【ファイル集】《滅びし街の記憶》



『レオン・S・ケネディ』

4年前、警察官であった頃のレオン。
警察学校を卒業した彼は、 猟奇殺人事件に揺れるラクーン市警への配属を志 願した。

ラクーン市警察着任当日、 寝坊して日没後に出勤するというミスを犯したレ オンは、 事前に支給されていた真新しい制服に身を包み、 ラクーンシティへ向かった。

既に死の町と化していたラクーンシティで、 彼は警官官としての誇りと使命感に燃え、 生存者の救出に全力を尽くそうとする。

正義感が強く、多少の事では物怖じしないが、 この頃から既に女難の傾向が見られる。




『クレア・レッドフィールド』

バイクをこよなく愛する活発な女子大生。 ラクーン市警所属S.T.A.R.S.隊員である クリス・レッドフィールドの妹で、兄を心から尊 敬している。

連絡の取れなくなった兄の安否を気遣い、 彼の勤務するラクーンシティへと捜索に出た彼女 は、 到着直後にゾンビの襲撃を受けて窮地に立たされ る。

勝気な性格は兄譲りで、弾丸のような行動力を見 せるが、 内面はおおらかで優しい気質を持つ。




『エイダ・ウォン』

警察署地下駐車場で遭遇した東洋系の美女。 その正体はアンブレラのライバル企業に属する女 スパイであり、 事件以前からアンブレラに潜入して諜報活動を続 けていた。

事件前、アークレイ研究所の主任研究員からG-ウ ィルスの情報を得た彼女は、 G-ウィルスのサンプル回収命令を受け、ゾンビが 徘徊するラクーンシティを探索。

Gの手掛かりを得る為、 生物災害発生前から事件を調査していたベン・ベ ルトリッチを探していた。

ベンの死後、怪物と化したウィリアム・バーキン を追いかけた彼女は、 彼の妻アネットの襲撃を受けて危機に瀕するが、 命がけで彼女を守ったレオンの思いが、彼女の心 境に変化をもたらした。

かつてない感情に目覚めたエイダは、 レオンの危機を前にしてタイラントに無謀な戦い を挑むことになる…。




『シェリー・バーキン』

警察署でレオン達が保護した少女で、 G-ウィルス計画の中心人物だったウィリアム・バ ーキンのひとり娘。

両親から愛情を注がれることなく育ったためか、 感情をなかなか表に出せず、口数も少ない。

ラクーンシティにおける生物災害発生直前、 母親のアネットから連絡を受けたシェリーは、 指示に従って警察署へ助けを求めるが、 そこで警官ゾンビに出くわし、逃げ回ることにな る。

一度はレオン達に保護されたものの、 警察署地下で2人とはぐれたシェリーは、怪物「 G」と化した彼女の父親 ウィリアム・バーキンに捕まり、胚を植えつけら れてしまう。




『アネット・バーキン』

G-ウィルス研究の第一人者であるウィリアム・バ ーキンの妻で、シェリーの母親。 ウィリアムが「G」を発見する2年前に娘のシェリーを出産。

母親となった後も、夫を愛するあまり研究に没頭 したが、 生物災害が街全体に広がる直前、 アネットはシェリーに連絡をとり、警察署に避難 するように指示した。

シェリーに合流する途中、 アネットは夫婦の研究成果であるGを追うエイダ に遭遇し、彼女を襲撃した。 その際、エイダを庇ったレオンにもスパイの疑い を抱くが、 シェリーがウィリアムに追われている事を知ると 、 娘を助ける為の情報をレオンに伝え、夫を倒す決 意を固める。




『ウィリアム・バーキン』

G-ウィルスの発見者にして、同ウィルス開発計画 の最高責任者。
彼は、アンブレラが誇る有能な科学者だったが、 G-ウィルス計画を進めるうちに本社とそりが合わ なくなり、 米国政府(軍部)と接触するようになった。

しかし、計画を独占しようとしたウィリアムから G-ウィルスを強奪する為、 アンブレラ特殊工作部隊が研究所を襲撃、 抵抗した彼は致命傷を受ける。

死の直前に自分の体にウィルスを投与した彼は、 未知なる生命体「G」となって、その身を破滅へ と追い込んでしまう。




『ロバート・ケンド』

ラクーン市警察署の隣にあるケンド銃砲店を営む 日系人。
事件発生後、生き残った市民に武器を無償提供し たために 店内にはまともな武器が残っておらず、心細い装 備で自衛を余儀なくされていた。

