【君を大切に思う人がいることを、覚えていて?】
※ルフレ夢「僕の名前書いて消したでしょ、見ちゃったもん。」の続編。でも相手はマルスです。







昨日は猛吹雪で天気は荒れに荒れていたが
今日は朝から太陽が出て天気は良い。
しかし積もりに積もった雪。
昨日は吹雪の中ルフレが屋根の雪かきをしてその後大人の状態になってしまったが
今日は朝からルフレはマスターに呼ばれて夢子の側にはいない。

夢子「ルフレも頑張ってたから、私にだって出来るよね?天気も良いし。」

夢子は屋根の雪かきをしようと思っていた。
しかし彼女は気づいていない。
太陽の日差しで溶けた雪がどんなに危ないモノかと。




早速城の屋根に上る夢子。
城の屋根は日本の一般の家に比べて斜傾が凄まじい。

夢子「ルフレったらこんなこと吹雪の日にやってたの…?
      ほんとファイターって読めない行動起こすよね…。」
早速雪をどかす夢子。
少し溶けてるせいで水分を含み見た目よりずっと重い雪。

夢子「うーん、思ったより力入るなぁ。」

夢子が踏ん張ったその時。
足が滑った。
夢子「え…?」
すると雪がその衝動で雪崩のように流れて崩れる。


夢子「きゃああああ!」



ドサッ



夢子は地上の降り積もった雪の上に落ちた。
夢子「ふ…ふう、下にふわふわの雪があって助かった…。



     ・・・雪にしては…温かいような?」




夢子のお尻の下には潰れて雪にめり込み潰れてるマルスがいた。


夢子「わあああ!ご、ごめんマルス!!!大丈夫!?」
マルス「うう…ただ散歩してただけなのに…って‥夢子かぁ…びっくりした。」
夢子「大丈夫?怪我してない?」
マルス「超絶タフな僕は兎も角…君は怪我してないかい?…っていうか何してたの?」
夢子「えっと…皆が雪かきしてるの見て…私にも出来るかなって。」
マルス「ええ、一人でやってたの?」
夢子「うん…でも大丈夫。今度は足場を気を付けて歩けば…」




マルス「ダメだ!!!」



マルスが突然大きな声を出す。
拍子抜けする夢子。

夢子「…マルス!?どうしたの?突然声張り上げて…」
マルス「夢子、僕今怒ってるよ?」
夢子「え…?」
マルス「君はもっと自分を大事にして?…こんなことは男のファイター達に任せるんだ。
    君みたいな女のコがするべきことじゃない。‥もしもこれで大怪我でもしたら
    僕は耐えられない。…もう日本にいた最後の夜みたいなことになってほしくない。
    たまに夢で思いだすんだ。君が剣で貫かれたあの瞬間を。」
夢子「マルス…。」
マルス「ああ、…僕まで熱くなっちゃったね。‥‥大人げないよね、こっちこそごめん。」
夢子「ううん、寧ろ感謝したいわよ?」
マルス「ほんと?」
夢子「うん、こうやって怒ってくれる人がいるの、大事よね。」
マルス「君にはなるべく怖い顔したくないけどね…
    君にもしも何か危機があれば僕たちファイター全員の覇気が無くなる。
    皆それほど君の事が大切なんだ。
    …僕だってルフレやリンクに負けないくらい君の事好きだけど、
    もう、傷つく姿は…見たくない…。」
夢子「でもこの世界で生きるには‥。」
マルス「そう、傷つく場面も何度も遭遇するだろうね。
    そういう事が当たり前の異世界だから…
    でも僕は全力で君を守るよ?
    だから弱った時は遠慮なく甘えてね?」
夢子「ありがとう、マルス!なんだか励まされた!」
マルス「あ、この事はルフレに内緒にね?凄く嫉妬深いからね…サンダー打たれちゃう。」
夢子「アハハ、そんな簡単には仲間を傷つけないわよ!」
マルス「君の事となるとどいつもこいつも凄い剣幕でくるからね…油断できないよ。」
夢子「うーん、皆私の何処が良いだろ?自分じゃ全く良いとこ見つけられないんだけど。」
マルス「皆が声をそろえて言うよ?【全て】って!」
夢子「またまた大げさな…ルフレは毎日そんな事言ってるけど皆は無いわよ…」
マルス「もし周りが違くても僕は君の全てが好きだよ?」
夢子「世の中変わった人もいるものね…。」
マルス「自分の魅力に気づいてない夢子も超カワイイ!!」
夢子「褒めてるの?」
マルス「もち!」
夢子「変わった人もいるのね…私なんかより沙羅とかのほうがよっぽど美人なのに。」
マルス「沙羅もカワイイと思うけど、僕は君のほうが好みだし♪
    あ、そうだ、今度デートしよ?僕と君ふたりきりで!」
夢子「一緒に歩くくらいなら別にいいけど。」
マルス「それまで怪我とかしないでね。
    僕の一番はいつでも君だから。君が大切だから。」
夢子「…わかったわ。気を付ける!」





冷たい雪は暖かな日差しにゆっくり溶かされる。
溶けた水は大地に浸み込みやがて新たな命が芽吹く。



マルス「君の心にも僕の芽が成長してくれますように。」



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