それはピットがホームセンターで買ってきたー・・・・




【不思議な丸い緑のそれを眺める日々。1】




ホームセンターに一人で遊びに行ってきたピット。
彼は生き物を観察するのが大好きだ。
勿論人間も。
人を見ているのって楽しい。
急いでる人、眠そうな人、楽しそうな人、酔っぱらってる人…
そういう通りすがりの人たちを見てピットは楽しんでいる。
そして今日はホームセンターに寄った彼。
日本のホームセンターには何でもある。
家具家電日曜大工道具…
何なら最近だと食べ物まで売ってある。
そういう商品を眺めるだけでも時間を潰せる。
でも最近ピットがハマってるホームセンターのコーナーは
園芸コーナーだったりする。
園芸コーナーには植物の植木鉢もあれば種や肥料だって置かれている。
彼はそのコーナーが大好きだった。



ピット「今日は何が咲いてるかなー?」



1人園芸コーナーを物色する。
そして…
変わった物を発見した。
それは今まで見たことも聞いたことも無いモノだった。

ピット「なにこれ‥‥!初めて見た!!よし、買っちゃおう★」


ピットはそのブツを購入して家に帰る事にした。





今、家には誰もいない。
皆それぞれの用事を熟している。
ピットはひとりリビングに行って袋からホムセンで買った商品を出す。
それはー・・・


水の入った瓶の中に、丸い緑色のコケのようなものが2つ、沈んでいる。


‥‥マリモだ。



ピットはジーっと瓶の中を見つめる。

こんな生き物、元の世界では見たことがない。

ピット「これ…生きてるよね?」

少しだけ瓶を横にする。
マリモはコロコロと動く。

ピット「‥そういえば直射日光と高温に弱いって説明書に書いてたなぁ‥‥よし‥‥!」


ピットは家の中のカーテンを全部閉めてクーラーを最低音にし設定した。







2時間後。

タワマンに帰ってきたマルスとアイクのふたり。
マルスが喋りながら玄関の扉を開ける。

マルス「だから、夢子はそういう所が初心で可愛いんだって!
    僕が華麗にルフレから彼女を奪い去るから君は指を咥えてみt‥‥




    
    
    うぶォッッ!!寒っっっ!!!」




玄関の扉を開けたマルスが瞬間で氷漬けにされたような感じになった。
アイクも隙間から漂う冷気を感じる。

アイク「…なんだ?家の中に氷山でも出来たか?」
マルス「そんなアイスクライマーじゃああるまいし…」
アイク「じゃあ何でこんな寒いんだ…」
マルス「誰かがエアコンの設定温度間違えたんじゃない?」
アイク「入ろう。」




マルスとアイクの二人が家の中に入ってきた。
家の中は真っ暗だ。
そして奥に進むにつれてクソ寒い。


マルス「異常だよこんなの…まるで氷河期だよ‥‥」
アイク「誰だ?こんな事してる奴は…」


アイクがリビングの電気をつけた。

そこには

毛布にくるまってテーブルの上の瓶を見つめてるピットだった。

マルス「…何してんのピット君。」
ピット「ん?おまるすとアイク?」
アイク「全くお前は…こんな事して風邪引くぞ。」
ピット「聞いてよ二人とも!僕ね、マリモ見つけてさ!!」



ピットは二人にマリモを購入する経緯を話した。

大体理解した二人。


マルス「で…そのマリモとやら…どうするの?」
ピット「夢子にプレゼントする!!」
アイク「これ…女子が貰って喜ぶのか?」
ピット「夢子なら喜んでくれるよ!!間違いなし!!」



夢子は本当に喜ぶのだろうか。





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