ラクーンシティに到着したレオン達は、彼が襲わ れる現場に遭遇、 救助を試みるが、助ける事はできなかった。




『マービン・ブラナー』

ラクーン市警察署で初めて出会う生き残りの警官 。
数日前までは、戒厳令が敷かれる中であっても 盗難事件の報告書を書いたりレオンの歓迎パーテ ィの準備をしたりと、 普段と変わらない勤務状況にあった。

生物災害発生後は、 他の警官と共にバリケードを築いて署内西側オフ ィスに篭城していたが、 侵入したゾンビのの襲撃に遭って仲間を数多く失 い、彼自身も重傷を負う。

自分がゾンビ化することを知っていたマービンは 、 レオン達に生存者の救助を依頼してその場から立 ち去らせるが、 戻ってきた2人の目の前でゾンビとなって襲いか かってくる。




『ブライアン・アイアンズ』

ラクーン市警察の最高責任者にして、同警察署を 全滅に追いやった悪の権化。
ブライアンは、街の保全を第一に考える温厚な署 長を装いながら、 裏では私利私欲のために悪に手を染めていた。

彼は過去5年間、アンブレラの研究によって発生 した事件を隠蔽、 封印する見返りとして、同社から多額の賄賂を受 け取っていた。

大学時代には2度の婦女暴行を働いた挙句、 精神鑑定で有罪を逃れた過去を持つブライアンは 、 ラクーンシティ全域に生物災害が拡大した時、 遂に内面の狂気を露にし、常軌を逸した行動に出 た。

署を封鎖して部下たちを道連れにしたうえに、 市長令嬢の死体を剥製にしようとしたのである。




『ベン・ベルトリッチ』

超一流の腕をもつフリージャーナリスト。
功名心が強く金にもうるさいが、危険を冒してま で不正を暴こうとする ジャーナリスト魂に満ちあふれた人物でもある。

ラクーンシティで続発していた猟奇殺人事件に不 審を抱いた彼は、 真相を探るために街を訪問。
その過程でブライアン・アイアンズ署長の不正を 調査したために、 ラクーン市警察の留置場に拘置されていた。

生物災害発生後、牢屋の外を徘徊するゾンビの群 れを前に脱出を諦めた彼は、 彼の知り得た事件の真相を書き残し、 その後正体不明の怪物に襲われ、惨殺される。




『ハンク』

アンブレラ幹部直属の私設部隊、アンブレラ特殊 工作部隊の隊員。

所属はアルファチームで、ラクーンシティにおけ る生物災害時は、 フランス支部施設所長クリスチーヌ・アンリから の極秘指令を受けて 仲間とともに地下研究所へ潜入し、 ウィリアム・バーキンからG-ウィルスのサンプル を強奪した。

その後、異形と化したウィリアムの襲撃に遭い、 仲間を失いながらも、 たったひとりでG-ウィルスが入ったカプセルを回 収、帰還した。




『ラクーン市警』

市警本部の建物は、古い美術館を改装したもので 、市のほぼ中心部に位置している。
規模はそれほど大きくないものの、 特殊部隊S.T.A.R.S.を擁し、機動力には定評が ある。

「洋館事件」から辛くも生還したS.T.A.R.S.の 隊員クリスらが、 徹底的な再調査と事態の真相究明を上申したが、 ブライアン・アイアンズ署長は取り合わなかった 。

アンブレラとの黒い関係を疑われ始めていた署長 は、 あきらかに事件そのものをうやむやにしようとし ていた。

この後、クリスらは独自調査を決意し、 ラクーンを離れアンブレラの本拠地欧州に飛んだ 。

9月26日。 すでに市全域は都市機能を失い、ゾンビが徘徊し はじめていた。
市警の職員らも責務を全うしようと奮迅したが、 想定外の異常事態に対し、効果的な対応策をとれ ぬまま、ほぼ壊滅してしまった。

