこんなにも君を見てるのに。君は僕の事なんかちっとも…
いや、今回は気にしてくれてた?フフフ。」
夢子(乗り気になってきた‥!?これはいけるかも!!)
夢子はワザと走ってその場から逃げようとした。
するとアルフレは直ぐに彼女の腕を掴む。
アルフレ「何で逃げるの?」
夢子「ッ!!」
アルフレ「悪い子にはおしおきしないとね…?そうだ、さっきも言ったけど僕は病み上がりで…
君にコロナ、移してあげても良いんだよ??」
夢子「やめて!離して!!」
アルフレ「ああ…やっぱり君の小さな抵抗は僕の幸せだよ…さあ、僕の目を見て?」
アルフレが捕まえた夢子を自身に引き寄せてキスをしようとしてきた。
その時だった。
夢子は密かに手に梅干しを隠し持っていた。
いつ襲われても反撃できるようラップに包んで持ち歩いてたのだ。
アルフレは夢子に夢中で彼女の手の中に大嫌いな梅干しがあるとは気づいていない。
そのまま彼女に顔を寄せてきた。
そして、夢子の唇にアルフレが自身の唇を重ねようとしてきた、その時
夢子「隙あり!!!」
夢子はアルフレの口の中に思い切り梅干しを突っ込んだ。
アルフレ「ん?」
アルフレは状況を理解していなかったが
口内にジワジワと広がっていく自身の大嫌いな食べ物の味を感じて段々表情を崩す。
夢子(よっしゃ!!梅干し作戦クリア!!)
アルフレは…
その場に崩れた。
そして直ぐに梅干しを吐き出しツバも思い切りなども吐く。
アルフレ「ぺっぺっぺっぺ!!!何これ…!?君、僕に何をした!?」夢子「貴方の大好きな物、プレゼントしたんだけど、口に合わなかった?」
アルフレ「‥‥僕は梅干しが大嫌いなんだッ!!よくもこんなものを…!!」
アルフレの赤い目が光る。
しかしかなりダメージがあった様でアルフレの手足が震えてる。
崩れ落ちたその場から体が動かせない。
夢子「そんなに嫌いだったの?そんなんでよく和の国日本にこれたね?」
アルフレ「…やっぱり僕が梅干しがキライって事…知ってたんだね?」
夢子「どう?嫌がらせされる人の気持ち…少しは分かった?
これに懲りたらもう私に嫌がらせ何て…」
アルフレ「…ない…」
夢子「そう、やっとわかってくれたんd…」
アルフレ「許さない…!!」夢子「え?」
アルフレはいつもの不気味な笑みを消してフラフラと立ち上がる。
すると夢子の腕をもう一度掴む。
アルフレ「君は僕を侮辱した…こんなゲテモノまで僕に無理やり…
僕が君に対してすることは愛情なんだよ??
でも君は僕馬鹿にして…君は僕に愛情あるの??
その差の違い、わからせてあげないとね?!?!」アルフレの言ってることが矛盾していた。
そして彼女に再び手を伸ばす。
夢子は第二の作戦を用意していた。
アルフレが逆上してくるのを予想して。
案の定アルフレは逆切れしてきた。
そう、ここから彼にもうひとつ復讐を行う。
それはー・・・
ピカッ‥‥!!!夢子は自分に手を伸ばしてきたアルフレの顔面に向かってライトを当てた。
そのライトは車のハイビームよりも眩しいほどの特殊なライトで作られた懐中電灯。
それをアルフレの顔面に向かって御見舞いしてやったのだ。
案の定アルフレは手で顔面を多いよろめく。
普通の人間でも眩しさ故苦痛だろうがアルフレの場合数倍の効果があった。
アルフレ「クッ…!?な…何…だ!?!?」
夢子はアルフレの顔面に灯りを向け続けた。
アルフレが再び崩れる。
夢子はこれでもかとほどライトを当て続けた。
10分くらいだろうか。
夢子はアルフレを懲らしめた。
高濃度の光を浴びせられた彼はずっと地面に伏せて頭を抱えている。
夢子「‥‥ちょっと、やりすぎた…?かな?」
そう思う夢子。
彼女はやはり優しすぎる。
夢子「でも、私はこれより酷い思いを毎日受けてたんだ…このくらい、やってやらなくちゃ…」
夢子はライトを消した。
アルフレは地面に伏せ動かない。
夢子「ねえ、これで私の気持ち分かったよね…?」
アルフレ「…。」
夢子「私は貴方にもっとひどい事ばかりされてたんだよ?
嫌がらせされる人の痛み…分ったでしょ?」
アルフレ「…。」
夢子「少しは謝ったりしたらどうなの?」
アルフレ「…。」
夢子「ねぇ…何とか言いなさいよこのサイコパス!!」
夢子は言葉攻めを続けた。
しかしアルフレに反応が無い。
夢子「…アルフレ?」
夢子は恐る恐るアルフレに近づく。
すると、アルフレは瞳を閉じ荒い呼吸をしていた。
いつもの反応がない。
夢子「ちょ…アルフレ!?!?」
アルフレに声を掛けるが彼は意識が朦朧としていた。
そう、彼が言ってた病み上がりは本当の話だった。
この機でアルフレは苦手な物をふたつ同時に喰らった結果、病が再発してしまった。
夢子はやり過ぎたのだ。
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