ぱたん、


部屋から出て扉を閉めた瞬間、セルティがPDAを片手に迫ってくる。




『新羅!どうだったんだ?!』

「うわ、セルティ!いつになく積極的だね!どうせならそのまま抱き着いて欲しぶはっ」

『ネタはいい!いいから話せ』

ネタ、ネタってセルティ酷いな。僕は全身全霊で本気なのに。そんな馬鹿な事を考えながら右ストレートを食らった顎を片手で摩りながら一息つく。

「…はあ。逆向せ…じゃなくて記憶喪失みたい。今のところ原因は見出だせてないけど多分外傷性」

『そう、か…だから様子が…ってそうだとしたらやばいじゃないか!』

「んー…まあそうなるね」

『未だ静雄とも連絡が取れてないのに…あーアイツはなにをやってるんだ』

PDAを忙しく打つ彼女を横目に見ながら空の紙袋をごみ箱へと捨てさり次に白い棚の前へと行き引き出しを開ける。
未だ静雄と連絡が取れてない事に内心驚愕する。あれからもう数十時間経ってるのにおかしい。いつもならば血相を変えてやってる来るのに其の気配さえない。

「静雄が危険に陥ることはないと思うけど…流石におかしいな」

『だろ?もう昼なのに―…』

引き出しから錠剤の入った箱を取り出し、臨也の身体にあったやつを選び小さな紙皿の上に適量取り出し再び箱をしまう。
そして其の侭白衣のポケットに手を突っ込み携帯を取り出すと電話帳を開き門田と表示された画面を開く。

「一応ドタチンにも連絡取ってみるよ、なにか知ってるかも」

『ああ、そうしてくれ。私は外に行って捜してくるよ』

僕の提案にセルティも違う方法で調べてくると謂って玄関に向かう背中を見送ると通話ボタンを押し耳に押し当てた。

(なにか知ってればいいけど、)







でも結局、

――静雄は来なかった




(彼が覗いてたことなんて気づかずに、)




臨也に浮かび上がる疑問\(^ω^)/

(04)
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