1
学校の中を歩く夢子。
男子生徒も女子生徒もその可憐な姿に惚れ惚れしてしまう。
その中に、ひとり…熱い闘志を燃やす人物がいた。
いつも夢子の近くに居る。
でも他の人間に邪魔され続けていた。
彼は今、チャンスを待っている。
【息をする暇もくれなかった。(死んでしまうに決まっている)】
教室の窓枠越しに夢子を見つめているのはー・・・
マルス「ああ、今日も夢子カワイイ…!」
マルスだった。
その姿は国の王子とは思えない程のものだった。
じーっと夢子の歩く姿を見つめる。
すると
パンパンパンパン!!!
白い煙がマルスを襲う。
マルス「ぶはっげほげほ!一体何なんだい!?」
その犯人は黒板消しを両手に持って叩いているピットだった。
ピット「黒板綺麗にするの手伝ってよ!てかおまるすが先生に頼まれたんでしょ!?」
マルス「もーうるさいなー。僕はチャンスをうかがってるんだよ?邪魔しないでよ!」
アイク「また夢子のことか?」
マルス「だって家の中だと誰も抜け駆け出来ないし学校でしかチャンス無いじゃん!
僕は絶対彼女のハートを射止めてみせるんだ!」
シュルク「ルフレとリンクという壮大な壁がありますが‥?」
マルス「だから、あの二人のいない今がチャンスなの!ああ、もう待ってられない!僕からチャンスに近づく!」
マルスは教室から飛び出した。
ピット「おまるす大丈夫かなぁ…」
ピットが心配そうに去っていくマルスを見ながら黒板消しを再び叩いた。
マルスは走る。スマブラさながらのスピードで。
途中学校の先生達に何度も注意されたが、お構いなし。
夢子の事しか頭になかった。
そして、愛しの夢子が歩いてるのを見つける。
ルフレとリンクの姿は・・・ない。
マルス(チャアアアアアアンス!!)
マルスは前髪と制服を整え、夢子に駆け寄る。
放課後、デートに誘うつもりで彼女に近づいた。
しかし、マルスは夢子の事ばかりで自分の足元を見ていなかった。
そう、
今は清掃中ー・・・
廊下にはピカピカのワックスが塗られていた。
マルスは恥ずかしい程思い切り足を滑らせた。
ズサアアアアアアアッ!
勢いよく滑りまくるマルス。
目の前には夢子も巻き添えをくらって一緒に滑りこけた。
派手に転んでしまった時間が長く感じる。
軽く意識を飛ばす。
それからすぐに意識が最初に戻ったのはマルスだった。
マルス「痛たたた・・・誰なんだこんなに沢山ワックス塗ったの…」
マルスは地面に手を置いた。
そう、思っていたが
もにゅ・・・・
地面より柔らかくて温かい。
この世界の全てを包み込んだ柔らかさ。
マルス「…ん?なんだろこの超気持ちいい物体…」
そしてマルスは気づいてしまった。
ワックスで滑って夢子を撒き沿いに転んだ挙句
倒れた夢子に覆いかぶさっているという事。
そして、
今、夢子の胸を自分は触っているという事を。
マルス(夢子のヲッパイ!!!)
次の瞬間、
マルスは顔を赤面させ、天高く鼻血を吹き出して失神してしまった。
夢子は遅れて意識を取り戻し、倒れてるマルスに気付く。
夢子「マルス!?大丈夫!?」
マルスの返事はない。
意識は戻ってるが、声が出ない。
夢子「どうしよう、マルス死んじゃった!?」
夢子は何も状況を把握してない。
暫くの間頭がヤカンのように熱く、鼻血が止まらないマルスだった。
マルス(ああ、僕死んでもいい位今幸せだよ…)
そして
そんな姿を遠くから見ていた二人の男子がいた。
ルフレ「…相手はサドンデス状態だけど、殺ってもいいよね?」
リンク「ええ、ボコボコにしましょう。」
その後マルスはルフレとリンクに思い切りリンチされたそうな。
【いいね!!】目次[ 66/150 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]