【ファイル集】《忘却のゲーム》


《忘却のゲーム》

『クレア・レッドフィールド』

レオン達と別れた後も兄の消息を探っていたクレ アは、 兄、クリスがアンブレラの拠点を探っているとい う情報を掴んですぐ、 単身ヨーロッパへと渡った。

無謀にもアンブレラのパリ研究所に忍び込んだ彼 女は、 警備隊に捕らえられた後、ロックフォート島の監 獄へと移送されてしまう。

収監直後、島を襲ったバイオハザードの混乱に紛 れて脱出した彼女は、 スティーブと共に島からの脱出を開始することに なる。




『スティーブ・バーンサイド』

ロックフォート島の刑務所に囚われていた少年。
彼は、ある事件を境に、他人に対して強い不信感 を抱くようになり、 絶海の孤島で深い悲しみにくれる日々を過ごして いた。

そんな彼に希望をもたらしたのは、何者かが引き 起こした騒動だった。
襲撃によって混乱した刑務所から脱出することに 成功したスティーブは、 時を同じくして脱獄したクレア・レッドフィール ドと運命的な出会いを果たし、 彼女と共に島からの脱出を目指すこととなる。

表面上は生意気でお調子者だが、内面は誰よりも 純粋で、愛情に飢えている。




『クリス・レッドフィールド』

クレアが捜し続けていた、彼女の兄。
ラクーン市警察の特殊部隊S.T.A.R.S.に所属し た経歴を持ち、 同部隊の数少ない生き残りでもある。

クリスは、ラクーンシティ壊滅の数ヶ月前に発生 した洋館事件で、 アンブレラの陰謀を探り当て、生還後事件の真相 を報告した。

しかし、大規模な組織的隠蔽を図ろうとする同社 によって、 彼の報告は公表されることなく闇に葬られてしま う。

そこで、彼は独自に調査することを決意し、ヨー ロッパへ旅立つ。
出発の際、彼は家族に危険が及ぶことを恐れて妹 クレアとの連絡を絶ったが、

彼の身を案じたクレアは単独で捜索に乗り出し、 ラクーンシティの災害に巻き込まれ、 さらに兄を追ったヨーロッパでアンブレラの手に 落ちて ロックフォート島の刑務所へと移送されてしまう 。

レオンからクレアの苦境を聞いた後、 クリスは単身ロックフォート島へ潜入し、 そこでクレアの痕跡を掴み南極へ飛んできたのだ った。

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『アルフレッド・アシュフォード』

ロックフォート島に設置された基地の最高司令官 で、 かつてアンブレラ設立に貢献したアシュフォード 家の、6代目当主、 アレクサンダー・アシュフォードの息子。

1993年、英国の大学を卒業し、 南極基地及びロックフォート島基地の所長に就任 したアルフレッドは、 アンブレラから全権を任されるが、彼が島で行っ たことといえば、 囚人の虐待や趣味のミリタリーコレクションで施 設を装飾することばかりだった。

アルフレッドはもはや過去の栄光を引きずるただ の独裁者でしかなく、 アンブレラにとってはお荷物のような存在となっ ていた。

助言者もなく、ただひたすらアシュフォード家再 興を夢見る毎日は、 彼の性格破綻に拍車を掛けた。




『アレクシア・アシュフォード』

アシュフォード家第6代目当主アレクサンダー・ アシュフォードが、 人工的に生み出した天才科学者。
アルフレッドとは双子の兄妹だが、妹に異常な愛 を注ぐアルフレッドに対して、 まるで女主人のように君臨していた。

アレクシアは10歳の頃、南極基地の主任研究員 に就任。
アークレイ研究所のt−ウィルス研究と同時期にt -Veronicaを単独開発し、 研究員たちを驚かせる。

しかし、ウィルスの研究が佳境に入ると、アレク シアは信じられない行動に出た。
邪悪な心を持って生まれた彼女は、なんのためら いもなく 父アレクサンダーを実験に利用し、彼にウィルス を投与したのである。

