【ファイル集】《オペレーション・ハヴィエ》


《オペレーション・ハヴィエ》

『レオン・S・ケネディ』

米国の特務機関に所属。政府からの命令を受け、 麻薬王ハヴィエ・ヒダルゴとアンブレラの関係を 調査すべく、南米の僻地を訪れる。

過去に様々なB.O.W.と遭遇した経験を持っており 、 B.O.W.と戦う実戦的な知識を有する。

元来クールな性格だが、女性には振り回される傾 向にある。 ミドルネームはスコット。




『ジャック・クラウザー』

米陸軍特殊作戦軍所属。政府からの命令を受け、 麻薬王ハヴィエ・ヒダルゴとアンブレラの関係を 調査すべく、南米の僻地を訪れる。

これまで数々の作戦を成功に導いた優秀な兵士で 、 B.O.W.との初遭遇に際しても、動揺を見せること はない。

日常的な社会に対してはどこか居心地の悪さを感 じており、 軍で戦い続ける日々こそが彼の生き甲斐となって いる。




『ハヴィエ・ヒダルゴ』

南米アムパロに強大な犯罪帝国を築き上げた麻薬 王。
10代で手を染めたドラッグ販売を皮切りに、 敵対者を容赦なく惨殺していく事で、巨大犯罪組 織の頂点へとのし上がった。

組織の莫大な財力と武力を駆使して法曹界や警察 に圧力をかけている為、 彼の組織は、犯罪集団でありながら、地元では完 全に野放し状態となっている。

組織の財源は世界中に輸出されるドラッグだが、 近年は新たな商売として人身売買にも手を伸ばし 始めている。
欲しいものは何をしても手に入れ、 愛する者を守る事がすべてに優先するというイン モラルな哲学を持つ。

裏切りを許さぬ非情の帝王として君臨する一方、 従う者には手厚く施す情を持っている為、彼を英 雄と慕う者も少なくない。
ハヴィエの家族に対する愛情は深く、とりわけ、 娘のマヌエラを溺愛している。




『マヌエラ・ヒダルゴ』

レオン達が村の教会で保護した少女で、 彼らの調査対象である麻薬王ハヴィエ・ヒダルゴ の一人娘。
5歳の時に母親が病死して以降、 父親から惜しみない愛情を注がれた彼女は何不自 由なく育った。

しかしある出来事をきっかけに彼女はハヴィエの 元を去り、 三日三晩ジャングルをさまよった末に、川下の村 ミックスコアトルへと逃げ込む。
その夜、村はハヴィエが放ったB.O.W.によって壊 滅してしまう。




『案内人』

ミックスコアトル村の教師。 米国に留学中、NPOに所属していた過去を持ち 、 故郷に戻った後に、教師として村の教育水準の向 上に貢献していた。

高い情報収集能力と、 信頼性を見込まれ合衆国特務機関に今作戦のスパ イとして雇われることになる。

冷酷なハヴィエ相手に諜報活動を行うことは危険 であったが、 ハヴィエの暴虐により若くして命を落としていく 教え子達を見てきた彼は、 合衆国政府の提案に同意する。 しかし、ハヴィエが報復として放ったB.O.W.の襲 撃に遭い帰らぬ人となった。

その結果レオン達は案内役不在の状態で任務を遂 行することを余儀なくされる。




『アルバート・ウェスカー』

アムパロにおける生物災害事件の黒幕にして、 これまでに確認された全てのウィルス計画に関係 している人物。

1970年代に、アンブレラ幹部候補社員として 着任して以来、 彼はアンブレラが推し進めるウィルス研究の最前 線で、 有能な研究員として活躍していた。

しかし、t−ウィルスの研究が同僚のウィリアム ・バーキンの手によって 完成の域に達した頃、ウェスカーは情報部へ転属 、不穏な行動を取るようになる。

正体を隠してS.T.A.R.S.の隊長に就任したウェ スカーは、洋館事件の際、 部下達を利用して完成間近のB.O.W.の戦闘データ を回収しようとする。

途中、クリス・レッドフィールドを含め 一部生き残ったS.T.A.R.S.隊員らに正体を見破 られてしまうが、 B.O.W.の暴走による混乱に乗じて研究所を脱出し 、 膨大な実戦データを手土産にライバル企業への転 身を果たす。

