【僕の物は僕の物。君の物も僕の物。…そんな言葉聞いたけど、ちょっと卑し過ぎない?1】









夢子はピットと並んで帰宅しようと歩いていた。

ピット「あの問題簡単過ぎたよ。なのに皆解らないだなんて…不思議だなー。」
夢子「ピット君が頭良いからそう思うんだよ?私は先生に問題出されなかったけど
        ルフレの持ってるプリント覗いたら良く解らない暗号みたいな問題書かれてたもん。」
ピット「皆浮かれすぎなんだよー隙あらばいつも夢子の話しかしないし!?
    …まあ先生もワザと解きにくい難問出してる感じしたけど。」
夢子「あはは…まあ最近のあの人たち見てるととてもファイターには見えないからね‥‥」

すると突然ピットが立ち止まり閃く。

ピット「あ、そうだ!夢子、今日寄り道しようよ!!」
夢子「寄り道?良いけど…どこ行くの?」
ピット「前に住んでたアパートの近くの公園だよ!!」
夢子「ああ…!!何だか懐かしいね?」
ピット「僕たち公園の屋台のクレープ屋さんよく行ってたでしょ?」
夢子「あーそういえばあったね!!あそこでよく皆でクレープ食べたね!」
ピット「久々に食べたくなったから…ねぇ、行こう?!」
夢子「でも、あの辺に住んでたって敵にバレてるし…大丈夫かな?」
ピット「大丈夫だよ!僕こう見えて護衛隊長だよ!?僕が夢子のボディーガードするからいこーよ!」
夢子「うーん、じゃあ行ってみる?」
ピット「うんうん♪」




そんなこんなで…
夢子とピットは以前住んでいたボロアパートの近くにある公園に向かう事になった。
今住んでる場所から1時間程かかるが‥‥ふたりは楽しく会話しながらあっという間に公園付近に辿り着いた。

夢子「…引っ越ししてまだ1か月くらいしか経ってないのにもう何十年も前見たいな感覚。」
ピット「そうだねー。なんでだろ?あ、あったよ、クレープ屋さん!!」

夢子とピットは屋台に近づく。
クレープ屋のオジサンは以前と何ら変わりない。

オジサン「おお、お前たち!!久しぶりだな!!」
夢子「オジサンも元気そうで何より!」
オジサン「確か引っ越すって言ってたな?以前お嬢ちゃんの白髪の彼氏が報告してきたよ。」
夢子(多分…ルフレかな…)
オジサン「どうだい?新居は慣れたか?」
ピット「オジサン、僕らの住んでるところ凄いんだよー!!なんせタワマンなんだから!!」
オジサン「おおお!?それは凄いな!?オジサンも頑張ってクレープ売らないとな。」
ピット「そうそう、僕らクレープ食べに来たんだ!夢子とふたり懐かしいから行こってなって。」
オジサン「じゃあ腕によりをかけて作ろうか。君は確かチョコバナナが好きだったな。お嬢さんは…」
夢子「私はイチゴホイップましましで!」
オジサン「はいよ!じゃあ作るからそこで待ってな!」



クレープ屋のオジサンはクレープを焼き始めた。
薄い生地は鉄板であっという間に焼かれ
クリームとフルーツで形成されていく。
ものの5分で2つのクレープが完成した。

オジサン「はいよ、クレープふたつお待ちどうさま!」
ピット「わーい♪チョコバナナクレープ!!ずーっと食べたかったんだー!!」
夢子「やっぱりいつ見ても美味しそう!!」
オジサン「今は公園に誰もいないからふたりで仲良く食べな?」
夢子「もーオジサンったらw」
ピット「あ、そうそう、オジサン…」
オジサン「なんだ?」



ピットはにっこり笑ってこう言い放った。



ピット「今の夢子の彼ぴは僕だから★」


夢子「なっ!!///」

オジサンはにんまり笑う。

オジサン「ほほう、少年もやるなぁ…」
ピット「僕ね、夢子の事ずーーーっと守るって決めたんだ!!」
オジサン「そうそうかw」
ピット「他の奴らには夢子の事、任せるだなんてとんでもないよ。
    この役目は僕にしか務まらないし♪」
オジサン「じゃあしっかりお嬢ちゃんの事守ってやりな?命果てる日が来るまでずっとな!」
ピット「うんっ!!頑張るよ!!!」




そしてクレープ屋の屋台から離れる二人。
空いていたブランコに座る。

夢子は顔を赤くしてピットに言った。

夢子「ピット君…さ、さっきの話は…」
ピット「ん?さっき?」
夢子「私ピット君と付き合っては…いないよね‥‥?」
ピット「今は、だけどね。でも…僕、ぜーったい諦めないからね!?」
夢子「???」
ピット「ルフレとかアルフレとか…ライバルみーんな手強い奴らばっかりだけど…
    僕は夢子とずっと一緒に居たいし守りたいって気持ちは本物だから!
    何ならその気持ちは僕が一番って主張したいくらいだよ!!」
夢子「ピット君‥‥。」
ピット「皆に比べたら僕は身長も低いし童顔だし…鈍くて至らない点多いけど…
    僕は僕なりに夢子を守りたいんだ!ずーっと傍に居たい!!」
夢子「うん、ずっと一緒に居よう!」


ピットと夢子は笑い合う。
こんなにもほのぼのとした時間、幸せに満ち溢れていた。

夢子「さ、食べよっか!!」
ピット「うん!!」




【いいね!!】


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