小説 | ナノ

7〜彼女のバヤイ〜


「名前!団子屋に行くわよ!」

休みの日。ぐっすり眠っていたら同室の彼女から頭を蹴られた。寝ぼけていて痛覚が麻痺してるとしても痛い。

彼女の唐突な提案は慣れっこなので仕方なく起きる事にした。

せっかくの休みだからもう少し寝たかったな。

そして身支度を調えたら問答無用で団子屋に連れられた。

「まさか朝ご飯が団子になるなんて…」

「何か言った?」

「別に」

彼女に文句言ったって無駄だ。

「そう。ねぇ名前の団子貰うわよ」

「何でよ!自分の分があるでしょ!」

「種類が違うのよ」

確かに彼女が食べてるのは三色団子で私のは草団子だから種類は違う。

「仕方ない。私のも一本あげるわ交換しましょ」

団子一本のったお皿を私に差し出す。私が返事する前に彼女は私の団子を奪っていく。

「もう勝手なんだから」

彼女の団子を取って食べる。この時に彼女が意味ありげな笑顔を浮かべていたが気付けなかった。

この後気付けばよかったと後悔することになる。

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