同年、ラクーンシティにおける生物災害事件の際 、 彼はスパイのエイダ・ウォンに協力を要請し、爆 撃寸前のラクーンシティから ウィリアムの開発したG−ウィルスのサンプルを 密かに回収している。

更にその数ヶ月後、 アレクシア・アシュフォードが開発したt-Veronica を狙ったウェスカーは アシュフォード家管轄のロックフォート島及び南 極基地を襲撃。 t-Veronicaを留めたスティーブ・バーンサイドの死 体を持ち去った。

そして新世紀を迎えた、南米…

娘の治療法を必死に探す元麻薬王ハヴィエ・ヒダ ルゴに接触したウェスカーは、 t-Veronicaを蘇生薬として大金と組織的結託を引き 換えに売りつける。

実は彼自身ウィルスによる蘇生、ウィルスでの能 力強化の恩恵を受けた者である。 ともすれば大陸全土に影響するt-Veronicaをハヴィ エに渡した、 その真意を知る者はいない。




『ハヴィエダム』

ハヴィエの指令のもとに建設された大型ダム。総 貯水量は200億トンに達する。 十分な電化施設のない僻地に発電施設を設けるこ とで住民らに恩義を売り、 組織の財力と生活レベル向上への寄与を喧伝した 。

だが本来の建設目的は、組織だけが使える専用大 型電源の確保と、 支配区画への無言の「脅し」である。

ダムにはハヴィエの独断で開放可能な複数の放水 口があり、 下流区域にいつでも甚大な水害を引き起こすこと が出来る。

過去に一度、ハヴィエに反抗的な部族の居住区に 、 明らかに意図的と目される放水事故が発生し、全 村民80人が死亡した例がある。




『水辺の町』

冷酷で容赦のないハヴィエの組織に対し、少なか らず憎悪を募らせ、 反逆の機を窺っている者たちが、現地にもいる。

俗に「水辺の町」と呼ばれるこの地の有力者たち も、 アメリカや政府と結託してハヴィエらを排除する 兵力を集めていた。

レオンとクラウザーは、 彼らの協力(機動力の貸与、および道案内)を得 てハヴィエ居城に向かう予定だった。




『ハヴィエ居城』

ジャングルの奥深くアムパロと呼ばれる地にある 広大な屋敷。

あくまでハヴィエのプライベートな居住棟であり 、 犯罪組織の本拠地は別の場所にある。

とはいえ、ゲリラや政府軍の侵攻に備え、警備体 制に抜かりはない。 常駐私兵の数こそ少ないものの、 B.O.W.トラップや最新の防衛システムを周辺に多 数配備している。

