【まわりはトゲトゲ、中は甘〜いもの、なーんだ?1】



日本に四季が来るようにこの幻双国にも季節がある。
そして今は秋。
今日はファイター達全員で近くの山に行く。
何故山へ行くのか?
それはピットのこんな言葉から始まった。



ピット「秋と言えば栗だよね!」
マルス「僕はサツマイモだなー」
アイク「どっちも今が季節か。因みに俺はサンマ派。」
シュルク「町の人が言ってましたがあの山に栗の木が沢山自生して生えてるらしいですよ。」
リンク「おお、良いですね!栗料理…まさかこっちでも作れるなんて。」
ルフレ「1つ訂正。作るのは【僕】だけど。夢子、どうする?」
夢子「うん、いいね!それじゃあ皆で栗狩りしようよ!」




…というわけで7人で山に来たのだ。
各自にカゴを背中に背負う。
夢子のカゴだけはファイターの誰が持ってあげるかで
小さい喧嘩をした道中だったりもした。




夢子「山、結構広いのね…城から見た山の姿もっと小さく見えたけど。」
リンク「遠近法ですね。」
ルフレ「夢子、トゲで怪我しないようにね?」
夢子「栗狩り…実はあんまりやったことないのよね。
     落ちてるの拾うんだね!しかもこのトゲトゲ、触ると見た目より痛くないかも。
     もっと針みたいに鋭いのかなって思ってたわ。」
ピット「よーし僕一番大きいの見つけるぞー!」
夢子「ピット君張り切ってるね?」
ピット「だって日本で食べた栗の炊き込みご飯、超美味しかったんだもん!
    また食べれるかもって思うと嬉しくて☆」
夢子「ルフレもリンクも美味しい栗料理作ってね?」
リンク「俺一人で、十分ですよ!とびっきりの栗料理作りますから!」
ルフレ「それはこっちのセリフだよ!僕が作るんだよ?君は手だししないでいいから。」
夢子「はいはい、喧嘩は無しよ!口動かさないで手を動かす!」
リンク「夢子さんには敵いませんね。」
ルフレ「そうだね、今は栗拾うのに集中するよ。」




それから約30分。
夢子達は栗を拾いまくった。
もってきたカゴの中は既に栗でいっぱいになった。
夢子「ふう、これだけあれば十分美味しい栗料理が作れるわね!
      余ったのはお世話になってる城下町の人に寄付しようか?」
リンク「それはいいですね!街の人達も喜びます!」
ピット「じゃあそろそろ帰ろうよ!日が暮れて来たし!」
夢子「そうだね!帰ろー♪」

帰り道風景を見ると普段とは違う山の景色に気が付く夢子たち。
山は紅葉して夕日で照らされた山は赤く色づく。

夢子「日本の秋の景色と似てるけど、この世界の秋の景色少し違うかも?」
ルフレ「そうだね、植物も日本と似てるけど根本的には種類も全然違うからね。」
夢子「ダークにぃと沙羅も見てるかな?」
リンク「どうでしょう。あの国は太陽の日差しが届かないと聞きます。
    …植物は育たないでしょうね。」
夢子「…二人にも見せてあげたい。」
ルフレ「君がそう思ってたら願いはきっと叶うよ。」
夢子「そうよね…私は…」


と、その時だった。
踏み出した夢子の足元が崩れる。
咄嗟にルフレは夢子の腕を掴むが
ルフレも一緒に穴へ落ちてしまう。

夢子「きゃあああああ!?」
ルフレ「うわっ!?」


リンク「夢子さん!ルフレ!」
ピット「どうしよう、夢子が穴に落ちちゃった…!」
マルス「僕たちだけで助けられる?」
アイク「いや、一度城に戻ってロープか何か準備したほうがいい。」
シュルク「この高さですもんね…手の伸ばして届く距離でもない…。」
リンク「ルフレと二人きりにさせるのは危険ですが、
    山の夜はもっと危険です…モンスターも出るし気温も下がる…。」
穴の中から夢子が叫ぶ。
夢子「私たちは大丈夫よ!気にしないで城に向かって!」
リンク「すいません、夢子さん。すぐ助けに戻りますから‥!」


リンク・ピット・マルス・アイク・シュルクは一度城に戻る事にした。
穴の中には夢子とルフレの二人だけ。
いつもならこの状況、飛んで跳ねて喜ぶルフレだろうが
今回はどうも様子がおかしい。


【いいね!!】

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