実験はアレクサンダーの怪物化によって失敗に終 わったが、 アレクシアにとって失敗はひとつの過程でしかな く、 振り返ることなくさらなる研究を続けていく。

研究が最終段階を迎えると、アレクシアは自分自 身を実験体にすることを決めた。
自分の体にt-Veronicaを投与したアレクシアは、 15年のコールドスリープに突入し、公には、実 験中の事故死と伝えられた。




『ベロニカ・アシュフォード』

アシュフォード家の初代当主であり、天才的な頭 脳と傑出した美貌の持ち主。
幼い頃からあらゆる学問で桁外れの才を発揮し、 特に数学、生物学、言語学に長けた。

10歳のころに、すでに現在で言うところの大学 修士課程を完全に理解し、 数十カ国語を自在に操っていたという。

また端麗な容姿と魅惑的な語り口は、彼女に接す るすべての者を魅了し、 結果として忠義に厚い僕(しもべ)を自然と獲得 していった。

彼女の魅力は後世にもなかば伝説めいて伝えられ 、 アシュフォード家ではいまも崇拝と畏怖の念を集 め続けている。




『アレクサンダー・アシュフォード』

アシュフォード家6代目当主。
父であるエドワードはアンブレラ社を興し、 家の名声を絶頂にまで押し上げたが、 息子のアレクサンダーは凡庸ゆえにその権力を引 き継げず、 わずか一代で家名を没落させてしまった。

その醜態は、実の子であるアルフレッドや アレクシアからも侮蔑の目で見られていたようだ 。

己にウィルス研究に関する才能がないこと、 父の偉業を引き継ぐ資質がないことを自覚してい たアレクサンダーは、 学んでいた遺伝子工学を利用して家名を盛り返す ための策を進めていた。
南極基地の建設もその一環である。

1983年ごろ、アレクサンダーは突如、謎の失 踪を遂げる。
すでにアンブレラの期待は、その数年前に研究主 任として迎え入れられ、 才女としての異能を発揮し始めた幼きアレクシア にかけられており、 アレクサンダーの捜索はおざなりに処理された。




『t-Veronica』

天才科学者アレクシアが開発したウィルス。 拡散事故防止のため、培養には極限環境である南 極基地が選ばれた。

「他の生物を一律に統制する、絶対的な支配力」 を得るべく、 女王蟻の生態がモデルとなっている。

宿主の意識を残したままの共生状態を保つには、 低温での長時間(約15年)の準備期間を要する 。

アレクシアは自らをコールドスリープ状態にする ことで完全共生を計った。
驚異的な繁殖拡散性を持ち、 己のコピーを無制限に生み出して既存の生態系を 破壊しつくす特性を持つ。




『ロックフォート島』

アンブレラの軍事基地が置かれている南海の孤島 。 同社の保有する不正規軍の訓練施設や、空港、刑 務所などがある。

名門貴族アシュフォード家の現当主、アルフレッ ドが司令官を務める。 特に刑務所は、アンブレラの暗部を集約した場所 である。

組織の秘密を知りすぎてしまった者や、意向に刃 向かった者が捕らえられており、 生体実験の素体として管理されている。

収監されれば2度とまともな体で出ることは適わ ないだろう。




『アシュフォード家』

美貌と博識の創始者ベロニカ・アシュフォードに より 確固たる地位を築いた世界有数の名門貴族。

代々直系の子孫が家督を継いでいる。
5代目当主 エドワードは、 同じく名門のスペンサー家らと製薬企業アンブレ ラを創設。
家の名を世界に知らしめた。

しかし、現在はかつての繁栄は見る影もない。
若き現当主アルフレッドは、先代アレキサンダー が凋落させた栄光を取り戻すため、 辺境の孤島ロックフォートの司令官に身をやつし ながら、 眈々と復興の画策を続けている。




