今は12月。
今朝から外は雪が積もり猛吹雪。
夢子は自分の部屋から出ずにずっと暖炉で暖を取っていた。





【僕の名前書いて消したでしょ、見ちゃったもん。】






こんな寒くて雪の吹雪く日は狩りになんて当たり前に外に出るなんて意志は出ない。
夢子は暖かくで居心地のいい部屋に籠っていた。
食事やトイレ以外で部屋から出る事はない。
夢子は窓の外を見る。
やっぱり吹雪は止みそうにない。
バルコニーの窓ガラスは霜で凍っていた。
夢子はなんとなく窓ガラスに指で文字を書いた。
日本で良く学校の黒板なんかに描いた相合傘。
久々に描きたくなって夢子は窓ガラスに描く。
そして気づいた。


夢子「あれ…私誰の名前描いたらいいんだろ?」
そして一番先に思いつくのはルフレの名前。
夢子「この際誰も見てないしルフレの名前かいちゃおー!」

夢子は窓ガラスの相合傘に自分とルフレの名前を入れた。
するとその時、ベランダの外で何かが上から降ってきた。

夢子「!?」

ドサッ!

バルコニーにルフレが降ってきたのだ。
夢子は驚いてるのと状況が把握できてない。
急いで窓ガラスを開けて外に顔をだす。

夢子「ルフレ‥!何してるのよ!?」
ルフレ「いや、少し雪かきしたほうがいいかなって思ってやってたんだけど。」
夢子「こんな吹雪の日にするなんて危なすぎるよ!?
      やめたほうがいいって!」
ルフレ「うーん、でも…」
夢子「でも?」
ルフレ「君って可愛い事するんだね?」
夢子「え?」
ルフレ「そこに相合傘描いたの君でしょ?君の部屋だもんね、うん、君しかない。
    それに…僕の名前描いてくれて‥ほんと嬉しい!」
夢子「あ、これは‥‥なんとなく描いただけだから!
      別に貴方がどうとかそういうのじゃなくて…」
ルフレ「フフ、顔真っ赤にして焦ってる君超可愛い!」
夢子は急いで相合傘を手で拭いて消した。
ルフレ「あー勿体ない、そのままで良かったのに?」
夢子「もういいわよ…見られるなんて思ってなかったから。」
ルフレ「ねえ、夢子。僕雪かきして体超寒いんだけど。」
夢子「…だから何よ…?」
ルフレ「君が温めてくれない?」
夢子「きゃ…却下よ!!城の温かい温泉にでも浸かれば良い話じゃない!?」
ルフレ「君の方が温かそうだから。」
夢子「毛布代わりにしようとしてもそうはいかないんだから…!」
ルフレ「ああ、寒い…僕凍死しちゃうかも…ああ、ガクガクブルブル‥」
夢子「わざとらしい!!」
ルフレ「ほんのちょっと抱きしめるだけで良いから…ああ、寒い…」
夢子「兎に角中入って?冷気が部屋に入っちゃう。」

ルフレは夢子の部屋にバルコニー伝いに入った。
ルフレ「うーんやっぱ部屋の中は暖房効いてて温かいね!
    それに君の部屋ってなんかいい匂いするんだよね。」
夢子「ああ…ルキナさんとカムイさんから芳香剤貰って。それ置いたからかな?」
ルフレ「じゃあ早速だけど温まらせて?」
夢子「え。早く自分の部屋に戻ってよ?」
ルフレ「屋根から落ちなくても雪かきした後は君の部屋に行こうとずっと思ってたんだよね。
    こんなに冷えるまで重労働した僕にご褒美頂戴?」
夢子「もー…少しだけ抱きしめてあげるわ。それで満足してよ?」


ギュッ・・・・・・


夢子はルフレを抱きしめた。
夢子「ほんとだ、凄く冷えてる…ずっと外で頑張ってたのね?」
ルフレ「・・・。」
夢子「ルフレ?」
ルフレ「ごめん夢子、スイッチ入っちゃった。」
夢子「え。まさかこのシチュは…」
ルフレは夢子をお姫様抱っこするとベットへ連れていき降ろして上に覆いかぶさる。
夢子「ちょ…!ルフレ!///」
ルフレ「ごめんね、男はオオカミなんだ。冬は特に空腹でね。‥‥許してね?」




その後、夢子はオオカミ(変態)に美味しく食べられたとさ。
冬でもこのオオカミは食欲旺盛。
夢子が解放されたのは相当後だったらしい。
オオカミは恐ろしいのです、赤ずきんちゃん。





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