ケータイ雷蔵といっしょ!
現パロで雷蔵がケータイ。
近くで気配があって目を開ける。
「ご、ごめん…起こしちゃった?」
申し訳なさそうに目線を下げている雷蔵がぼんやりとした視界に入る。ああ、私寝てたのか。
「大丈夫だよ。何かあった?」
体を起こし、眠気を覚ますために伸びをする。
「えっと、メールが来てるよ」
雷蔵が差し出してきた黄色の折り畳みのケータイを受け取れば、メールお知らせのランプが光っていた。
メールを見ると友達からで、授業についての質問だった。覚えてることを返信する。
雷蔵は人間ではない。私の黄色のケータイと雷蔵は同じ存在らしい。よく分からないけど、ある日彼が私の前に突然現れてそう説明してくれた。雷蔵は、メールや電話が来るのが分かったり、ケータイを開かなくてもメールの内容を分かったり操作したりも出来るらしい。けど彼は基本的にケータイを操作したりはしない。
今設定した覚えのないマナーモードがついているくらいの事しかしない。きっと寝てしまった私を起こさないようにっと気を利かせてくれたのだろう。
「ありがとう雷蔵」
「…どういたしまして」
ふわりと笑う雷蔵に心が暖かくなる。
私のケータイは優しくてとてもいい子です。