【君がいるだけで世界の価値は急上昇。1】


今日は城下町で音楽の小さな演奏会があるらしい。
普段音楽のおの字もないほど興味のない剣士男子達。
しかしこの機を逃さまいとしていた。
夢子とデートする十分な理由になるから。
全員夢子に話しかけるタイミングを探る。
そして早朝、彼らは動き出す。

そんな中一番張り切ってるのはマルスだったりした。
彼は念入りにプランを練っていた。
絶対にこのチャンスを逃さないと目を光らす。
それは他のファイターも同じだった。
しかし今回は絶対に負けない。負けられない。


夢子の部屋の前に朝早くから座り込むマルス。
どっからどう見ても不審者かストーカーにしか見えない。
見た目はイケメンだが、残念な王子だ。
しかし運よく他のファイターはまだ寝てる様だった。
自らも睡魔に負けそうになりながらも夢子が起きるのを待つ。
そして夢子が起きてきた。
夢子「ふぁああ…良く寝た…!あれ、マルス?朝早くから何してるのそんなとこで。」
マルス「ああ、夢子!やっと目が覚めたんだね!」
夢子「今朝の6時よ?やっとって言う時間帯じゃないと思うんだけど?」
マルス「こうしてる間にも奴等が目覚めてくる…夢子、出かける準備して!」
夢子「ええ?どうしたの?」
マルス「いいからいいから!」


夢子はそれなりに身なりを整えた。
夢子「おまたせ〜!」
マルス「んー!やっぱり君はいつも可愛いね!さっきの寝起き姿も最高だったし!」
夢子「またそうやって人を褒めて…どのコにも同じように口説いてるんでしょ?」
マルス「いや、この世界に来てからはナンパは一切してないよ?これホント!」
夢子「ふーん。まあいいけど。」
マルス「じゃあこっち着て!実は誰も知らない城の隠し出入口見つけたんだ!
    此処から出ればルフレ達にバレない☆」
夢子「思ったんだけどどうしてそんなコソコソしてるの?」
マルス「君の争奪戦だから、今回は負けたくなくて。」
夢子「…よくわからないけど大変ね?」
マルス「だから今日1日は僕とデートして?」
夢子「デート?!まあ…遊ぶのなら付き合うけど…。」
マルス「はい、デート!決まりだね!それじゃあ早速行こう♪」





早朝の城下町は冷えた空気が漂う。
露店も開店の準備中の所が多い。
マルス「流石に早すぎたね〜。」
夢子「今日何かあるの?皆準備してるみたいだけど。」
マルス「旅の演奏隊がこの町によるらしいんだ。
    小さいけど結構有名みたいだよ?」
夢子「ふーん…楽しそうだね!賑やかなのは良い事だと思うし!」
マルス「僕、音楽とか疎いんだけど…君となら一緒に聴きたいなって思ったんだ。」
夢子「ピット君たちとかでも良かったんじゃない?」
マルス「君じゃなきゃダメ。君がいいんだ。」
夢子「ちょ…急に真面目な顔しないでよ‥!?」
マルス「それに最近二人きりになれなかったでしょ?
    僕ずっと不満だったんだよね…だから今日は特別だと思わせてくれないかい?」
夢子「そういえばこうして歩くの久々だね?」
マルス「僕ね、君の事諦めてないから、ね?」
夢子「??」
マルス「ルフレにもリンクにも…ピット君たちにも負けない。」
夢子「なんか燃えてるわね?」
マルス「ふふふ!なんか今日は僕無敵な感じがするよ〜?」
夢子「楽しそうで何より‥。」
マルス「さて、朝早くに来て朝ごはんまだだし、何か食べようか!」
夢子「そうね!なんかお腹空いてきた!」
マルス「モーニングメニューのある店知ってるんだー!そこ行こう?!」
夢子「うん、行こう!」




【いいね!!】

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