その日、レオン・S・ケネディは新任一日目であ ったが、 大幅な遅刻のため日没時刻に街に到着。混乱に巻 き込まれてしまう。

同じく兄を訪ねて街を訪れていたクレア・レッド フィールドと出会い、 目的を同じくする2人は警察署に向かうことにな る。




『アンブレラ社』

アンブレラ社は、欧州に本拠地を構える総合製薬 企業である。
世界各国に支部を持ち、各家庭向けに様々な薬品 を提供している。

ドラッグストアやコンビニエンスストア等、 販売ルートは多岐にわたり、その名を知らぬ市民 はいない。

ラクーン市にはアンブレラの北米支社のひとつが あり、 市内には大規模な研究施設や製造工場などがある 。

ラクーン市自体が、巨大企業アンブレラの利権で 潤う「企業城下町」であり、 マスコミや市政中枢機関も反目的な立場を取りに くいとされている。




『地下研究所』

ラクーンシティーの地下深くに作られた、 特殊な臨床実験や薬品開発を行うための研究施設 。

厳重な隔離設備を持ち、様々なレベルのウィルス 実験が行える。
一般のアンブレラ職員は入ることはおろか、その 存在すら知らされていない。

中でもP4レベル実験室は、生物災害(バイオハ ザード) の発生が危惧される高レベルのウィルス株などが 多数扱われており、 3重、4重の入退室チェック機構が備わっている 。

ただ、ほぼ日常的にこうしたウィルスを実験素材 として扱っているせいか、 職員たちの危機意識や緊張感はやや失われがちで ある。




『対G用抗原体』

Gワクチン「DEVIL」 G-ウィルスに感染し発病した生物は、 体内で作り出す胚を他の生物に産み付けるという 方法で自己複製を行うが、 産み付けられた胚は宿主の激しい拒否反応を受け ない限り、 十分な時間をかけて宿主の体と徐々に融合を続け 、 やがて宿主の体を自らの細胞組織と全て入れ替え 、完全なG生物として生まれ変わる。

成熟するまでの期間は宿主の個体差によって様々 だが、 胚と宿主との細胞融合過程において早い時期であ れば、 特殊な抗原体を投与してG生物化を止める事が出 来る。

このワクチンは少しの衝撃や温度変化で変質して しまうため、 非常にデリケートに扱う事が大切である。




『G-ウィルス』

アンブレラに所属する天才科学者 ウィリアム・バーキン博士が開発した強力なウィ ルス。

投与した生物の細胞に作用し、超絶な生命力・蘇 生力を与える。
十分な時間をかけずに感染すると、繁殖本能のみ に支配された「G生物」となり、 自我や知能を失ってしまう。

アンブレラ本社は運用意向にそぐわない博士に対 し、 回収部隊U.S.Sを送り込んで無理やりGを奪取し ようと企むが、 博士自らが瀕死の体にGを投与して怪物化したた め、反撃を受けてほぼ壊滅した。

この抗争劇は、後にラクーン全土にt-ウィルス の感染爆発を招く発端要因となった。




『町ゾンビ』

ラクーンシティの市民が、ネズミを媒介にt-ウィル スに感染してゾンビ化した。
感染者の中には、フットボールの試合を観戦する ために ラクーンシティを訪れていた市外の人間も多く含 まれる。




『ゾンビ犬』

特殊訓練を受けたドーベルマンが、 ウィルスに汚染された飼料を摂取してゾンビ化し たもの。

皮膚はウィルスの影響で腐敗しているものの、 ゾンビのような身体能力の衰えは見られない。

その為、非常に高い攻撃力と俊敏性を兼ね備えて いる。
しかし最大の脅威は、群れで獲物に襲いかかる犬 の狩猟本能である。




『クロウ』

ウィルスに侵された死肉を食べたカラスが、二次 感染を発症し、凶暴化した。
基本的には、縄張りを荒らされない限り襲いかか ることはないが、 いざ攻撃となるとその鋭いくちばしや爪で執拗に 攻撃してくる。