『リニアランチャー』

驚異的な弾速で気化エネルギー弾を射出できる武 器。
有機生命体に対する絶大な破壊力を誇る。

アレクサンダーが、 アレクシアの万が一の暴走を懸念し、極秘に開発 させていたもの。

特殊な内蔵バッテリーに、 一定時間使用可能な射出エネルギーをチャージで きる。

非常に高価な触媒と構造素材、 複雑かつ繊細なメンテナンスを要するために、 運用コストがかさみ、量産兵器への技術転用は難 しい。




『墓場ゾンビ』

t−ウィルスに感染し死亡したと判断され、生き 埋めにされた囚人達が、 雨と共に地中に浸透したt−ウィルスで変異を早 めゾンビ化した。




『囚人ゾンビ』

ロックフォート島の刑務所に収監されていた囚人 達が、 t−ウィルスに感染してゾンビ化した。




『警備員ゾンビ』

アシュフォード家管轄区内で勤務していた警備員 が、ゾンビ化した。




『訓練生ゾンビ』

元はアンブレラ特殊訓練部隊の訓練生。 何者かの襲撃を受けてウィルスに感染しゾンビ化 した。




『ファーザーゾンビ』

スティーブ・バーンサイドの父親が人体実験に利 用され、 ウィルスと共生できなかったためにゾンビ化した もの。
他のゾンビ同様、知能に著しい低下が見られる。




『研究員ゾンビ』

南極基地でウィルス研究に従事していた研究員が 、 何者かの襲撃を受けた際、t−ウィルスに感染し てゾンビ化した。




『作業員ゾンビ』

南極基地で荷物の仕分けなどに従事していた作業 員が、 何者かの襲撃を受けた際、t−ウィルスに感染し てゾンビ化した。




『ブラックウィドー』

クモをベースとしたB.O.W.。
特殊部隊の訓練と実戦データ収集を兼ねて、ロッ クフォート島に配備されていた。




『コウモリ』

島に撒かれたt−ウィルスに二次感染したコウモ リ。
感染の影響で、物音に対する感知能力が鋭敏にな っており、 音で敵や獲物を感知する。

大群で一つの生物のように空を飛び回り、 鋭い牙で獲物の皮膚に傷をつけて吸血する。




『バンダースナッチ』

人間をベースにした新型B.O.W.の試作タイプ。
伸縮自在の大きな右腕による瞬発移動が可能で、 目的を追跡する能力に優れる。

試作段階のためか、下半身が退化し、 左腕も欠如している為、殆どの行動を右腕で賄っ ている。

そのため、人型B.O.W.の弱点である頭部を 右腕だけでカバーしなければならない難点も抱え ている。




『蛾』

南極基地に補完されていた実験用の蛾が、 t−ウィルスに感染したことで巨大化したもの。

ラクーンシティの地下研究所にいたモスジャイア ントとは異なり、 体の重量化を抑えた事で、空中を自在に飛び回れ るようになった。

卵を他の生物に産み付ける習性を持つ為 巣の周辺を飛び回りながら、獲物を探している。




『寄生虫』

蛾の幼虫。 他の生物の死体に産み付けられた卵から孵化した 後、 宿主の肉を栄養として急速に成長する。

ある程度以上成長すると、宿主の体から 飛び出して次の獲物を探す。




『アリ』

t-Veronicaの研究に没頭していたアレクシア・アシ ュフォードが、 ウィルス実験の為に飼育していたアリ。

ウィルスを注入されたことで巨大化しており、 大アゴを用いた攻撃を繰り出すほどに凶暴化して いる。

制御室の下部に生える植物アレクシア・ポッドの 体を巣として 夥しいアリ社会を築いている。女王はアレクシア になる。




『触手』

南極施設の中央に巣食う t-Veronicaに影響を受けた植物アレクシア・ポッド の触手。

この植物はアレクシアと共生関係にあり、 アレクシアの意思によって自在に触手を伸ばす。

またその幹はアレクシアの子であるアリの巣とな っている。 最大で数キロメートル先まで 伸縮自在な体をくねらせながら獲物に接近し、攻 撃する。

単体で行動する能力はないが、ある程度ダメージ を受けると怯む。




『ハンターII』

