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憂鬱に別れを告げに行く


ついにこの日が来た。一年と三ヶ月、待ちに待って待ち続けた日。
5/6がバツ印で埋まったカレンダーを眺めて、ホット・パンツはため息をついた。あと数分したらこの部屋を出発し、空港に向かう。
空港で彼に再会したら、なんと言おう。おかえりなさい?ありがとう?それとも何も言わないで、ただ抱きしめるの?考えていると、なんだか足の裏がモゾモゾしてきてしまう。心臓がばくばくして、早く彼に会いたいと喚いている。わかった、わかった、落ち着いて、私の心臓。
ホット・パンツの瞳は、美しい、突き抜けるような夏の青空の色をして、太陽を中に閉じ込めてキラキラと輝いていた。あと一時間もしたら、彼女は幸せに包まれる。

幸せに会いに行くために、ホット・パンツは玄関を勢いよく開けた。





230614 こまち
U子さんへ
お題(アイラブ、ユーの先は君しかいないのに)は夜に融け出すキリン町様から






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