そのため屋敷というより、堅固な城と呼ばれるの にふさわしい。 また有事の際はシェルター並の堅牢さをもつ地下 室にこもることもできる。

これにより、無差別報復バイオハザードや、 ダムの解放や決壊による水害発生などの特殊事態 にも対処が可能である。




『犯罪組織「聖なる蛇たち」』

ハヴィエをリーダーとして組織された、 南米に確固たる存在感を持つ犯罪シンジケート。

主への絶対服従を掟とし、 裏切りには例外なく残虐な制裁を下す「恐怖統制 」が貫かれている。 ジャングルでの麻薬栽培、および独自ルートでの 密売網が主な収益源。

ここ数年は臓器売買にも手を染め始め、 その非人道さからアメリカからは「諸悪のるつぼ 」と非難され、 外圧を受け始めている。

小国政府軍や共産ゲリラとも激しく敵対しており 、現地では小競り合いが絶えない。

安価な戦力としてB.O.W.(生物兵器)を積極的に 購入・運用。

アンブレラやウェスカーの所属する組織とも深く 関わり、 互いの利権を守るための癒着構造がもはや常態化 している。




『指令書』

本作戦は正規の作戦行動規定に合致しない、特殊 任務である。 以下の点について同意のうえ、任務完遂を目指さ れたし。

1:保護責任の放棄

政府及び作戦指揮の責任者は、 任務遂行中における隊員の負傷・疾病・死亡につ いて責を負わない。

また敵対勢力にとらわれるなどした場合も、いっ さいの交渉・脅迫に応じない。

2:作戦遂行中、24時間以上応答のない場合、失 敗と見なし作戦本部は撤退・解散する。

作戦開始ポイントから、以下の手順に従い任務を 開始せよ。

1:現地協力者との接触
2:機動力の現地確保
3:ターゲットの私邸への潜入

なお作戦進行については専従オペレータが随時行 動指示を伝える。 本作戦は現地状況の変化により内容が逐次修正さ れる。

指示には必ず従うこと。




『CODE:Remnants(残滓計画)』

ハヴィエが秘密裏に進めている、独自のウィルス 兵器開発及び運用計画。
「t系B.O.W.の独自運用」と「アマゾン全域の生 態系支配」がその中核である。

ヒルダの復活の失敗などから、ハヴィエは他者( アンブレラ)を信用できなくなり、 自身の組織下でウィルスについて研究させ、有用 性を確かめながら利用することにした。
(高度な研究施設などを持たないため、 データ収集は人間への原始的な生体実験が主であ る)

t系B.O.W.(おもにゾンビ)は、 共産ゲリラ等の周辺敵対勢力に対し、恐怖の伝播 を目的として使用。
アメリカ等諸外国へは、地球規模の環境破壊 (アマゾンのCO2処理能力を奪う)の用意があ ることを知らしめ、 武力による介入や経済制裁等をけん制している。




『村人ゾンビ』

水辺の村、ミックスコアトルの住人が、 ハヴィエの放ったゾンビに襲われてt−ウィルス に感染、ゾンビ化した。




『ハヴィエゾンビ』

ミックスコアトルで確認されたゾンビ。 ハヴィエが、敵対する人間を捕えてゾンビにした 末、 テロ兵器として放ったと推測される。

ハヴィエは見せしめや罰として人間にt−ウィル スを注射、 ゾンビを作り出し、居城警備の番犬としていると 噂になっていた。
人為的に活動停止状態に置き、 V−ACT作用を引き起こすことで凶暴性、速度 を上げたタイプもいるらしい。

普段は鎖につながれた状態で拘束されており、敵 が来たときに解き放たれる。




『アヌビス』

ハンターに変わる次期主力B.O.W.開発計画の 完成系として生み出された新型B.O.W.。

コウモリに昆虫の遺伝子を組み込み、骨格の強度 を維持しつつ、 消化器官等を排除した徹底的な軽量化を行い、 驚異的な高速移動、ジャンプ力を実現させた。
アヌビスという名前はエジプト神話に登場する神 から取られたものである。

鉤爪状の爪を巧みに利用することで垂直面、 天井での高速移動及び、そこからの強襲を得意と する。




『ジャバウォックS3』

ハヴィエが購入した試作生物兵器。
開発を行った組織の詳細は不明であるが、アンブ レラと対立する組織だと思われる。

アンブレラ社のB.O.W.、バンダースナッチの影響 を多分に受けており さらにベロニカウィルスによる特性強化で完成し た生物兵器。
鎌状の腕は鋼鉄並みの強度を誇り、 三本の腕で全身を包みこむ防御形態時には銃弾を も無力化する。
命令を理解し、様々な状況下での任務遂行を可能 としている。




『ジャンピング・マンイーター』

南米のクモをベースに、高温多湿の気候に合わせ て改良したB.O.W.。




『ピラニア』

t−ウィルスを注入して作り出したピラニア。
短時間なら空気中でも活動でき、水面から滑空し 犠牲者に襲い掛かる。

元は闘魚や、裏切り者を処刑する目的で飼われて いたが、 ミックスコアトル襲撃の際、ダムの放水に合わせ て大量に放たれた。




『ハンターγ』

アンブレラのヨーロッパ研究所が ハンターα及びβを基に両生類ベースで開発したハ ンターの亜種。

鋭敏な感知能力を有する代わりに視覚が退化し、 水辺でしか行動できず、B.O.W.としての完成度は 全体的に低め。

直射日光や乾燥した空気に弱い反面、 水資源の豊富な場所では大いに脅威となりうる。



『イビー+YX』

アンブレラが開発した試作怪植物。
イビー(プラント43)をベースに人間の遺伝子を 組み合わせた結果、 耐久力、攻撃力、機動力の向上に成功した。

しかし、温暖な気候以外での環境では 十二分に能力を発揮できない問題から量産化は見 送られた。




『ダム作業員ゾンビ』

ダムで整備・運用作業をしていた作業員が、 ダム放流と共に放たれたハヴィエゾンビに襲われ 、 t−ウィルスに感染、ゾンビ化した。




『プレイグクローラー』

アンブレラ社が複数種の昆虫にt−ウィルスを投 与し、 遺伝子操作を繰り返した結果、誕生したB.O.W.。
2メートル近くまで巨大化した体に、殺傷能力の 高い巨大な鎌を持つ。

