世界を変える願い事







レストラン内にいたゾンビを片付けてから、アリッサ達はゲートを開ける為の手掛かりになりそうな物又は武器になりそうな物を探す。

アリッサが座席の周りを探していると、テーブルの下に何か光る物を見付け、屈んでそれを手に取るとそれはリボルバーだった。


(これは……使えそうね。)


誰が持ち込んだのかは分からないが、少しでも武器が必要な今では何よりも有り難い。
弾数を確認すると、ちゃんと5発残っている。
アリッサはしっかりとリボルバーを仕舞った。


しかし………レストランの中には他にこれと言った物は無い。
ユイが厨房を、ジョージがレジの辺りを探しているが、今の所は収穫は無い様だ。


(シンディ達の方は何か見付けられたかしら。)


アリッサが考えていると、厨房の方から明るい声が響いた。
ユイの声だ。


『アリッサ、ねぇ見て!これ使えるんじゃない?』


ユイは嬉々として厨房の巨大な冷凍庫の中から、ある物を取り出してアリッサに見せてきた。

だがそれは……。
アリッサは少し戸惑いながら首を傾げた。


『それって……冷凍肉のパックよね。』


態々確認するまでも無いのだが、ユイの意図が分からない。
何処からどうみてもユイが持っているのは、ただの肉の冷凍パック。
強いて言えば、業務用だからかかなり大きなサイズだという事ぐらいか。

何でまたそんな物を?一体何に使えるというのだろう。

アリッサが怪訝そうな顔をしたからか、ユイは妙に生き生きとした顔で説明し始めた。


『ゾンビ達はどうやら基本的に肉に飢えているみたいだったのよね。
単なる飢餓感なら、肉に限らず……野菜とか食べてそうだけど、今まで見た限りではその様子は無さそうだもの。
だったら、ゾンビに囲まれて危なくなった時とかにこれを使えば、囮に出来るんじゃないかしら?』


そう言われればそうかも知れないが……………。


『成る程……一理あるわね。
…でも、普通に武器を持っていった方がよっぽど使えるわ。』


何でもかんでも持っていける訳では無いのだ。
そんな物を持っていくのは無駄以外の何物でも無く、余分な物を持っていく余裕は無い。


『う〜ん、確かにね……アリッサの言う通りだわ。』


ユイは一瞬ショボンとした。
だが、直ぐに気を取り直したかの様に顔を上げる。


『あっ、でもね、武器は無かったけど、使えそうな物は他にもあったのよ!』


そう言いながらユイはビニール紐やらガムテープやらを出してきた。


アリッサは思わず溜め息をついてしまう。

まぁ、確かに。それらが役に立たないとはアリッサも思わない。
だが、今必要な物は武器なのだ。

結局、このレストランの中で見付かったまともな物は、リボルバーだけなのかもしれない。



アリッサがそう思っていると、ユイは何かを思い付いたかの様に通信機を取り出していた。




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