ピット「春と言えば!?」


学校の休み時間。
いつものグループで談笑をしていると突然ピットが大声を上げた。



【甘酸っぱいのは恋だけじゃないから恋みのりを食すのです。1】




アイク「いきなりどうした…?」
ピット「だーかーらー!春と言えば!?はい、答えて!」
リンク「…桜とか?」
シュルク「まあ普通に考えるとそれですね。」
マルス「僕は名前の通り青春かな!新学期は恋の予感…夢子と僕との出会いの様にごにょごにょ…」
ルフレ「はいはい英雄王はひとりで青春してて。…夢子は何か思いつく?」

夢子「そうだなぁ…あ、苺とか!!」
ピット「夢子、大正解ー!!」
夢子「ん…?どういう事?」
ピット「僕ね、皆で苺狩り行きたいんだよね!」
マルス「唐突だね…」
アイク「それなら去年も行かなかったか?」
ピット「楽しい事は毎年やらないと!ねぇ、夢子も行きたいでしょ?苺狩り!!」
夢子「そうだね…時期だし甘くて美味しいだろうなぁ…!」
ピット「はい決まり!今週の休みは皆で苺狩りしよー♪」
アイク「…俺等の意見取り入れないで勝手に決まったな…」
シュルク「まあ暇ですからいいのでは?」
ルフレ「僕は夢子と二人きりで苺狩りしたいんだけど。」
リンク「同感です。」
ピット「だめだめ!皆仲良くしなきゃ!ね、夢子!」
夢子「そうだね、思い出沢山作っておくのは良いことだよね!うーん楽しみ!!」
ルフレ「まあ…君がそういうなら…。(喜んでる夢子カワイイ…)」


夢子達はピットの提案休日に苺狩りに行くことになった。
苺の畑のあるハウスは今住んでる場所から少し遠い場所にあるのだが、
ここで移動手段にいつものあの人を呼ぶことにする剣士男子達。


平日はあっという間に終わり、休日になった。
夢子達は苺畑へと向かう車内。

運転してるベレトがブツブツ文句を言っている。


ベレト「…何で俺がこんな事を…」
ルフレ「仕方がないでしょ、このメンツの中で唯一運転出来て大きな車持ってるのベレトしかいないんだもん。」
ベレト「先生と呼べ。」
ルフレ「それに…文句言いたいのは僕の方なんだけど。



    ‥‥何でコイツ(アルフレ)までいるの??」


そう、助手席にはいつもの様に大音量でヘヴィメタル系の曲を聞くアルフレが陣取っている。

ベレト「…コイツ一人で家に留守させるのも問題があるから…連れてきたのだが。」
アルフレ「はーい、皆大好きアルフレ様だよーよろしくねーフフフ。」
ルフレ「はぁ、最悪…。」


シュルク「でも、最近何だかんだでアルフレと行動すること増えましたね。」
アイク「…まあ問題さえ起こさなければいいんだが。」
リンク「問題児に問題起こすなって無理でしょう…?」


マルス「うわー!凄い!皆窓の外見て!!桜すっごい咲いてる!」

ふと窓を見ると街路樹のソメイヨシノが綺麗に咲いている。

夢子「わあ、ほんとだー!満開だね!!」

夢子は笑顔になったが、途端寂しそうな顔に戻った。

夢子「…右目もあったら、もっと綺麗な桜が見れたんだろなぁ…」


ここでルフレが気づいた。
そしてピットに小さな声で言う。

ルフレ「君‥もしかして夢子の事励ましたいから苺狩り行きたいって言ったの?」
ピット「ん…?あー、バレチャッタ?!」
マルス「君も粋な事するようになったねー?ちょっとは見直したかも。」
ピット「桜なら道中こうやって見れるし、苺なら障害無く楽しめるでしょ!?食べるだけだし!
    あと僕知ってるんだ!夢子が苺大好きな事!!
    TVで苺スイーツ特集してる時目が輝いてるもん!!!」

ルフレ・リンク「「そのくらい僕(俺)にだって作れ‥‥」」

ルフレ「む。」
リンク「は?」
アイク「…見事にダブったな。」
リンク「何ですか?俺の真似しないでください。」
ルフレ「真似してるのは君の方だろ?」


夢子「…あはは…!!」


ルフレとリンクの小競り合いを見て再び夢子が笑顔になった。

いつも通りのいつもの空気で大好きな人達と楽しめる休日。
夢子は幸せ者だ。






車を走らせて3時間かけて漸く苺畑に辿り着いた。
早速車から降りる一行。
ベレトはひとりだけ苺のハウスから離れた場所に行く。


ルフレ「ん?先生は苺食べないの?」
ベレト「…。」

ベレトは思むろにアイコスを取り出すと一服し始めた。

アルフレがその行動の答えを出す。

アルフレ「あれ?君知らなかったの?ベレト先生は極度のヤニカスだよ?w」
ベレト「‥‥誰がヤニカスだ、●すぞ。」
アルフレ「ほらね、この人定期的にニコチン摂取しないと超狂暴になるんだよ。
     あー怖いよね大人って。僕はこんなんにはなりたくないねー。」
ルフレ「自分だって身体に悪い物大好きな癖に…(ボソッ)」
アルフレ「それにこのメンツで一番まともなのは僕だけでしょ?
     周りがバカだとほんと苦労しちゃうよねー。
     僕って律儀で偉い!バカに合わせられる高度なモラルも兼ね備えて…
     やっぱり血も優秀なせいかな。生まれ持った才能ってやつ?フフフ。」
ルフレ「君さー…一回死んでくれないか?(にっこり)」
アルフレ「もう一人の僕もベレト先生も物騒だなー?そんな怖い言葉ばっかり言ってたら夢子が逃げるよ?
     さーてと僕は苺食べるよ。折角来たしね。

      
     ま…ほんとは苺なんかより夢子を食べたいけど。」
ルフレ「君は難聴みたいだからもう一回言うね。…死んでくれ。(真顔)」
アルフレ「ふんふん♪(シカト)さてと、夢子の後ろついて周ろっと。」
ルフレ「…(怒)」



そしてベレト以外の剣士男子達と夢子はハウスの中に入った。
甘い香りが辺りを漂っている。
目の前には苺が沢山実っている。
色つやも良く本当に食べごろだった。



夢子「よーし、いっぱい食べるぞー!!」



夢子は張り切って苺を食べるモードになる。





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