流出したアンブレラ製B.O.W.「ハンター」のデー タを基に、 別の組織が開発したB.O.W.で、 特定の目標にのみ襲いかかるよう統制されている 。

ロックフォート島を襲撃した何者かが放ったと見 られるが、 その目的は定かではない。

亜種に、赤い体表の強化版「スウィーパー」がい る。




『砂虫』

ミミズの遺伝子を改良し、 t−ウィルスを与える事で生み出された巨大な生 物兵器。

ふだんは地中深くに潜んでいるが、 地上にいる獲物の匂いを敏感に察知し、地中から 勢いよく飛び出してくる。

この砂虫は、まだ試作段階のB.O.W.で、訓練所に おいて、 対B.O.W.対策部隊の訓練生を相手に実戦テストを 繰り返していた。

人間程度の大きさであれば軽く丸呑み してしまうほど巨大な口と消化器官を持っている 。




『ノスフェラトゥ』

アシュフォード家第6代当主、 アレクサンダー・アシュフォードが変異した姿。

15年もの間、南極基地の地下独房に拘束・監禁 されたままであったが、 採掘室の奈落に落下するアルフレッドの悲鳴を聞 いた直後、 驚異的な怪力を発揮して脱獄した。

両腕は背中側に拘束されているが、 新たに体から3本の触手を生やし、これを駆使し て行動する。

心臓は肋骨を突き破って胸部に露出しており、 体内で生成された毒液は、酸素に触れると毒霧に 変化する性質を持っている。




『モンスター化スティーブ』

アレクシア・アシュフォードによってt-Veronicaを 投与されたスティーブが、 ウィルスとの共生に失敗して変身した姿。

脳細胞が侵食されて理性と自我が完全に失われて いる為、 敵味方を問わず襲いかかる。

巨大な斧を軽々と振り回す怪力と驚異的な耐久力 、跳躍力を有している。
むき出しの心臓を攻撃する事で多少怯ませること はできるが、 逃げる事は不可能に等しい。




『アレクシア第1形態』

アレクシア・アシュフォードがt-Veronicaと共生し 、進化した姿。 アレクシア本人の自我と面影を残している。

体内に循環している血液は空気に触れると発火す る性質を持っている。
また、顔の半分を除き体中を覆っている植物の皮 膚は非常に硬く、 並みの銃弾は跳ね返されてしまう。




『アレクシア第2形態』

アレクシアが共生植物アレクシア・ポッドと融合 した姿。

下半身を巨大な卵管が占めており、その場から移 動する事はできないが、 自在に動き回る触手と、卵管から生まれたアリ達 が執拗に攻撃してくる。

最大の弱点であるコアは、レンズ状の皮膜の下に 保護されており、 皮膜は破壊されても一定時間後に再生する機能を 持っている。

アレクサンダーの残したリニアランチャーを使わ ない限り、 致命的なダメージをあたえるのは難しい。




『アレクシア第3形態』

卵管を切り離し、空を飛べるように進化したアレ クシア。
上空を飛び回りながら、発火する血液を飛ばして 攻撃してくる。

体力があるうちは高速移動を続けるが、 ダメージが溜まると速度が落ちる。

第2形態同様、アレクサンダーの残したリニアラ ンチャーを使わない限り、 致命的なダメージをあたえるのは難しい。




『囚人の日記』

5月13日
異様な臭気の漂うこの部屋… この蒸し暑さといい時折屋根を叩くスコールとい い、 かなり南にある場所だという事は察しがつく。
二段ベッドの下にいるボブという男が話の合う奴 だったのはせめてもの救いだ。

5月16日
ボブから信じられない話を聞いた。
彼は、この施設のアルフレッドという所長の元側 近で、 些細なミスをしたために、ここへ放り込まれたと いうのだ。
こんな所に居たら、奴に何をされるか分かったも んじゃない。

5月20日
突然、軍服を着た連中がやって来て、 ボブをギロチン台の奥にある棟に連行していって しまった。
明日の夜中そっと抜け出し、ボブの様子を見に行 こうと思う。
噂では、その不気味な棟に連行された者は二度と そこから出てこれず、 その数日後、連行された人数分の黒い袋が運び出 されるというのだ。
ボブは、一体どうなるのだろう。

