!微裏表現有り











「は……ッんン…!」

鼓膜に響く必死に息を肺に吸い込もうと開いた口から漏れる声は、何処か他人事のように僕は聞きながら重なり合った唇から深く舌をすりこませ、息を奪う。
吐く息を飲み込んで熱い舌を絡ませて。
目を見開いて状況について行けない彼は息苦しさに僕の肩を弱々しく押す、それでも離れずに行為を続けて細めた瞳から覗く臨也のうっすらと涙を浮かばせる表情に欲情してる自分に苦笑した。

そう言えば初めて彼を抱いた時、痕のない色白い肌に欲情したな、まるで昨日の事みたいに脳内に映し出されて目を閉じる。


「んぁ…!?」

冷静に考え止めなければいけないと思いつつも始まった行為は走り出した車の様に直ぐには止まってはくれない。
彼が欲しい、そんな事を思ったのは本当はあの時あの場所で彼と初めて言葉を交わし合った時。煩い程に脈を打って思わず笑みが零れてしまったあの瞬間から、

――ああバカらしいな。

片手で彼の両手を押さえ付けて、余った方の手で服の中に忍ばせ女性程柔らかではないがすべらかな肌に手を這わせ胸の中心に触れれば彼の肩がびくりと跳ねた。瞳は変わらず困憊した色を濃く滲ませ俺を見上げていた。
ゆっくりと口を離せばゲホゲホと蒸せて肺に息を吸い込む。そんな彼を見下ろして残酷だと自負しながらも唇を動かした。


「……ごめん、止められそうにない、な…」

見開かれた赤茶けた瞳が、大きく揺らいだ。















「やあ…っあ、ぁ!」

引っ切り無しに上がる鼻を掠った甘い声。色白い身体は時折びくびくと跳ね、伸ばした脚の爪先はピンと張る。繋がった部分からは卑猥な音が漏れ鼓膜を犯した。
何十分位経ったのだろうか、彼は変わらずいやいやと頭を振るが、そこは難無く自分を受け入れた。ぼんやりと頭に浮かぶのは初めてで痛いだろうに強がって歯を食いしばり痛みに耐えていた彼の姿。あれ以降彼が静雄と身体を重ねた事は当然だがあるとわかっていても何故だか胸がもやもやとした。

そしとそんな事を考える自分自身に呆れた。自分は自分の偽善の為に今も昔も彼を苦しめているというのに。

組み敷いている彼の中で限界を感じ、身体を屈めて顔を近づけ再び口を交わし合う。既に解放した拘束していた両手は無意識からか、それとも苦しさからか、僕の背に回されていて、ドクンと胸が高鳴った。

――これが本当に"最後"だ。

一際彼の身体が跳ねた瞬間、おかしい位に涙が零れる。おかしいな、なんて思うのに雫は、いつの間にか外れて落ちていた眼鏡の上に落ちて弾けた。


「……しん、ら…?俺…、」







何か言いかけて、眠りに落ちた。



(目覚めたその時に、)




To be continued



本当に微(笑

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ついにあの人のターン!

(12)
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