小説 | ナノ

毎朝の光景2

さっちゃんが着替え始めたので私はリビングでおばちゃんが入れてくれたお茶を飲んでまったりする。

「名前ちゃんいつもありがとうね」

「いえいえ、いつものことですから!」

このおばちゃんとのやり取りも毎回の事だ。

そうこうしているうちに制服姿のさっちゃんがリビングにやって来て挨拶しながら私の横の席に座った。

おばちゃんがさっちゃんにご飯とお味噌汁やおかずを用意する。

私にも食べる?と聞いてくれたが私はさっきご飯食べてきたから断った。

さっちゃんがご飯を食べているのをぼんやりと見る。今日のおかずは鮭かいいな。

「名前鮭食べるか?」

鮭への熱い視線に気付いたさっちゃんが聞いてくる。

「食べる!」

すぐに答えて口を開けたままにすれば、ほぐした鮭が口に入った。

うん美味しい。

一口貰えばもう一口欲しくなってさっちゃんにねだればまた入れてくれる。

結局さっちゃんの鮭を半分くらいもらってしまった。

「「ごちそうさまでした」」

食べてしまったので私もさっちゃんと同時に言う。

立ち上がってさっちゃんは通学鞄を、私はランドセルを持つ。

私とさっちゃんは同い年ではない。さっちゃんは中学二年生。私は小学六年生だ。

けど歳の差があってもさっちゃんと私の身長差は殆どないしずっと一緒にいたから年上って感じはしていない。

仕上げにとさっちゃんが私の手を握る。

「よし行くぞ名前!」

「うん!」

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