5月21日
あんな所へ行くんじゃなかった。
棟から聞こえてきたのは何者かの不気味な笑い声 と、 耳をつんざかんばかりのボブの悲鳴… 気が付くと私はベッドの上で丸まり、体中に冷や 汗を掻いていた。
やがて日が昇ったが、それでもなお私の体は震え 続けていた。

5月27日
あの日以来、部屋の仲間が次々と連行されていき 、残されたのは私ただ一人。 次はきっと私の番だ。
私達は、アルフレッドの奴に弄ばれ、殺されるだ けの玩具に過ぎなかったのだ。
今日もろくに眠れぬまま日が昇った。また長い一 日が始まる。




『隠し通路に関するメモ』

高台に建つアレクシアと私の屋敷へとつながる通 路が、最近ひどく傷んできている。
いくらアレクシアを下賎な者共の目にさらさぬ為 とはいえ、 いつまでも原地人が造った地下水道など使っては いられない。

そうだ。 囚人共に橋を架けさせればいい。
アレクシアにふさわしい栄光へとつながるような 橋を。

もちろん秘密を知った者は後で全員始末するつも りだ。
橋が完成したら、地下水道奥の扉さえ塗り固めれ ば、 誰一人として気づくはずもないだろう。

橋の入り口も面白い仕掛けを作って私以外誰も通 れないようにしよう!




『新聞の切り抜き』

天才少女、10歳で有名大学を主席卒業!
国際企業アンブレラ製薬は、少女を主任研究員と して招待!




『当主御継承の祝辞』

アルフレッド様

この度のアシュフォード家当主後継承心よりお喜 び申し上げます。 つきましてはアシュフォード家の慣例に従い、 祝い品である陶器の壺を贈らせていただきます。

この慣例は、聡明さとその美しさで名高い 我がアシュフォード家創始者ベロニカ様に、当時の執事が記念の品として金色に輝く ティーカップを作らせて贈ったことに由来してい ます。

二代目当主のスタンリー様、 スタンリー様のご子息であり三代目当主のトーマ ス様に仕えた者も、 ベロニカ様にあやかり同様の品を職人に作らせて 贈りました。

その後当主の座はトーマス様とは双子のご兄弟で あるアーサー様へ… アーサー様からあなたのおじい様であるエドワー ド様へと受け継がれ、 我がアシュフォード家は最盛の時を迎えるに至っ たのです。

アンブレラという大製薬会社の設立もエドワード 様のご活躍の賜物でございます。 しかし、エドワード様がお亡くなりになり、 あなたのお父様アレクサンダー様が当主をご継承 なさった頃から、 徐々に栄光のアシュフォード家にも陰りが見えは じめたのでございます。

あなた様のお導きにより、 再びアシュフォード家に、 この壺の如き永遠の輝きが宿らん事を祈って




『執事の置き手紙』

アルフレッド様

突然手紙でお暇を告げねばならぬことをお許し下 さい。
思えばお父上であるアレクサンダー卿の代からお 仕えいたしまして、 長い間アシュフォード家と苦楽をともにしてまい りました。

予期せぬ15年前の卿の失踪、アレクシア様の命 を奪った研究中の事故。
幼くして当主になられたアルフレッド様は、 愛する肉親を全て失われた悲しみで今にも壊れて しまわれそうでした。