『警官ゾンビ』

ラクーンシティの警察官がゾンビ化して生まれた 。
"人食い病"による大規模な暴動に対処するという名 目で、 非番の警官も総動員された為、その数は多い。




『リッカー』

筋組織が強化され、運動能力が飛躍的に向上した ゾンビの突然変異体。
長い舌が印象深いことから、ラクーン市警察の署 員が、 "舐める者"=「リッカー」と名づけた。

視覚器官を失ったかわりに聴覚が異常発達してお り、獲物が立てる 僅かな音を頼りに接近し、攻撃する。

また、肥大化した脳と新たに形成された 筋組織によって、ゾンビではありえなかった運動 能力の向上が見られる。

骨格が変形したことによる4足歩行を基本とし、 天井にへばりついて移動することも可能。




『大クモ』

ラクーンシティ地下研究所の生物災害が生み出し た巨大なクモ。 下水に流れ込んだt-ウィルスの影響で野生のクモ が巨大化したものと思われる。

その巨体に似合わず、下水道の暗闇に紛れて獲物 に忍び寄る。




『小クモ』

大型化したクモの子供。
普段はメスのクモの胎内に格納されているが、 危険が迫った時は群れて敵に襲いかかる。

個々は成長途中にある為、ナイフで切りつける程 度で死んでしまうが、 群がる小クモの数が多ければ多いほど、無視でき ない脅威となる。




『ラージローチ』

主に下水道に生息していたゴキブリが、t-ウィル スの影響で巨大化したもの。
同じくウィルスに感染したネズミを補食するまで に急成長をとげている。
爆発的に増殖を繰り返し、 群れをなして獲物に襲い掛かる。




『ラーカー』

アンブレラ社の初期のt-ウィルス研究で、カエル をベースとして生まれたB.O.W.。
視覚系が退行する一方で、捕食対象の接近を鋭敏 に察知する優れた感知能力が発達。

舌は人間を突き倒すほどに強化され、人間を丸呑 みできるほどの消火器官を持つ。

優れた攻撃能力を持ちながら、 知能の低さゆえにアンブレラ社では兵器として実 用化されなかった。




『G幼体』

G成体から吐き出される小型生物。 地面を這って移動し、全身をバネにして獲物に飛 びかかる。

個々は脆弱だが、集団で襲いかかってくる際など は脅威となりうるので、 いかに迅速に仕留められるかが重要となる。

なお、G幼体には繁殖能力はないことがわかって いる。




『イビー』

正式名称はプラント43。 アンブレラ社がアークレイ研究所で生まれた 肉食性の怪植物「プラント42」のデータを元に 開発したB.O.W.で、 自立歩行型植物として品種改良されている。

