世界を変える願い事







「早く!!走ってっ!!」


飛び掛かってきたハンターをショットガンで撃ち落としながら凜は叫んだ。

ヨーコ達を先に行かせて殿を務め、ターンテーブルに続く扉に背を向けながらハンター達を食い止めている凜には、ヨーコ達がどうなっているのかは分からない。


ターンテーブルの中にはまだハンター達が侵入していない事を祈るばかりだ。

ターンテーブル起動には、ジムが持っているターンテーブルの鍵を制御盤に差し込むだけなのだから、何の障害も無い………筈だ。
だから、凜はターンテーブル上昇までの時間を稼ぎさえすればそれでいいのだ。


だが、それにしても………。


(くっ………!ハンター達が動き始めるのが早すぎる……!!)


温度がハンター達が活動出来るまで戻るのが、凜が想定していたよりも早かった様で、メインシャフトまで戻った時にはウエストエリアの方からハンター達がメインシャフトに侵入してきていた。

メインシャフトにいたハンター達をあかじめ倒しておいて本当に正解だった。
五体以上のハンター達を一度に相手取るのは、あくまでも対B.O.W戦においては(ゲームの中なら話は別だが)素人以外の何者でも無い凜には辛すぎる。


ハンター達を迎撃するにはハンドガンよりもショットガンの方が遥かに有効だが、四体ものハンター達に絶え間無く攻撃されていると、装弾数には限りのあるショットガンは直ぐに弾切れになった。
弾切れたショットガンなんて、ハンター達には何の役にも立たない。

弾が無くなったショットガンを、リロードする暇が無いからと凜は投げ捨ててハンドガンを引き抜いた。
ショットガンを捨てるのは勿体ないが、命の方が大事だ。
弾の無いショットガンを後生大事に抱えて死ぬのは真っ平御免だった。

素早いハンター達相手には、ハンドガンは威力は無いわ当てにくいわ連射性は無いわで頼りなさ過ぎる武器ではあるが、弾切れはしない(ある意味チートな)このハンドガンならば、弾切れを気にせずに撃ちまくっていれば、致命傷までは与えられなくても足止めならば十分可能だろう。
更にはこのハンドガンは弾切れない事にも加えて、可能な限り改造が施されている。
普通のハンドガンよりも遥かに頼りになる武器だ。


指が痙りそうになる程、凜は容赦なく引き金を引いて弾をハンター達へとバラ蒔く。
足や胴体に銃弾を受けたハンター達はよろめき足を止める。



だが。



(流石にこれ以上は限界だ!!)


止む事の無いハンター達の攻撃は、凜の神経を磨耗させていく。


多分……もうそろそろターンテーブルが起動しているに違いない。
こんな場所に置き去りにされるのだけは絶対に嫌だ。
何としてでも、ターンテーブル上昇までに乗り込まなくては。
残りのハンター達は、ターンテーブルが上昇するまでの間を相手しておけば十分だろう。


ハンター達の攻撃が一瞬止んだ隙に、凜はターンテーブルへと駆け込んだ。




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