何の力にもなって差し上げられない自分の無力さ … この世を去ってお詫びしようかとも思いましたが 、 あちらで卿やアレクシア様に合わす顔もございま せん。

アシュフォード家執事 スコット・ハーマン




『秘書の手記』

私がアルフレッド閣下にお仕えするようになり、 今年で4年目になる。 だが、例え側近であろうと閣下が気を許される事 はない。

今もなお、閣下の私邸に出入りする事は固く禁じ られている。 噂では、高台に建てられた閣下の私邸で双子の妹 である アレクシア様とお二人で暮らされているそうだ。

私も、偶然私邸の窓辺に立つ人影を二度ほどお見 かけした事があるだけだが、 あの方が美しいと噂されるアレクシア様なのだろ う。

一度この件に関して閣下にお尋ねした事があるが 、 閣下の激しいお怒りをかってしまった。

閣下は側近といえども容赦なさらない方だ。 これ以上の余計な詮索は私の命にかかわるだろう 。

それにしても、なぜ閣下はアレクシア様との 私生活を、ひた隠しにされるのか、私には不思議 でならない。

ロバート・ドーソン




『アルフレッドの告白手記』

アレクシア、 天才にして類まれなる美しさを持つ私の妹。 私のすべて。

私はアレクシアが望むならば どんな困難も乗り越え、私の命を懸けても目的を 果たすだろう。

アレクシアのため、父アレクサンダーの代で没落 してしまった アシュフォード家の再興を急がねばならない。

アレクシアと共にアシュフォード家の栄光を取り 戻すのだ。
再興を果たしたら、高貴な者だけが集う宮殿を建 てよう。

アレクシアを下賎の者どもの目にさらしてはなら ないのだ。
愛するアレクシアに生涯を捧げよう。

アレクシアは女王蟻の如くこの地上に君臨し、 私はアレクシアに仕える。
ああ、それこそが私の夢であり、私のアレクシア に対する愛の証なのだ。

私はその為にこの世に生を受けたクズどもよ、アレクシアと私の足元にひれ伏す日 は近いのだ。

愛するアレクシアに捧ぐ アルフレッド・アシュ フォード




『HUNKの報告書』

アルフレッド・アシュフォード所長殿

本日、16:32 アンブレラ輸送基地より大型B.O.W.カプセルを伴 い無事到着しました。
輸送時には厳重な注意を払い到着後、 規程108項目のチェックはオールグリーンであ ることを確認しました。

現在は冷凍状態で保存してあります。
しかし、普段は特殊任務に赴くはずの自分達が なぜ今回はたかだか氷漬けのカプセル1つを運ぶ ような任務に回されたのでしょうか。

最高機密だとしても、輸送任務上、 内容物についての情報をある程度はいただきませ んと安全を保証することができません。
まして内容物が危険なものなら、なお更です。
今後、このような任務の際には情報の提供をお願 いいたします。

それにしても、ここはあの頃と全く変わっていな いようです。
この軍事訓練所で過ごした日々が懐かしく思い出 されます。
自分達は本日 23:00より別途任務に赴きます。

アンブレラ特殊工作部隊所属 HUNK




『アレクサンダーの手記』

私の父、 エドワードは同じ貴族出身のスペンサー卿と協力 して始祖ウィルスを発見し、 軍事利用の為の研究をかさねた。
やがて研究成果が出はじめ、始祖ウィルスの変異 体を総じて T−ウィルスと呼ぶようになった。
その研究をカモフラージュするために父達はアン ブレラ製薬を設立した。

息子の私は遺伝子工学が専門で、 父の研究をサポートするための極秘プロジェクト を進めていた。
しかし、私の研究は難航しプロジェクト半ばにし て父は亡くなってしまった。
私の代で、T−ウィルスの研究において他の研究 者に大きく遅れを取り、 偉大なる始祖ベロニカから始まるアシュフォード の家名を地に落としてしまった。

このままでは、アンブレラをスペンサーに支配さ れてしまう。
スペンサーに悟られぬ様、プロジェクトを早急に 進めなければならない。

私は全てを考慮し、南極の廃坑跡を利用した輸送 ターミナルに 大規模な最新研究設備を用意することにした。

設備内には今は亡きトレバーが残した我が屋敷の 設計図を基に同じ部屋を造らせよう。

機密保持の為、この極秘プロジェクトをコードネ ームで呼ぶ事にする。
それは、私が再来を望んでやまない美しきアシュ フォードの始祖ベロニカ。
彼女の名にふさわしい研究結果が、再びアシュフ ォードに栄光をもたらすにちがいない。




『コード:ベロニカ報告書『』

長年に渡る研究により、知能を司る遺伝因子を特 定できた。
その因子の塩基配列を組み替える事によって 人工的に知能の絶対値を操作する事に成功したの だ。
私は、偉大なる始祖の遺伝子を基にその因子を操 作して、 代理母体の未受精卵に移植した。

