夢子「んー!!美味しい!!」
ピット「色んな場所でクレープ食べたけどやっぱここ穴場だよね!」
夢子「私もそう思う!!」
ピット「僕たちだけの秘密の場所だね!誰にも教えないでおこ?!」
夢子「うんうん!!」


夢子とピットはブランコを揺らしながらクレープに舌鼓していた。
やはりこの雰囲気、長年この辺で住んでただけあって落ち着く。





【僕の物は僕の物。君の物も僕の物。…そんな言葉聞いたけど、ちょっと卑し過ぎない?2】





ピット「タワマン、色んな機能がついてて凄く住みやすいけど、僕はどっちかていうと狭いおうちも好きなんだよねー。」
夢子「そうなの?」
ピット「うん!今は自分の部屋が出来て…それはそれで落ち着くんだけど
    僕意外と皆で雑魚寝するの好きなんだよね!寝る前に枕投げなんかもしちゃって。何かの合宿みたいで楽しいんだ!」
夢子「あはは、言ってる事分かる気がする!」
ピット「まあ寝てる時にマルスに足蹴りされたりアイクのイビキが地響きみたいに煩かったり…沢山デメリットもあるけど
    それはそれでいいかなって思えたりもするなぁー。」
夢子「だからピット君自分の部屋で寝ないでリビングのソファーで寝る事多いの?」
ピット「まあそれもあるけど、あのソファー気持ちよすぎて。ダメだった?」
夢子「ダメではないんだけど、アルフレが300万くらいする〜とか言ってたよ?」
ピット「うぇえええ!?そんなするの!?…今使ってる僕のベッドより高い…というか比べ物にならない…」
夢子「私もあのソファー大好き!」

ピット「あ、そうだ!じゃあ…今日一緒に寝よ?!」
夢子「えっ!?///」



因みにピットに他の剣士男子達の様なイヤらしい気持ちはない。
只普通に夢子と添い寝したいだけだった。
今まで他の参戦者たちと色々あった夢子のほうが顔を赤くする。


ピット「‥‥嫌だ?」


ピットが子犬みたいな顔をして夢子を見つめてくる。
夢子は不覚にも萌えてしまいそうだった。

夢子「そ、そんなことないけど…///」
ピット「じゃあ今日ソファーで一緒に寝よ!あ、わたあめも一緒に!」
夢子「…二人寝れるかな?」
ピット「あのソファー凄く大きいし夢子小柄だから全然余裕でしょ!」
夢子「うーん…でもルフレが見たら何て言うかな。一番の問題はそれだと思う。」
ピット「…あの人、すっかり夢子を自分の所有物にしてるよねー。
    夢子は誰のものでもないんだと思うんだけどなー??」
夢子「あはは…。」
ピット「何ならルフレより僕の方が夢子とずーっと長く一緒にいるし!!!」
夢子「あ、そういえば…そうだね?」
ピット「…夢子は…やっぱりルフレみたいなのが好きなの?」
夢子「私はみーんな好きだよ。勿論ピット君だって!」
ピット「僕…どうせなら夢子の一番になりたいな。あー!そういえばルフレって言ったら思いだした!!
    前にアイツが【君の物は僕の物だから♪】って言ってきてさ、買ったばかりのシャーペン無理やり盗られたことあるんだよ!?
    都合よすぎて酷くない?!あのシャーペン高級で5千円もしたのに!!」
夢子「ああ‥某アニメのガキ大将の名台詞ね…ルフレ…変な事覚えたね…」
ピット「だったら僕だって!って思ったけど…実際僕にはそこまで力?権力?が無いから。
    …って言うか他の男子たち全員性格悪くない!?信じられないよ全く!!弱い者イジメ反対!!」
夢子(ピット君が初心で純粋なだけだと思う…)


