★ 『あっ、そーだ!オレ達さっき脱出手段を見付けたんだ!あれを使えばここから脱出出来る筈さ!』 ジムが得意気にヨーコに話し掛けた。 『あれって?』 ヨーコが訊ねると、ジムは「ジャジャーンッ!」とでも効果音が聴こえてきそうな程得意気に、制服のポケットからカギを一つ取り出した。 『ターンテーブルのカギだよ!これでターンテーブルを動かして脱出出来るよ!』 『まっ、鍵穴まで凍り付いてやがるから、先にそれを何とかしねぇといけないけどな。』 そう言って、ケビンはやれやれと言わんばかりに首を振った。 (……何かを使ってその鍵穴を融かせば………? ………それとも、この寒さを何とかすれば……?) しかし………鍵穴を融かすにしろ、この寒さを何とかするにしろ……どうすればいいのだろうか。 凍った鍵穴を融かせそうな道具はここには無い。 寒さを何とかする方法も、思い付けない。 だが。 「ヨーコ、こっちだ。」 リンは何かの確信があるかの様に、ヨーコの手を引いて迷い無く歩き出した。 『おいっ!リン!!』 リンはケビンが呼び止める声にも足を止めない。 「リン……?」 (………リンには、この状況を何とかする方法が分かっているの……?) 「大丈夫。」 口には出さなかったヨーコの考えを察したのか、リンは静かに頷く。 リンのその目に浮かんだ強い光に、何故だかヨーコは安堵を覚えたのであった。 |