マルス「僕、このタワマンに引っ越してひとつだけ不満があるんだ。」

夢子が留守中に話し合う剣士男子達。
そこでマルスが先陣を切って言う。

ルフレ「わかってる。あれでしょ…?」
マルス「うん、そう、あれだよ。」

ピット「ん?一体何のこと???」



【高鳴る鼓動を高温のせいにしちゃったり。1】





ルフレとマルスはお互い何が言いたいかわかってるらしい。

リンク「ああ…あれですね…」

リンクも謎の同調した。
これで理解してないのは残るは3人になった。

ピット「ねえ、何の話してるの?僕ぜんっぜんわかんないんだけど!?」
アイク「俺もわからん。」
シュルク「…どうせ夢子さんの事でしょう?」

マルスが目を光らせた。
そして物凄い剣幕で言う。

マルス「そう!!夢子関係だよ。これは…とても深刻な事だから‥そう、深刻なんだ。死活問題。」
ピット「深刻…!?夢子、どうにかなっちゃうの!?」
ルフレ「いや、夢子じゃなくて僕らだよ。」
ピット「ますますわかんない!はっきり教えてよ?!」


マルス「…お風呂だよ。」


ピット・アイク・シュルク「「「は??」」」

ピット達はポカンと口を開けてる。


マルス「タワマンに移ったから夢子のお風呂覗き見できない問題!!!!」



ピット「…。」
アイク「…。」
シュルク「…それが……問題なんですか…?」

シラケる3人に対してマルスとルフレとリンクが鼻息荒く言う。

マルス「だってそうだろ!!前のボロアパートだと頑張ればお風呂の窓から中幾らでも覗けたのに!!」
リンク「今は50階ですからね…風呂場の窓は外側ですし。」
ルフレ「僕は《何度も》夢子の裸体見てるけどこの小さな楽しみが無くなったのは死活問題で…」
リンク「《何度も》…?ちょっと、今の発言は聞き捨てならないんですけど?」
マルス「軍師、僕と死闘をしようじゃないか。勝者には夢子と添い寝の権利を。」
ルフレ「別に良いけど?…まあ、楽しみが無くなるって言うのは意外と大変なんだよ。」

3人の話を聞いてピット達が呆れた表情で変態達に返事を返す。


ピット「…要は夢子のお風呂覗けなくなったから精神が摩耗して辛過ぎる?」
マルス「そう!君、物分かりがいいじゃないか!」
アイク「あほくさ…」
ルフレ「そんな風に言っても昔はアイクだって覗いてたじゃないか。…このむっつりスケベ。(ぼそっ)」
アイク「…心外だ。(白目)」
リンク「兎に角、たまには覗きたいっていう話ですね。でもここじゃあ難しすぎる…」
ピット「それで、どうしようって事なんだねー。別に夢子に頼めばいいんじゃない?
    《一緒にお風呂はいろー☆》って。僕ならそうするけどなぁ。」
マルス「そういうの許されるの君だけじゃない?この童顔モドキめ…。」
ピット「じゃあもう諦めるしかないじゃん。潔く昔見てた光景を頭の中で思い出せば‥‥」
マルス「それじゃあ意味が無いんだっっっ!!僕はっっ!!見たいっっ!!目の前で彼女をっっ」
ピット「うっ…何この人…こわっ。変態にも程があるでしょ…。」

呆れる人と興奮する人の二択の中、唯一真面目な人がすっと挙手して発言する。

シュルク「あの…そんなに見たいんですか?…方法ならある…と思うんだけど。」


ここでシュルクが爆弾発言的な言葉を言ってしまう。
途端に秒でマルス達がシュルクを睨む。



マルス・ルフレ・リンク「「「教えろ」」」


シュルク「そんな興奮しないでくださいよ、こ、怖いって…!!!きちんと落ち着いたら教えてあげます。」

シーン・・・

絵に描いた様に静かになる。
しかしそこには圧もあった。
シュルクはため息を付いて答え始めた。


シュルク「はぁ…物分かりが良いのか馬鹿なのか…」
シュルク「では簡単に夢子さんのそれが見れる方法…」
シュルク「それはー・・・ズバリ、温泉ですよ!!」

一瞬静まる一同。

アイク「温泉か…いいな。あまり行ったことがない。」
ピット「そか、それなら夢子のハダカを堂々と自然に見れるね!!
    良かったね、変態おにーさんたち。突破口開いたんじゃないの??」

マルス「シュルクウウウウウウウウウウウ!!!!!!!」
ルフレ「シュルク様!!シュルク様ではありませぬか!!」
リンク「貴方が神か!!!!創造主!!全世界の源!!!」