二人分のブランコの影が揺れる。
ピットは自分の影を見て揺れている。

ピット「そろそろ帰ろうか?あまり長くいたら皆心配するだろうし。」
夢子「そうだね…!」

二人はブランコから降りた。
そして改めて夢子はピットを見上げる。

こうしてみると、なんだか成長した気がする。

夢子「ピット君って身長幾つ?また伸びたんじゃない?」
ピット「うーん、あっちの世界で最後に測定した時は168pくらいだった気がするけど。」
夢子「牛乳毎日飲んでるもんね!ピット君とアイクで殆ど牛乳パック空にするし。」
ピット「アイクってもう伸びなくて良いよね!?前聞いた時180p以上あるって言ってたんだよ!?
    まだ伸びようとするなんて信じられないよ!!…よーし今度から牛乳パックに僕の名前書いておこう…。」
夢子「あはは…。私身長低いから皆高く感じるけど…。」
ピット「夢子は今のままで十分だよ!!!寧ろ僕より伸びたりはしてほしくないよ!?」
夢子「大丈夫だよw今の時点で15p以上も差があるんだもの。それに…私はもう伸びないと思う。成長期過ぎてるはずだし。」
ピット「あ、でも伸びても伸びなくても僕は夢子の事、大好きだから!」
夢子「ありがと!」
ピット「あ、夢子…」
夢子「何?」
ピット「頬っぺたにクリーム付いてるよ?…とってあげる!」


すると、ピットは突然とんでもない行動をしてきた。



ペロッ・・・



何と、夢子の頬っぺたを舐めてきた。



夢子「ちょっ!?///」

思わず赤面する夢子。
ピットは何食わぬ顔をしている。
無自覚だ。

ピット「僕いつもチョコバナナ派だったけどイチゴホイップも美味しいね?」
夢子「ーーーッ!///」

ピットは笑ってる。

ピット「あれ…?もしかして恥ずかしかった?」
夢子「ピット君不意打ちすぎるんだけど…」
ピット「次来たときは僕も夢子と同じクレープ食べようかなー!」

たまに自然にやらかしてくる辺りピットは恐ろしい。

ピット「あ、そうだ!!折角だから映画鑑賞しながら寝落ちしようよ!」

彼はもう先ほどの事は忘れている。

ピット「シュルクが何本かDVD借りてきてるっぽんだよねー。
    でぃずにい?とかじぶり?とか。あ、あと怖〜いのもあるらしいよ!」
夢子「映画鑑賞か…良いね!!でもホラー系は勘弁かな…」
ピット「でも絶対夢子と二人きりで見られないだろなぁー周りの取り巻きが邪魔して来る予感しかないや。」
夢子「何なら皆で見る?」
ピット「僕、夢子の二人きりが良いんだけどなぁ。
    あ、そうだ!モニターを僕の部屋に持ってきたら…」


いつの間にかどうやったら夢子と二人で見れるかの話になっている。
ソファーで添い寝する話はどうなった?


夢子「じゃあ帰りに映画観賞用のオヤツ買って帰ろ!」
ピット「そだね!!そーしよ!」



二人はタワマンに帰る事にした。
公園の時計の針は18時を示している。
公園から立ち去る際にクレープ屋のオジサンにも軽く挨拶をして離れた。

夕焼け空がオレンジ色でとても美しい。

並んで歩く中、ピットが夢子に言う。

ピット「夢子、手、繋ご?」
夢子「え?」
ピット「手繋いで帰ろう♪」
夢子「…うんっ!」


二人は手を繋ぐ。
オレンジ色の光に照らされて影が伸びる。

この世界は美しい。
そして、この出会いもまた素晴らしかった。

ピット「夢子、ダーイスキ!」

彼の無邪気な笑顔は何処までも癒される。
そんな気がした一日だった。



因みにー・・・

夜のDVD鑑賞計画は案の定剣士男子達に邪魔されて
結局全員一緒に見ることになったらしい。
ピットは計画を壊され最初は怒っていたが
結局皆で見るのが楽しかったらしく最後は笑っていた。
夢子もそんなピットを見て微笑んでいた。


夢子(仲間同士仲がいいって微笑ましいよね…ずっとこんな感じで居たいな!)

今晩も賑やかな夢子宅だった。






【僕の物は僕の物。君の物も僕の物。…そんな言葉聞いたけど、ちょっと卑し過ぎない?】【完】




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