知能が非常に低く、兵器としての実用性に欠けた 為、 多くは廃棄処分されたが、一部が廃棄をまぬがれ 、 安価なB.O.W.としてハヴィエが購入した。



『南米コウモリ』

t−ウィルスに感染した花の蜜を吸ったコウモリ が二次感染し、凶暴化したもの。
ロックフォート島のコウモリと同様、群れで獲物 に襲い掛かる習性をもつ。




『南米アリ』

ジャングルに生息するアリをt-Veronicaに感染させ たもの。
偶然にもアレクシアが作り出したアリと非常に似 通った生物となった。




『私兵ゾンビ』

ハヴィエの部下が二次感染によりゾンビ化したも の。
二次感染と言っても多分にハヴィエの狂気によっ て作り出されたと思われる。
元々は居城の警備を行う構成員だった。
爆弾を装備したままゾンビになっている為、それ を利用することが可能。




『ヒルダ』

ミックスコアトルの教会に現れた巨大生物。 水の中に潜み、案内人をはじめとする多くの村人 を水中に引きずり込んで食らった。

両生類を思わせる光沢を帯びた皮膚と脚を持つが 、正体は不明。
基本的には水中を移動し、長い触手で獲物を打ち のめしたり、 尻尾から毒針を射出したりする。

何らかの目的をもって行動しているように見える。




『ヒルダ 第二形態』

11年前、不治の病に侵されたハヴィエの妻ヒル ダが、 治療の名目で投与されたt−ウィルスによって変 貌したモンスター。

理性は既に失われており、強い食欲に従って行動 しているが、 生前の記憶が僅かに残っているのか、 ハヴィエの言葉やマヌエラの歌に反応を示す。

巨体にも関わらず、足のバネを利用して陸上でも 俊敏な動きを見せる。
頭部と頸部上方のむき出しの脳が弱点だが、 ヒルダよりも高い位置からでなければ狙う事はで きない。




『ベロニカ植物』

マヌエラの蘇生時に副次的に生み出されたもの。
t−ウィルス系のB.O.W.よりもはるかに強力かつ 低コストに運用できるものとして秘かにハヴィエ 私邸の温室で栽培されてきた。

胞子を撒き散らすことで、近接する植物をベロニ カ植物へと変貌させていく力を持つ。 その拡散スピードは驚異的であり、 48時間でアマゾンの約60%を侵食すると目さ れている。

事実上、ものの数日で大陸上のすべての植物生態 系を 壊滅させうる危険極まりない存在。

いったん拡散が始めれば有用な対処法がほとんどないため、 ハヴィエも切り札として有事に使うべく、厳重に管理している。




『V・コンプレックス』

温室で栽培されていたベロニカ植物が暴走し、 ハヴィエを含む周囲の生物を無尽蔵に取り込んだ 究極生命体。

南極基地では寒冷地のために抑圧されていた ベロニカウィルスが高温多湿の天候下で活発化し 、 周囲の生態系を変革してしまうほどの危険な存在 となった。

体から生み出した従属生物が飛翔している。
腹部には胞子嚢があり、胞子嚢が破裂する事で、 胞子が撒き散らされる。

その胞子でベロニカ生態系は広がり続け、最悪のバイオハザードを引き起こす。




『マヌエラ・ベロニカ』

t-Veronicaを取り込み、覚醒したマヌエラ。
15年を待たずに変異したにも関わらず、 正常な意識下でウィルスの力をコントロールする 事ができる。

更に、アレクシアと同様、体内の血を空気中に飛ばして発火させる能力を持 つが、大量の血液を消費する事は、同時に彼女自身の命を削る事を意味している。




『メモ(マヌエラの決意)』

おそろしい想像が、現実になってしまった。

自分がわからない。 自分が何者か、何になろうとしているのか、わか らない。

そんな疑問、抱きたくなかった。




『ハヴィエの備忘録(1991年)』

2月24日
あの男…アシュフォード家と関わりがあるらしいが 、いまひとつ信用ならん。
だが、持ってきたウィルス治療法の情報は、気に かかる。
もうヒルダには後がない。