名前の由来ともなった2本のツタを自在に操って 獲物を攻撃し捕獲する他、 頭部のような大きなつぼみからは消化酵素液を発 射して敵に致命傷を与えることも可能。




『リッカー改』

ラクーンシティ地下研究所で改良されたリッカー の強化型。
肌は青く変色しており、爪の大きさ、 耐久性などは通常のリッカーよりも向上している 。




『モス・ジャイアント』

アンブレラの研究施設から逃げ出した実験用の蛾 が、 t−ウィルスの影響で異常成長したクリーチャー 。

肥大した胴体と羽のバランスが取れていない為、 空を飛ぶ時は専ら低空飛行となる。当然長く飛ぶ 事もできない。




『ベビーモス』

モス・ジャイアントの幼虫。
体長は30センチメートルほどしかなく、生命力 も攻撃力も低い。
人間を見つけると、全身をバネのようにして飛び かかる。




『G成体』

"G"への拒絶反応から生まれた未知のクリーチャー 。
強引な擬似複製によって、進化の際に宿主の体を 内部から破壊して誕生する為、 非常に歪な様相をしている。

ブライアン署長から誕生したこのG成体は、 大きな左腕とG生物の特徴である大きな目玉を有 する。

口からは、「G幼体」と呼ばれる小型生物を垂ら して吐き出す。




『アリゲーター』

ペットとして飼われていたワニが 下水道に紛れ込んで棲み付いた結果、t-ウィルス に感染したもの。

極めて凶暴なうえにウィルスの影響で骨格が巨大 化。
体長は10メートル以上にも及ぶ。

普段は食料が多いゴミ集積場に生息し、 対象物が食料かどうかを噛み付いた感覚で判別す るという変わった習性を持つ。

特殊な感染例なのでラクーンシティで確認された のはこの個体だけで、 その後はワニをベースとしたクリーチャーの目撃 情報はいっさいない。




『タイラント T−103型』

突如、ヘリから投下された謎の敵。
一見すると人間に見えるものの、 高所から落下しても、銃弾を浴びても倒れない。

なにか目的を持って行動しているようだが、その 意図は不明。
圧倒的な戦闘能力を有しており、 無防備な頭部以外の部位には凡庸な武器は通用し ない。




『スーパータイラント』

アンブレラが生み出した"究極の生命体"タイラント が、 生命の危機に瀕して変身した姿。

元はG-ウィルス回収の為にアンブレラが投下した ものだが、 レオン達によって溶鉱炉に落とされた事で リミッターを解除、スーパータイラントへと変身 した。

絶大な破壊力を誇る大きな爪、そして優れた敏捷 性、凶暴性は 「暴君」の名にふさわしく、まさにB.O.W.の理想 型となっている。




『G第1形態』

ベンを惨殺した正体不明のモンスター。
かつては人間だったのか、体の左半分は人間の面 影を残している。

大きく膨れ上がった右腕部と、 手にした鉄パイプから繰り出す攻撃は非常に強力 だが、 左右非対称の体格が災いしてか、動きは鈍く、 攻撃の前後に大きな隙がある。




『G第2形態』

G-ウィルスを開発したウィリアム・バーキン博士 のなれの果て。
ウィルスに侵蝕され、G生物独自の器官が発達し 始めている状態。

骨格や体表組織の変化が著しく、新しい脳が形成 されている。
右腕には鋭く巨大な爪が伸びているほか肩の眼球 も大きさを増している。




『G第3形態』

Gが短期間で更なる進化を遂げた姿。
補助腕の発達に伴って腕が4本に増え、うち2本 は背中に移動している。

心臓を含む循環器系にも変異が起き始め、 同時に下半身の筋組織がウィルスに侵食された結 果、 非常に素早い動きを取れるようになった。
右肩同様、左太腿にも眼球が出現している。




『G第4形態』

第3形態の時点で生命の危機に瀕したGは、 超回復しながら第4形態へと変異し、2足歩行か ら4足歩行の獣型となる。

運動能力は更に向上し、壁面を走り、高所へ跳躍 する事も可能。
獲物を追い詰めた後、頭部と胸部が一体化した大 きなアゴで食らいつく。




『G第5形態』

様々な生物を取り込み、身体質量を更に増加させ た結果、 肉塊のような異形と化したG。

狭い場所にも軽々と侵入できるほどの柔らかさを もつ巨体からは、 未消化の生物の一部が露出している。

耐久性は第4形態並みに高く、重火器をもってし ても、 致命傷を与えるのは難しい。




『ラクーン市、1998年、9月』

人口約10万の地方都市。 アメリカ中西部、周囲を山岳に囲まれた盆地に位 置している。

1998年9月。 数ヶ月前に頻発した猟奇殺人事件をきっかけに、 市民の不安は拡大。
ある夜、市内各地で暴動や交通事故が同時多発。
市民はパニック状態となり、あらゆるライフライ ンが寸断される。

ラクーン市警や消防隊員らの一部が懸命な救援活 動を行うものの、事態は悪化しつづけた。
やがて街は大量の「動く死体」ゾンビによって埋 め尽くされる。

悪夢の元凶アンブレラとレオンらの確執は、ここ から始まった。




『レオン宛のメモ』

レオン・S・ケネディへ

ラクーンシティ警察署へ配属おめでとう。
これからは俺たち先輩警官が、たっぷり可愛がっ てやるぜ。
楽しみにしてな。




『避難勧告』

市民の皆様へ

ラクーン市警より重要なお知らせです。
現在、市街各地において暴動・略奪事件が多発し ており、大変危険な状況にあります。

当局は事態の収拾にむけ尽力しておりますが、よ り迅速な対応のためにも、 皆様には当該地区からの一時避難を勧告いたしま す。

ご理解のうえ、警察官の指示に従い、速やかに行 動してください。

ラクーン市警署長代理 レイモンド・ダグラス




『作戦報告書1』

作戦報告書

9月26日
当ラクーン警察署は、ゾンビの突然の襲撃により 死亡者、負傷者を多数輩出。
その際、通信機器が破損。
外部との連絡が不可能 になる。

被害の拡大を防ぎ、署内に残っているであろう生 存者を救助する作戦を決行。
ここに作戦討議内容を記録する。

ゾンビ襲撃の前日、近日の度重なる怪事件から署 長はテロ活動を懸念。
武器庫を占拠された時のことを考慮し、 一時的に武装を各所に散らすことにした。

不幸な事にそれが災いし、 弾薬の所在が把握できなくなってしまった。
署内に散らばった弾薬を集める事が先決である。


9月27日
午後1:00
署内西側のバリケードが突破され 、戦闘が起こった。 負傷者を一時的に1F押収物倉庫へかくまうが、 今回の戦闘で12名もの被害者を出してしまった 。

