でも、私は知っている。

私を優しく抱き締めてくれているデビットの瞳の奥には、決して私には触れる事は出来ない闇がある事を。
深い哀しみと孤独を孕んだ其れは、今なおデビットを苦しめているであろう事を。


デビットが苦し気に目を逸らす度に、私はそこに彼の闇を見る。


その度に。
その闇から彼を救い出したくて、『貴方は独りじゃない』と伝えたくて。
私はデビットに微笑みかけ、この手を微かに強ばった彼のその手とそっと繋ぐのだ。


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