だが、俺は知っている。

俺に微笑みかけてくれるヨーコには、俺には決して埋める事の出来ない心の欠落があるという事を。


ヨーコが何処か遠くを見詰める度に、彼女があの街に置いてきてしまった心の欠片を俺はその瞳の中に見る。


その度に。
あの街の幻影から救い出したくて、ヨーコの心を『ここ』に繋ぎ止めたくて。
俺は決して離さない様にヨーコを抱き締めるのだ。


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