【いたずらな風に耐える一輪の花は、1】※ヤンデレサイコパス要素有。



夢子は城の外にある草原で再び花を摘んでいた。
以前は高い木に咲いてる花を取ろうとして落下し、シュルクに助けてもらった。
夢子(今度は怪我しないように、皆が心配しないように気を付けてお花集めよう。)
こんな街はずれの場所では万が一何かあってもファイター達が助けに来る事はないだろう。
夢子は気を付けて花を摘んでいた。
しかし、
気を付けているつもりでも可憐な花たちを集めているうちに森の中へと足を踏み入れてしまう。
そして、
夢子の背後を負う人物が居た。
夢子に危機が迫る。





夢子「ふーいっぱい集まった!これでロビーとか色んなとこに生け花したら
     皆が笑顔になれる…私が皆を元気にさせるんだ!」


夢子は気づいた。
自分が森の中で方向感覚を失った事。



夢子「…どこから来たっけ?」
夢子は途端静かなパニックを起こす。
夢子「どうしよう…帰れるかな?」





???「帰らなくてもいいんじゃない?」




夢子「…!誰!?」

夢子は声のする方を振り向く。驚いて集めてた花束も地面へ落ちる。

そこにはアルフレがいた。

夢子「どうして貴方がここに…」
アルフレ「簡単な話だよ。君たちが幻失国に入れるのと同じ原理。
     別に闇の住人がここに来たからって死ぬわけじゃないんだよ?
     ただ加護が無いだけ。フフ、学習したかい?」
夢子「今日はどういう用なの…?私と戦う?」
アルフレ「んーそうだね、戦うのも悪くないかも。
     でも今日は偶然なんだよ?あ、運命と言ってもいいのかな。」
夢子「何を訳の分からない事を…。」
アルフレ「僕の今日の仕事は偵察なんだけど、偶然君を見つけたから…手出したくなっちゃった。
     …大人しく僕に付いてきてくれないか?そしたら手荒な真似は…
     いや、手荒な真似はどうしても回避できないかな?フフ。」
夢子「私だって戦える…貴方なんか灰にしてあげるわ。」
アルフレ「戦うの?この僕と?フフ、良い度胸だね。そういう勇ましいとこ好きだよ。」
夢子「舐めないで!」


夢子はファイアの魔導書を出すと高速詠唱を唱える。
そしてアルフレにファイアを浴びせる。
夢子は手ごたえを感じた。
しかし状況は一変する。
アルフレが黒い笑みを浮かべて立っているからだ。
夢子「どうして?!確かに直撃だったのに…」
アルフレ「そっちのルフレは魔法付与出来るんだよね?
     それ、僕も出来るんだよねー。」
夢子「え…!?」
アルフレ「光のほうではルフレしか出来ないように闇のほうでは僕だけが出来る小細工なんだよ?」
夢子「そんな…って事は…」
アルフレ「このローブには炎攻撃無効化の付与してるから、今の僕には炎は効かないよ。」
夢子「…!!」
アルフレ「そういうわけだから大人しく僕のモノになって?」
夢子「いや、私は諦めない…!」
夢子は近くに落ちてた木の枝を拾う。
そしてアルフレに振りかざす。
その攻撃を軽く交わしたアルフレは夢子の腕を掴む。
その腕を掴むアルフレの握力が容赦なく夢子を苦痛へと誘う。



夢子「…っ!!痛っ!!」
アルフレ「痛い?そうだよね、痛いよね?フフ、こうするのずっと夢見てたんだ。」
夢子は何とかアルフレの掴み攻撃を振りほどいた。
アルフレ「ねえ、君の苦痛に歪む表情…もっと僕に見せて?」
夢子「…貴方変態じゃないの…?!性癖おかしいわ!」
アルフレ「そっちの国の僕とはもう何度も楽しんだんだろ?
     今度は僕と遊ぼう?きっと違う世界が見えるよ?フフ。」
夢子「…貴方の考え…一生掛かっても理解できないわ。きっと。」
アルフレ「そう?じゃあこれから僕が教えてあげるよ。」

アルフレが夢子に滲みよる。
夢子(どうしよう…今はファイアの魔導書しか持ってないのに…
     とか言って剣術なんて…さっきみたいに簡単に跳ねのけられる…」

アルフレが夢子へ近寄る。
その際に足元に落ちてる花束にアルフレの視線が良く。
アルフレ「ふーん。この世界の花か。良いよね、太陽の光が届くって。僕らの世界には花は咲かないよ。
     でもこういう花達も摘んだら最終的には枯れるんだよ?」
夢子「…でも無駄な生命じゃない…皆を笑顔にする…!」
アルフレ「そのための犠牲、か。じゃあ君も僕を笑顔にさせるために犠牲になって?」


アルフレは花を踏み潰す。
綺麗に咲いてた花は一瞬でぐちゃぐちゃに泥だらけになる。

夢子「酷い…!折角摘んだのに…!」
アルフレ「フフ…そう!その顔!いいね…ゾクゾクする。」
夢子「貴方ほんとに狂ってる…!」
アルフレ「そうそう、沙羅にも同じこと言われたなぁ…。」
夢子「沙羅…!彼女は元気なの?!」
アルフレ「うん、毎日君への憎悪が凄いよ。」
夢子「…やっぱり私の事なんて嫌いになったの‥?そんなはずは…」
アルフレは黒い笑みを浮かべて呟いた。







アルフレ「こっちの世界もあっちの世界も君の事なんか本当は誰一人思ってないのかもよ?
     結局人は皆孤独なんだ。」





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