世界を変える願い事







『あっ、そーだ!オレ達さっき脱出手段を見付けたんだ!あれを使えばここから脱出出来る筈さ!』


ジムが得意気にヨーコに話し掛けた。


『あれって?』


ヨーコが訊ねると、ジムは「ジャジャーンッ!」とでも効果音が聴こえてきそうな程得意気に、制服のポケットからカギを一つ取り出した。


『ターンテーブルのカギだよ!これでターンテーブルを動かして脱出出来るよ!』


『まっ、鍵穴まで凍り付いてやがるから、先にそれを何とかしねぇといけないけどな。』


そう言って、ケビンはやれやれと言わんばかりに首を振った。



(……何かを使ってその鍵穴を融かせば………?
………それとも、この寒さを何とかすれば……?)


しかし………鍵穴を融かすにしろ、この寒さを何とかするにしろ……どうすればいいのだろうか。
凍った鍵穴を融かせそうな道具はここには無い。
寒さを何とかする方法も、思い付けない。




だが。



「ヨーコ、こっちだ。」



リンは何かの確信があるかの様に、ヨーコの手を引いて迷い無く歩き出した。


『おいっ!リン!!』


リンはケビンが呼び止める声にも足を止めない。


「リン……?」


(………リンには、この状況を何とかする方法が分かっているの……?)



「大丈夫。」


口には出さなかったヨーコの考えを察したのか、リンは静かに頷く。
リンのその目に浮かんだ強い光に、何故だかヨーコは安堵を覚えたのであった。




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