personal space

花礫は昔から人との距離が遠かった。私やヨタカでも触れあうことが少なかった。

輪の人達と出会って、花礫は変わったと思うの。なんか、人を信頼するようになったわ。あと、人との距離が近くなった!

私が思うには、あの金髪の人が関係してるんじゃないかな?だって、あの人、花礫に抱きついてたし。お姉ちゃんでも嫌がってたのに、あの人にはそんなそぶり見せなかったわ。私には分かるの。口では嫌がっても、心が喜んでた。

「で、花礫。あの金髪の人とは、どんな関係なの?」

ぶはっ

お昼休みに質問したら花礫ったら、飲んでたジュースを吹き出しちゃった。
汚いなあ、もう。

「けほっ。何だよ急に。何で與儀が出てくるんだよ。あいつとは別に……」
「良いのよ!!恥ずかしがらないで。私、偏見とかないから!あんたに信じ合える人ができて嬉しいの」
「なっ///だから與儀はただの知り合いだ////」

赤い顔で言われても説得力ないわよ。可愛いんだから。

「ねぇ、輪の人達とどんなことしたの?教えれるところだけ教えてよ。その與儀さんの事も」

ちょっと話題を変えながら與儀さんとの事も聞こう。
こう聞いたら花礫は素直に答えるはず……

「あ?輪でのこと?あんまり外に出てないから特に言えることないな。平門は何考えてるか分かんねえヤツで、ツクモは静で良いヤツだ。で、與儀はうざったくて、年上とは思えねえくらい子供で、でも、人の痛みには敏感でよく傷ついてる放っとけねえ奴だな。あと羊がうるせえ」
「よく分かったわ!!ありがとう」

じゃあ、また後で!

そう言って花礫と別れた後、私は朔さんに連絡を取った。


花礫があんなに優しい顔をするなんて………




「おーい、與儀。お前、花礫に何かしたか?」
「あ、朔さん。こんにちはー!花礫くんに?何もしてないですよ?」

貳號艇にふらっとやって来た朔は、與儀に尋ねた。

「いやね、あいつのお姉さん的存在の子が與儀に花礫を宜しくお願いしますって伝えてくれって言ってたからさ」

まぁ、お前ら仲良かったもんな。じゃっ、俺は伝えたからな〜!

そう言い残し、朔は貳號艇を去っていった。


「………何でバレたんだろう??」


実は恋人同士になっていた自分達の関係を感ずかれて不思議に思う與儀だった。








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