こどもの日だもん

朝起きたらね、花礫が頭を撫でてくれたんだ!
なんか今日の花礫は優しい。
ご飯食べてる時は、與儀がね、お餅くれたの!甘くて美味しかった。
花礫も貰ってたのに、怒ってた……。
何でだろう?
ご飯食べ終わるとね、平門がね街に連れてってくれたんだ。好きなもの買ってくれるって言って、俺、ボール買って貰った!!
花礫も一緒に来てたのに、買ってもらうの嫌がってた……でもね、珍しい本があったみたいで買ってもらってたよ!


艇に帰ったらね、ツクモちゃんがお魚のクッションくれたんだ!
えっとね、鯉のぼりを本当は作りたかったんだけど、飾る場所がないからクッションにしたんだって!可愛いんだよ!


あとね、キイチちゃんが来てね、一緒にカブトっていう帽子を紙で作ったんだ。
完成したら被ったよ!
喰くんは、長い葉っぱくれたんだ!
お風呂に入れるんだって!後で一緒に入る約束したよ!


あとね、あとね、昨日くらいからね、格好いい人形さんがね、飾られてるの!
花礫も珍しそうに眺めてたよ!與儀はね、最近出してなかったから久しぶりに見たって言ってた。


何か今日は皆が優しい日なのかな?俺、嬉しい!


「ねえ、ツクモちゃん。今日って皆が優しくなる日なの?」
「あ、无くん知らなかったんだ。今日はね子供の日って言って、男の子のお祝いをする日なんだよ」


だから无くんと花礫くんを皆で祝ってたのよ。花礫くんは嫌がってたけど…

ツクモちゃんが今日の謎を教えてくれた。鯉のぼりも子供の日に吊るすんだって!


「あれ?でも與儀とかは祝わないの?」
「與儀はもう大人だからね。でも、毎年柏餅は食べてるわ」

あのお餅のことだ!美味しかったもんね。

ツクモちゃんに色々教えて貰ったから、花礫にも教えてあげようと思って花礫を探したの。

花礫は與儀の部屋に居たよ!二人の話し声が俺は聞こえるから。


「花礫く〜ん。このカブト一回被ってみてよ〜」
「うぜぇ。お前までガキ扱いするのかよ……」
「違うよ!ただ、これ被ったら格好いいだろうな〜っと思ってさ!これね、平門さんが俺に買ってくれたやつなんだ。もう使うことないと思ってたんだけど、今日は无ちゃんのお陰で使うことが出来たし、記念に花礫くんにも子供の日を体験して欲しかったんだ。やったことないって言ってたでしょ?」
「……分かった」


花礫、子供の日初めてだったんだ!俺と一緒だ!
あのお人形さんとかは、與儀のだったんだ。

ガチャ

「與儀!花礫!」
「「ーっ!?」」

嬉しくなって部屋に入ったら花礫は、あのお人形さんが被ってたみたいな帽子を被ってて、與儀は、花礫に抱きついてた。

「な、何だ?无」
「无ちゃん、どうしたの?」

二人は俺を見た瞬間に離れちゃった。

「んとね、ツクモちゃんに子供の日のことを教えて貰ったから、花礫にも教えてあげようと思って……」
「ああ、そうか。でも、俺は今日のこと知ってるぜ?ありがとな」

花礫は笑って俺の頭を撫でてくれた!!


「花礫!與儀!俺も二人と抱き合う!」
「へ?」
「えっ、ちょっ…无ちゃん!」

ギューっと二人に抱きついたら、最初は驚いてたけど、二人とも優しく抱き返してくれたんだ!


「今日は嬉しいことだらけだ」


子供の日ってすごく良い日だね!






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