確か「t」と言ったか…明日、試してみるとしよう 。


4月30日
ヒルダ、お前が元気になってよかった。
ウィルス投与は確かに効いた。
あれから2か月、ヒルダの体力はかなり回復した 。

体中に転移していた腫ようも、奇跡的に消えた。
あとは意識を取り戻すだけだ。
私は、すべてを投げうってでも、おまえを元に戻 す。


5月6日
それにしてもあの男…もったいぶって、 値をつりあげようとしているのが気に食わん。

もうこちらは「t」の入手経路を調べ上げた。
ヤツの言う「より完璧なウィルス『V』」とやら も、真偽を確かめさせる。

これ以上つけあがるようなら対処を考えねばなら ん。
カネが惜しいわけじゃない。ナメられるのが我慢 ならんのだ。


5月11日
なぜだ?なぜ意識が戻らない? 体はとっくに回復しているというのに…

いや、あれはもはや、人の生命力を超えている。 ウィルスの副作用なのか?

しかし投与をやめれば、また体力が奪われる。
「V」の情報も、いまはまだ何もない。どうすれ ばいい…?


5月20日
神よ。私はおまえを呪う。あれが命か? ただ生きていれば命なのか?

おおヒルダ、行かないでくれ。 私を思い出してくれ。


6月14日
命の意味を問うのは愚かなことだ。
私には力と使命があり、彼女は生きようとしてい る。

その意思を、ただまっとうすればいい。
近いうちに、ヒルダを特別な部屋に移す。
彼女をこれ以上衆目にさらすわけにはいかない。

ヒルダの命は、私が守る。 私だけが守れるのだ。




『ウェスカーからの連絡(FAX文書)』

08 01 10 00
振込口座を変更した。
ロシアルートは全部破棄してくれ。

08 07 10 01
今月の商品リストを送っておく。
新しい設置型B.O.W.を2種追加してある。

08 14 10 05
先ほどの電話の件について答える。
察しの通り、東洋人はアンブレラの者だ。
それも、抜けたネズミではない。
今も寄生するコ ウモリだ。 利用するなら、うまくやることだ。

08 21 10 00
入金を確認。 コウモリの件でやつらは慎重になっている。
あまり脅かしすぎるな。




『ハヴィエの私信』

(以下はモバイル端末で送受信された暗号化メー ルを解析したものである)

20XX.08.13 PM6:20
from:セルジオ to:ハヴィエ
サンプルの買値で傘屋がゴネてます。 古いヤツと比べて5割は高い。
契約を引き伸ばし ますか?

20XX.08.13 PM6:28
from:ハヴィエ to:セルジオ
前の値で通せ。買い手は他にもある、 こざかしい駆け引きに付き合うな。
それより、この前近づいてきた東洋系の仲介人、 身元を調べておけ。

20XX.08.14 AM1:09
from:セルジオ to:ハヴィエ
仲介人が吐きました。傘屋で帳簿いじってたそう です。
例の傘屋のサンプル、だいぶボッてるとチクって きました。
情報の見返りに、売りのシマ情報をよこせとほざ いてますが。

20XX.08.14 AM1:12
from:ハヴィエ to:セルジオ
裏を取れ。こっちでも調べる。

20XX.08.14 AM11:24
from:ハヴィエ to:セルジオ
面白い情報が手に入った。 その東洋人、傘屋のスパイだ。
信用させて追い返 せ。 宿を見つけて、消したらガサいれろ。
他にもネズ ミがいるかも知れん。
俺をハメようとするやつは、残らずツブすんだ。




『寄せ書き』

大切な友人マヌエラへ

体の調子はどうですか?
昨日、クラスのみんなで花壇を作って、いろんな 花のタネをまきました。

春になったら校庭いっぱいに咲くように。
マヌエラも、花壇に花を植えてほしい。

ちゃんと、その場所は空けておきました。
あなたがとても我慢強くて勇気を持った子だと、 みんな知っています。

病気になんか負けないで、早く学校に来て、私た ちに元気な笑顔を見せて。

来月、創立記念祭があります。
一緒にプレゼントの交換ができたらいいね。

クラス代表 デルシー




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