小説 | ナノ

理不尽なのは当たり前?

さっちゃんの家に上がり込んだらさっちゃんの靴の他に見覚えのある靴が二つあった。

確かおばちゃんは買い物に行ってるからさっちゃん以外はいないと思ったのに。

バタバタとリビングに行けば、

「来たな」

「よお」

「邪魔してるぜ」

さっちゃんの他にさっちゃんと同級生の次屋三之助さんと富松作兵衛さんがいました。

「こんにちは」

三人は机の上に教科書やノートを広げている。宿題でもやってるのかな。せっかくさっちゃんと遊ぼうと思ってたけど邪魔したらダメだから帰ろうかな…。

「名前こっちおいで」

さっちゃんが手招きをする。さっちゃんが来てもいいっていうなら迷う必要はない。さっちゃんの隣に座る。

「やっぱりお前にべったり懐いてるな」

「まるで犬みたいだ」

「名前はやらんぞ」

「私犬じゃないよ」

「そうだ!名前は犬じゃないぞ。三之助は酷いな」

「え、何、俺が悪いの?」

「名前のことに関して左門は理不尽な事しか言わない…受け入れろ三之助」

「「?」」

少し落ち込んでいる三之助さんの肩を叩く作兵衛さん。なんで三之助さんが落ち込んでいるのか分からない。隣のさっちゃんの方を見たらさっちゃんも分からないみたいで首を傾げてた。



理不尽なのは当たり前?
(作兵衛どういう意味だ?)
(…そこは無自覚かよ)
(無自覚なのは三之助さんの方じゃないですか?)

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