記録者 デビッド・フォード

〜追加報告〜 突然現れた怪物に、更に3人もの命が奪われた。
全身の皮を剥いだかのような異様な容貌、鋭利な 爪、

…しかし最も恐ろしいのは、舌を使った一撃だ。
奴は伸縮する舌を自在に操り、 槍のように尖らせ一瞬で3人の心臓を刺し貫いた のだ。

他にもどこに潜んでいるのか分からない。
我々は奴等を"リッカー"と名付け、緊急に対策を講 ずる事とする。




『パトロール報告書』

〜パトロール報告書〜

9月20日 PM9:30

報告者:ニール・カールセン巡査部長

ラクーン市郊外の下水道に不審人物が居ると の通報を受け、下水道内を捜索。
疑わしく思われ る人物を発見。 尋問を試みるが逃走された。

現場より以下のものが発見された。
・プラスチック爆弾 少量
・電気式時限信管
・9×19パラベラム弾カートリッジ
・赤外線スコープ (破損しており使用は不可能)

以上




『マービンのメモ』

署の建物は、もとは美術館として建造されていた ものだ。
80年代後半に閉館となった際に、市警が安く買 い上げ、署として改装した。
市の中心部にあり、駐車場設備があったため利便 性も高かった。

改装プランには現署長ブライアン・アイアンズの 口利きがあったという。
美術館のころに存在した各種の特殊空調ダクトは 、改装の際に潰された。

しかし、いくつかは出入り口を塞いだだけで、ダ クトそのものは残っている。
それをたどれば、外に出られるのではないか?

それにしても… S.T.A.R.S.の連中を信用していれば、 あるいは…。

いや、愚痴を言っても始まらない。
とにかく、どんなに薄い可能性でも試していこう 。
ここで死ぬわけにはいかないんだ。




『ベン・ベルトリッチの告発文』

脱出に絶望して書き記す… 街はどこもかしこも化け物でいっぱいだ。
俺はこ こでただ何かを待つしかない。

この悪夢の根源はアンブレラ社と警察署長ブライ アンの癒着にある。
アンブレラは化け物を研究しブライアンは金をも らい、それに目をつぶってきた。

「警察署とアンブレラの地下研究所は下水道を通 してつながっている」 そのルートを使って、実験体や金は運び出されて いる。
おそらく街に感染したウィルスの出所はここだろ う。

告発者、ベン・ベルトリッチ 1998 sep




『下水管理人へのFAX』

〜連絡施設利用者リスト〜

第1、第3水曜日に、 研究設備のメンテナンスをしているアンジェリカ =マーグレットが利用する。
彼女の持つ機材は湿気に弱いので、 施設内の湿気はあらかじめファンを回し除去して おくこと。

毎月28日に、薬品の運び屋であるドン=ウェラー が利用する。
非常に危険な薬品のため、移動中は常に気をくば る様にすること。

毎月6、16日に研究施設で行われる定例会議に出 席するため、 警察署長ブライアン=アイアンズが利用する。
失礼のないよう丁重に案内すること。

奇数月の第4金曜日に、アンブレラ・シカゴ支社で 研修学会を行うため、 ウィリアム=バーキンが利用する。
彼は何者かに襲われる危険性もあるので、案内す るだけでなく、 下水内での身辺警護もこなすこと。

その他必要に応じて、当局から通行日時と通行者 の氏名を連絡するので、 その時は通行者を無事に行き先まで案内して欲し い。 君の働きに期待している。

以上

アンブレラ本社・事務局長 チャールズ=コールマン




『下水管理人の日報1』

6月23日
久しぶりに運び屋のドンがきたので仕事がすんだ 後、すこし世間話をした。
何でも病状がひどくて昨日まで寝込んでたらしい 。
こんなヤバい仕事をしてりゃどこか悪くなるのも うなずけるが…。

話をしている最中も、終始脂汗を垂らし、 体のあちこちをかきむしってやがった。 一体あいつはどんな病気にかかっているんだ?


