リンク「うーん…どうしよう。」
キッチンで悩んでいるひとりの英傑。
そこに夢子がやってきて物語が始まる。





【美味しく作るならまずは食材集めから力を入れなければならない。1】



夢子「どうしたの?深刻そうな顔して。」
リンク「…ああ、夢子さんでしたか。実は冷蔵庫の中身が空っぽで。」
夢子「え?昨日まで沢山入ってたよ?」
リンク「原因は分かってるんです。…そこの爆食ゴリラのせいです。」

リンクが指さす方向にはソファーでくつろぐアイクがいた。
何とも満足げに眠たそうな表情をしているが。

夢子「…犯人はアイク?」
リンク「俺が作り置きしてたタッパーに入れてたはずのおかず、夜中にこっそり盗み食いしてるんですよ。」
夢子「アイクー、そうなの?」

夢子が問いかけるとアイクはめんどくさそうに答えた。


アイク「ん?…ああ、アレか。旨かったな。」
リンク「そういう問題じゃない…!今日の夕飯にも献立組んでたのに…主夫の気持ち考えてくださいよ。」
アイク「?」
夢子「ええ…。それじゃあ困ったことになったね…あ、そうだ!」


此処でひらめく夢子。
メシマズ女子が考える案は言うまでもなく…



夢子「お鍋作ればいいんだよ!」
リンク「鍋ですか…?ちょっと季節外れな気もしますが…」
夢子「それも普通の鍋じゃなくて、各自で食材選んで持ってくるの!」
リンク「所謂【闇鍋】じゃないですか…」
夢子「良い案だと思わない?!面白そうでしょ!」
リンク「うーん。ちょっと皆集めて話し合いますか。」








リビングに剣士たちが集合した。
夢子が自信満々に説明をした。
全員最初はあまりやる気ではなかったが
夢子のやる気にひと押しされて闇鍋をすることになった。


ピット「じゃあ何でもいいからひとつ食材持ってきたらいいんだね?」
夢子「うん!」
ルフレ「…これは危険な香りがするんだけど。普通に僕が食材買ってきて作ったほうが安全な気がする…。」
リンク「ダメです。今日は夢子さんの意見を尊重します。」
ルフレ「君…それで自分の株上げるつもりでしょ。」
リンク(にっこり)
マルス「任せて!僕がとびっきり美味しい食材加えてあげるから!!貴族の舌を舐めないでよね!」
シュルク「この間腐った牛乳飲んで《わお、変な味のヨーグルトになってるじゃん凄い!!》って喜んでたくせに…」
マルス「シーッ!それは内緒だって!?」
アイク「お前らしっかりしろよ。夕飯食えないのは嫌だからな。」
リンク「いや、元はと言えば全て貴方のせいですからね。」
アイク「?」
夢子「あはは…」


これは、予想以上に凄まじい結果になりそうな予感がする。

夢子「じゃあ買出しに出発!だね?夕方まで大分時間あるし各自のんびり選ぼう!」



ここで一旦夢子達は解散した。
夢子はちょっと変わったことを考えていた。


夢子「…よし、色々考えたけど折角だからアレをしよう!」



早速夢子は行動に出た。
急いで支度をして外に出る。
彼女が向かうのはスーパー…ではなかった。

彼女は何故かタクシーに乗った。
車内に乗り込むと運転手に告げた。


夢子「●●山まで!!」

運転手は驚く。

運転手「山…!?お嬢さんひとりで何しに行くんです!?」

夢子は持ってきたリュックをみて自慢げに言った。

夢子「…【狩り】ですよ。(ニヤリ)」

運転手「は?!」




暫くタクシーが走り、目的地の山に辿り着いた。
夢子は勢いよくタクシーから降りた。
帰りが大変なのでタクシーは此処で駐輪してもらうことにした。
運転手はまだ困惑していたが、夢子は気にしない。

夢子「よし…!!美味しいお鍋食べるには、新鮮な食材が必要…スーパーじゃ駄目なんだよ!」

今日の彼女の思考は少しズレている。
そう、

夢子は山で自ら食材を集める気だった。


夢子「此処なら誰も居なさそうだし何か食材が見つかると思うんだよね♪」

結構サバイバルな一面が垣間見える夢子。
そもそも闇鍋なので美味しく出来る保証がほぼないのだが…
この時の夢子は気合が入っていた。



夢子「まずは林の中だよね!キノコとか生えてないかな!?」


夢子、素人がキノコを選ぶのはかなり危険だぞ…大丈夫か?




【いいね!!】

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