シュルク「いや…普通に考えてみても誰でも思いつきそうな案なんですけどね…。
     てか色々気持ち悪いから崇拝するのやめてください。」

突破口(?)が無事見つかり張り切る変態達。

マルス「じゃあ早速夢子誘おうよ!」
リンク「あ、ここから少し先に行った場所に温泉施設あるみたいですよ。」
ルフレ「いいかい?混浴が重要だからね?男女別々はダメだよ?意味無いからね。
    あ、出来れば個室貸し切りが良いかな、他の男に夢子を晒したくないし。」
リンク「ばっちりですよ。俺を誰だと思ってるんですか。…予約しました。明日の18時。」

ルフレ「フフフ…」

ピット「ルフレがアルフレみたいになってる!てか予約入れるの早すぎでしょ…神経疑う。」
シュルク「今なら髪黒く染めて目に赤いカラコン入れたら正にアルフレですね。」

ルフレ「ちょっと、そういうのやめてくれない?僕は純粋(?)だから。あんなのと似てるとか…デュフフフwwww」

アイク「ニヤけ面が止まらないんだな、ルフレ。っていうかしょっちゅう見てる(自称)って割には欲が凄いな?」
ルフレ「まあ、ぶっちゃけ引っ越ししてからはあんま手出してないから。」
リンク「・・・。」
マルス「…軍師…。」
ルフレ「フフフ…。(黒い笑み)」

ピット「やっぱこの人アルフレと一緒だよ!外道!下品!鬼畜!夢子逃げて〜!!」
アイク「あまりアイツの名前呼ばない方が良いぞ。いつ湧いて出てくるかわからんからな。」
シュルク「はぁ…もしかしたら僕はとんでもない過ちを侵したのかもしれない…。」





タワマンの最上階

リビングで机に脚を置きながら漫画を読んでるアルフレが大きなくしゃみをした。

アルフレ「はっくしょん!!んー…??何だろ、誰かが僕の噂してる??」
ベレト「風邪引いたならさっさと寝ろ。こっちに菌が移ると困る。」
アルフレ「僕の噂話してるの、夢子だといいなー。はっくっしょんっっっ!!!」
ベレト「…姉さんに診てもらうか?」
アルフレ「いいよ、僕は特効薬があるから。」
ベレト「特効薬なら前に最後の1本使ったのだろ?」
アルフレ「違うよ。今の僕の特効薬は《彼女の盗撮動画》っていう特効薬。‥‥それを見れば僕は…フフフ。いつでも元気いっぱいさ。」
ベレト「夢子に何かしたら俺が許さんぞ。あと盗撮もやめろ。普通に犯罪だ。捕まるぞ?」
アルフレ「みーんな夢子の事大好きだねー。
     …いっその事僕意外の男は全員絶滅すればいいのに…はっくしょん!!」

…上には上が居た。






暫くして夢子が家に帰ってきた。
荷物を沢山持っている。

夢子「ただいまー!!」

ピット「おかえり、夢子!凄い紙袋の量だね?」
夢子「久々にお洋服沢山買っちゃった…!!」
ピット「急に羽振りよくなったね?何か良いことあった?」
アイク「マスターが夢子にお小遣いあげたらしい。」
ピット「そうなんだ?!知らなかったー。」
夢子「うん、私が大怪我した時何も出来なかったからって…良く解んないけど黒くて凄いカード?を…」
シュルク「それって…よっぽどの大富豪でも一部しか所持してないあの…」
マルス「それより夢子!!大事な話があるんだ!!」
夢子「ん?どうしたの?」
マルス「僕と温泉行こう!!!」
夢子「え‥‥」
リンク「《僕》じゃなくて俺《達》でしょ。ああ、もう温泉施設予約してますからね。」
夢子「はぁ!?何勝手に予約してるの…!?私行くってまだ一言も…」
ルフレ「行こうよ夢子。温まるのは美容にもいいよ?お肌ツルツル美白効果!!ね、行こうよ!!」
夢子「うーん。そっか、傷も癒えるかな…?わかった、行く!」

夢子は単純だった。
この変態剣士たちが何かを企んでるなんてこれっぽっちも想像してない。

マルス「b」
リンク「b」
ルフレ「b」

変態3人が親指を立てガッツポーズをしている。

提案を出したシュルクは不安な表情をしていた。

シュルク「何か、ちょっとだけ嫌な予感するんですよね。
     最近モナド触ってないせいかビジョンがあまり見えないし。…心配だなぁ。」


次の日ー・・・
日帰りで温泉施設に行くことになった。
リンクの予約した施設はとても綺麗で風情がある場所だった。
口コミも文句なしの★5つ。
此処は個室は勿論、混浴も有りで
岩盤浴やサウナ、貸し切り可能のまさに変態の欲望フルコースの施設だった。

夢子はそんな事知る由も無く、普通に楽しみにしている。


夢子「温泉ー♪温泉ー♪」


…呑気はお姫様だ。


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