7月7日
最近、アイアンズ署長が研究所に通いつめている 。
まったく何しに行ってんだかわかんないが、いつ も憂鬱な顔をしてやがる。

あの陰険な顔した奴が、さらに憂鬱な顔して毎日 来るんだから、 こっちの気までめいっちまうぜ。

どうせ、ウィリアムのだんなあたりに無理言われ てるんだろうけど、 それが奴の宿命ってもんだ。
せいぜい頑張ってくれ、“市民思い”の署長さんよぉ 。


7月21日
こんな深夜に仕事があるんじゃ好きな酒もロクロ ク飲めたもんじゃない。
だがこの仕事のおかげで俺の生活は成り立ってん だから、 そんな事言ったらバチが当たっちまうかもな。




『下水管理人の日報2』

8月16日
久しぶりに、アイアンズ署長がやってきた。
以前に増して険しい顔をしていたので、 冗談を言ってなごませてやろうとしたら、眉間に 銃口を突きつけられ殺されかけた。

何とかその場は収まったから良かったが、一体ど ういう神経してやがるんだアイツは。
全く“市民思い”の署長だぜ。


8月21日
ウィリアムのだんなから、 警察や記者がアンブレラの事について調査を始め たと情報を受けた。

それはラクーン市全体に及ぶらしく、いつ下水道 の中まで調査が及ぶかわからないので、 アンブレラ下水設備を一旦停止して、カモフラー ジュしておいてくれという用件だ。

これからの下水道の往来は、今まで通り続けるら しいが、 バレちまったら俺の職がなくなっちまう。気をつ けなきゃな。




『連邦警察局・内務調査報告書』

(9月29日 S.T.A.R.S.オフィスにFAXに て着信)

ラクーンシティ警察署

「S.T.A.R.S.」隊員 クリス・レッドフィールド 殿

貴殿より依頼があった件につき、 内偵した結果、以下のことが判明した。

(1)

アンブレラ社が極秘に開発中のG-ウィルスについ て。
現在のところ、G-ウィルスなるものが 存在するかどうかは判明せず。
引き続き内偵を続 ける。

(2)

ラクーンシティ警察署長ブライアン・アイアンズ について

署長ブライアン・アイアンズは、過去五年間に渡 り、 アンブレラ社から多額の賄賂を受け取っていた疑 惑あり。

恐らくアンブレラ社が引き起こしたと思われる 洋館事件及び数々の不審な事件のもみ消し工作に 一役買っていたと考えられる。

また署長は、大学時代、二度に渡り女子学生に乱 暴を働いた疑いがあり、 精神鑑定を受けたが、成績優秀のため不問に付さ れている。

以上のことから、今後は十分に注意をして行動さ れたし。

合衆国連邦警察局内務調査室課長 ジャック・ハミルトン




『研究施設 保安マニュアル』

緊急事態発生時の安全対策

当研究施設はバイオハザード発生時における緊急 対策を、 全て地下搬入施設に集約している。

搬入した資材に異常が見られた場合、 資材集積所からオートメーションでカーゴを特殊 高速車両に緊急搭載し、 迅速な隔離・処分を行う。

異常のレベルによっては、車両ごと資材の廃棄処 分を行う場合もある。
又、当研究施設自体に異常事態が発生した場合は 、 通常は資材搬入・搬出を行っている最北の路線を 緊急脱出ラインとし、 市外の中継施設への避難経路を確保する。

いずれの場合も、当研究施設についてのいかなる 情報も外部に漏らしてはならない。
基本的に研究内容の守秘を最優先事項とし、 場合によっては脱出を中止する場合も考えられる ので、 各自冷静かつ迅速な行動を心がける事。




『クリスの日記』

8月8日
今日も署長にかけ合ったが、やはり信じてくれな い。
アンブレラがあの洋館で、恐ろしいt-ウィルスの 実験をしていたのは間違いないのだ。
t-ウィルスに感染すると、人間はゾンビになって しまう。

だが洋館は爆発してしまって証拠が残っていない 。
その上、この町はアンブレラの薬品工場で食って るようなもので、 町の人間は、恐れて誰も口を開かない… どうしたらいいのだ。


8月17日
最近、おかしな事件が続発している。
夜中、町のあちこちで見たこともない化け物が出 現するというのだ。
アンブレラが再び動き出したに違いない。


8月24日
ジル・バリーと協力して、ついに情報を掴んだ。
アンブレラは、t-ウィルスに代わる新しいG-ウ ィルスの研究に乗り出したというのだ。

G-ウィルスとは一体どんなものか?
とにかく3人で相談し、極秘で捜査するため アンブレラの本拠があるヨーロッパへ飛ぶことに した。
妹には連絡しない。
危険にさらしたくないからだ 。

許してくれクレア。




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