たけやと 三郎の髪を結んでもまだまだ満足していない女の子は次の標的を探します。きょろきょろ周りを見ながら歩いていると飼育小屋の方にぼさぼさ頭の少年を見つけました。 「…みーつけた!」 次の標的は彼のようです。ゆっくり歩いて彼に近づいていきます。もう少しというところで気配に気づいた少年が振り返りました。 「おっ、ちびすけじゃねぇか」 「たけやおはよ!」 少年の名前は竹谷八左ヱ門。彼は女の子の頭を無造作に撫でました。 「変な格好してるな」 「へんなのじゃないよ。まじょなの!」 変な格好と言われたのが気に入らない女の子は少し拗ねてしまいました。 「ごめんな。可愛いから機嫌直せよ」 竹谷が頭を撫でてあげれば女の子はすぐに機嫌が直りました。 「じゃあたけや、とりっくおあとりっく!」 「あーハロウィンだっけ?三郎か誰かが言ってたな。えーっそれどういう意味なんだ?」 「いたずらかいたずらどっちかえらべ!」 「選択肢悪戯だけかよ!」 反射的に竹谷は突っ込んでしまいました。 「だってかんちゃんとさぶろーがたけやにはこういったらっていってたの」 「…あいつら」 苦々しげに竹谷は呟きました。けれど女の子に罪はないと表情をすぐに戻しました。 「いいぜ悪戯だろうが何だろうが受けて立ってやるよ!」 「わーい!」 女の子は竹谷がまいったと言うまで悪戯をしました。 prev / next [ back to top ] |