【帰る場所はここだよって、気づかせてくれる君が好きだ。1】







ルフレ「ねぇ、夢子見なかった?」







放課後の教室内でルフレの声が響く。
帰る支度をしていた他の剣士組は首を横に振る。


リンク「いいえ、見てませんよ?」
ピット「そういえば数時間見てない気がするなー。」
マルス「先に帰ったとかじゃない?」
アイク「まあ‥‥自習長かったしな。」
シュルク「先生に捕まらなければとっくに帰れてたはずですけどね。」




ルフレ「うーん…夢子が居ないとどうも不安で…。」
リンク「貴方は根性が足りてませんね。」
ルフレ「君だって前に夢子が居なくなった時大変だったじゃないか。」
ピット「兎が寂しいと死ぬって感じだったよねー。」
リンク(ギロッ・・・)
ピット「あーごめんごめん!そんな怒らないでよー。」
ルフレ「とにかく早く家に…」

ルフレの発言が最後まで言い終わる寸前だった。
教室にベレトが入って来る。




ベレト「あ、お前等…まだ居たのか…まあ丁度いい。
    このプリント1000枚印刷しておいてくれ。」




ルフレ「はぁ!?自習で十分でしょ!?しかも1000枚って…」
ベレト「他の教員の手が足りてないんだ。どうせ暇だろ?」
ルフレ「僕には愛しの奥さんが…」
ベレト「(シカト)では頼む。」


ベレトはプリントを置いて教室から去って行った。



ルフレ「何だいあの人!僕の意見一切聞いてくれなかったんだけど!?ムキーッ!」
リンク「拒否権は無いようですね…。」
ルフレ「もー早く家に帰って夢子抱きしめたいのに!」
ピット「僕も僕も!夢子とハグしたいー☆」
マルス「僕は夢子と一緒にお風呂入りたい★」
アイク「何だか色んな事がエスカレートしてる気がする。」
シュルク「結局僕らが考える事って最終的には一緒な気がしますね。」



ルフレ「もういいよ、この紙さっさと印刷しよ!」



プリントに目を通すルフレ。
その紙には一カ月に1度全校生徒に配られるお便り通信が書かれていた。
文字は汚くギリギリ読める感じで
右下のスペースに兎の絵のようなものが書かれている。


ピット「あ、リンク(兎)だ!」
リンク「…バクダン喰らいたいですか?(にっこり)」
マルス「しかし雑な通信だねー。先月辺りから配られるようになったよねこれ。」





アイク「…コレ、書いてるのベレト先生らしいぞ。」






剣士組「「「「!!!w」」」





剣士組はアイクの言葉を聞いて笑いを堪える。
いや、もう堪えられていない。
全員笑っていた。



ルフレ「ちょ…それほんと?w」
アイク「ああ。この間職員室覗いたら先生が一生懸命紙と睨めっこしてた。」
リンク「意外ですね…w」
ピット「僕も字汚いけど…せんせーも負けてないね!w」
マルス「このウサギのイラストはセンス無さ過ぎでしょ!
    大体耳みたいなので辛うじてウサギってわかるけど・・・」

シュルク「マルス。」
マルス「僕の方が絶対上手く描けるよ!?こんなに絵心無いなんて先生は…」

シュルク「…マルスってば…。」
マルス「夢子だって美術の時間僕の絵褒めてくれたしこんな下手くそな…」







ベレト「・・・オイ。(怒)」






マルス「あ…。」




自信過剰に発言を繰り返していたマルスの背後に物凄い形相のベレトが立っていた。


マルス「あれれ、先生‥いつの間に?てか全部聞いてた?」






ベレト「グラウンド100周走る覚悟は出来ているようだな。」




マルス「ちょ…なんで僕だけとばっちりを!?てか皆いつの間にか居ないし!?へるぷみー!」


【いいね!!】

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