ハロウィン | ナノ

らいぞうと


まだ満足していない女の子は標的を探して歩きます。すると、縁側に茶髪の少年を見つけました。

「らいぞー!とりっくおあとりーと!」

大声で言いながら雷蔵目掛けて走りました。

「あ、ちびちゃん。とりっくってハロウィン?」

雷蔵が自分の隣をぽんぽん叩くと女の子は隣に座りました。

「そうだよーあとまじょのかっこうにあう?」

「うん可愛いよ」

雷蔵は褒めれば嬉しそうに女の子は笑いました。

「三郎が言ってたハロウィンって今日だったんだね…けどごめんね今お菓子持ってないんだ」

申し訳なさそうに雷蔵は言いました。

「じゃあいたずらしていい?」

「いいよ。けどお手柔らかに頼むね」

「はーい!」

元気よく返事をした女の子は、立ち上がって雷蔵の後ろに回ります。そして彼の髪紐をほどきました。

「何するの?」

雷蔵は女の子に聞きました。

「ふたつむすびにするの!」

女の子は宣言通りに雷蔵の髪を二つに結びました。

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