![]() ★ 一方その頃、デビットはダクトにいた。 先に進もうにも、足場の横に生えている見上げる程巨大な植物から延びている蔦が壁や梯子に絡まっていて通れそうに無い。 蔦を切り裂こうとナイフを突き立てて見るが、蔦は異様な程固く刃が刺さらなかった。 (チッ、この蔦が邪魔で上にも下にも行けそうに無いな。) そもそも上に行く為の梯子は伸びていないが。 壁に奇妙な穴が空いていて、そこに何かを差し込めそうだが、差し込む為の何かすらデビットは持っていない。 今持っているハンドガンの残弾数が心許ない現状では、剰りうろうろするのは得策では無さそうだ。 この蔦を何とかする為にも、何か手を打たなくてはならないだろう。 (仕方ない。セキュリティーセンターに引き返すか。) ![]() |