予定外だったのは、男女の双子が生まれてきたこ とだ。
男児の方は、普通より知能は高いが天才ではなか った。
しかし、女児は史上類を見ないほど天才的な知能 を備えていた。
彼女は私が目指したもの、まさに偉大なる始祖の 再来だった。

二人の名は決めてある。 女児はアレクシア、男児はアルフレッド。

アレクシアは、アシュフォードの名を栄光の極み に高めるだろう。

アレクサンダー・アシュフォード




『女王蟻の研究レポート』

女王蟻の遺伝子に古代ウィルスの名残を発見して 以来、 蟻塚をつくり蟻の研究に没頭している。
蟻の生態は、まさに理想的だ。
一つの蟻塚には、一匹の女王蟻が君臨しており、 兵隊蟻や働き蟻は女王蟻の奴隷だ。 自らの命を女王蟻に捧げている。

女王蟻の死は、即ち蟻塚そのものの破滅を意味す る。
兵隊蟻や働き蟻は女王蟻がいれば、いくらでも代 わりが利くのだ。
まさに、私と他の愚民共との関係にふさわしい。

スペンサーが発見した始祖ウィルスに女王蟻の遺 伝子を移植し、 理想的なウィルスの開発に成功した。
役立たずの父の体で実験をしてみたが、 予想通りウィルスの影響による細胞の急激な変化 に 肉体だけでなく脳細胞も破壊されてしまった。

また、体内に特殊な毒ガスは発生しており、 ブルーハーブでは効果が無いので、 万一のために解毒剤を作りB2の武器・薬品倉庫の 薬品棚に保存しておいた。

想像以上のポテンシャルを秘めた、このウィルス をT-Veronicaと名付けることにした。
このすばらしいウィルスの力を我が物にする方法 を見つけた時、 私の偉大な研究が完成するのだ。

アレクシア・アシュフォード




『ウィルス研究レポート』

女王蟻から採取した T-Veronica 研究すればするほど、その秘められたポテンシャ ルには驚かされる。

私は遂にウィルスを自分自身に移植し、その力を 得る方法をつきとめた。
父で実験した時の失敗を回避するには低温でウィ ルスの活動を押さえ、 緩やかに細胞を変化させればいい。

私の計算では、 ウィルスに対する免疫を持ち、共存できるように なるまで15年はかかる。
その間、私を守るのはカプセルと忠実だが無能な 兵隊蟻である兄だけだ。
だが、絶大なる力を得る為には多少の犠牲やリス クは止むをえない。

復活の時、私は女王として目覚める。
そして我が子らによってT-Veronicaが世界中に放 たれ、 地球上の全生物が私の僕となる。

そう、地球も私の蟻塚のように美しい一つの生態 系となるのだ。

アレクシア・アシュフォード




『名もなき囚人の最期の言葉』

親愛なる息子よ。 もうじきここはT-ウイルスのせいで壊滅する。

××(掠れて判別不能)××にいた父さんはウイルス の怖さを知っている。
バイオハザードによって一定量のウイルスが拡散 してしまえば、 それを防ぐ手段はない。

体内進入した××××(掠れて判別不能)××××体を支 配し、 さらなるウイルス拡散のため徘××××××××度的に拡 散速度を上げていく。

いまさら許してくれなどいうつもりはない。
おまえが言っているとおりかあさんの死は父さん が招いたこと、 それはまぎれもない事実だ。

×××××××××××××××××××× ××××だってずっとその行いを悔やんでいる。

何でこうなってしまったのか? 何が間違っていたのか?

おまえにとってどうしようもない父親だったが、 父さんは家族を愛して××××××(掠れて判別不能) ×××××××今更嘘などつけない。

過去の過ちをやり直すこともできない。
ただおまえが生き延びてくれることを祈るしかな い。

賢いおまえのことだ。 ここに戻ることはないだろう。
万が一これを読んでいるのなら一刻も早くここか ら立ち去ることだ。

ここはすぐに邪悪な××××××××××××× もうここに父さんはいない。
愛しているよ、××××××




『ウェスカーのメッセージ』

ウェスカーが刻んだ文字

I won this game(このゲームの勝者は私だ)




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