『通夜』
とかかれた札は俺を現実へと引き戻すのに十分過ぎた
多くの人に見送られる人の名は
俺が最も愛する人の名。
土方十四郎
俺の目の前での出来事だったのに、未だ夢じゃないかと疑うのは
俺のただの我侭
「…私たちの……うな…般人……庇……て……」
「最期…で……立派……」
ぼーっとした意識の中、聞こえてきた言葉
土方さんは、攘夷浪士との戦いに巻き込まれた一般人を守って死んだ。
最期まで、真撰組としての働きを遂げた
そのことで、土方さんが死んでから俺達真撰組のイメージは格段に上がったのも事実
「もっと真撰組のイメージアップに貢献しろ、馬鹿」
土方さんの口癖
土方さんはいつも真撰組の為に必死だった
仕事を失敗したことなんてほとんどないし、
自らの身体を削ってまで仕事をしていた
土方さんにしてみれば、その守った人が死ななくてよかったと思ってるかもしれない
でも、俺にとってこれはあんまりだと思った
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