2
夢子「にゃははは、わたあめ〜ぎゅーってしよ〜♪ムニャムニャ…」
その次の瞬間だった。
アイクが別の意味で悲鳴をあげそうになった。
【その陽だまりの様な温もりをいつまでも感じていたいから俺はお前を手放したくはない。2】
なんと、
彼女が…
アイクの脚に自身の脚を絡ませてきたのだ。それはもうしっかりとホールドされて。
アイク「ーーーーッッ!?!!?///」
落ち着いたはずの鼓動が爆発しそうなくらい早く動く。
流石にパニックに陥るアイク。
夢子は相変わらず脚を絡ませ顔をアイクの胸に摺り寄せる。
彼女は今、わたあめをモフってる夢を見ている様だが…
アイクにとってはもうそんな事どうでも良かった。
こんなにも彼女の体温を感じる事が今まであっただろうか。
否。
もうこれは覚悟を決めるしかない。
何の覚悟かって…
男の覚悟だ。
アイク「夢子‥‥。」
アイクはそっと夢子を抱きしめた。
そしてオデコにキスをする。
夢子はまだスヤスヤ寝ている。
アイク「‥‥何処まで無防備なんだ…俺じゃなかったら直ぐに大変な事になってたぞ。
…まあ、今から俺もその
大変な事をするわけだが。」
アイクが部屋に掛けられてる時計の針を見る。
午後の3時。
アイク「…アイツ等が帰ってくるか来ないか…ギリギリだな。それまでは夢子とこうしてー…」
その時だった。
腕の中で夢子がモゾモゾと動いた。
夢子「わたあめー…ん…?何か…物凄く温かい‥‥
わたあめおおきくなったんだねー…
…え?わたあめじゃ…な…
ええ!?え、あ、!?あああアイク!?///」ここで夢子の目が覚めてしまった。
夢子は動揺している。
一方、アイクは先ほどの動揺はもう何処にもなかった。
それ所か冷静に夢子を見つめている。
今度は夢子がパニックを起こす。
夢子「わ、私…わたあめとアイクが気持ちよさそうに寝てて‥‥
それでわたあめをモフってたらそのまま寝落ちして…
そしたらなんで!?何でアイクを!?私もしかしてアイクの事モフってた!?ギャアア…」
アイク「はあ…お前って奴は。やっぱりそういう感じか…」
夢子「ご、ごめん!!直ぐ離れるから‥‥って…
アイク…何で私の腰に手を回してるの…?!動けないんですけど?」アイク「…分らないか?」
アイクはじっと夢子の瞳を見つめる。
夢子も視界にアイクしか入らない。
ここで、どういう状況か夢子は察してしまった。
夢子「アイク…一応言うけど‥‥そういうのは…ダメだからね?」
アイク「何故だ?」
夢子「何故って‥ダメだからダメなの!!」
アイク「お前から来たんだろ?」
夢子「そうだけど…って違う違う!!ニュアンスが違うの!!これは完全な誤解で…」
アイク「お前は俺のスイッチを押してしまった。…覚悟するんだな?」
アイクは夢子をそのまま押し倒し首筋にキスをしてきた。
夢子「ちょ!///や、やめ…!!///」
次の瞬間、
バンッ!!!アイクは何かで頭を思い切り音が出るほどの勢いで叩かれた。
ルフレ「‥‥団長…?君は一体僕の夢子に一体何してるんだい?」
そう、ルフレが家に帰って来たのだ。
リビングのど真ん中の明るい場所でそういう行為をしかけてるアイクに殺気を帯びた目で言う。
アイクは舌打ちをする。
夢子はせかせかと這ってその場から逃亡する。
ルフレ「君って奴は‥やっぱり大丈夫そうな人程裏で何考えてるか…」
アイク「俺も、夢子の事好いてるから。」
ルフレ「なっ!!」
夢子「〜!!///」
アイク「お前、ライバルだから。いつでも夢子を奪われる準備でもしとくんだな。」
ルフレ「っくーーー!!もう何で挙ってこの家にいる全員夢子の事大好き星人なんだよおー!
隙あらば夢子の事狙うんだから!許せない!」
ガミガミと唸るルフレを他所にアイクは一定距離を取ってこちらを見ていた夢子にウインクした。
夢子の顔が再び薔薇の様に赤くなる。
今回の事は明らかに夢子の不注意だったが…
夢子の魅力は確かに零れるように溢れているので
剣士男子たちには耐えがたいだろう。
ルフレ「兎に角、夢子にそういうことしていいの僕だけなんだよ!?」
アイク「誰がそんなルール作った?日本の法律でもないだろう?」
ルフレ「今僕が作ったの!!あーほんと腹立つ!!(ムキーッ!!)」
夢子「わ、私、わたあめの散歩行ってくるね!?」
バタンッ・・・
家から夢子が出て行った。
その後ルフレとアイクはずっと喧嘩してたらしい。
気付けば毎日誰かと誰かが夢子の取り合いをしてる。
それほど夢子はカワイイのだ。仕方がない。
【その陽だまりの様な温もりがいつまでも居てほしいから俺はお前を手放したくはない。】【完】
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