ハロウィン | ナノ

とーさまと!


両手に団子等のお菓子を沢山持って女の子は部屋に帰りました。

「ただいまー!」

勢いよくふすまを開けると先に帰ってきたもう一人の部屋の住人が出迎えてくれました。名前は七松小平太。女の子を拾ってくれた人です。女の子は七松のことを「とーさま」と呼んでまるで本当の父親のように慕っています。

「とーさま!みてみてたくさんおかしもらったよ」

「よかったな!」

「うん!」

七松はぐりぐり女の子の頭を撫でました。力加減はしているようですが、少し痛そうです。けれど女の子は全然気にしていません。

「とりっくおあとりーと!とーさまもおかしちょーだい?」

さっそく七松に例の決まり台詞を言いますが、「ない!」と即答されてしまいました。

「だから思う存分悪戯してもいいぞ!」

女の子は両手を組んで考えるしぐさをしました。

「うーんととーさまかたぐるまして!」

考えて出したのは、悪戯と言うよりただのお願いでした。

「いいぞ!」

けれど七松はなにも言うこともなく女の子を肩車してあげました。

この後も女の子の悪戯と言う名のお願いは続いて夜には二人一緒に寝ました。

女の子の寝顔はとても嬉しそうでした。

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