クリスマス | ナノ




早く早くご主人様を見つけないと!一心不乱に走る。
するとドスンと何かにぶつかってしまった。体が痛いよ……。

「あ、ここにいたの?」

この声は!っと思った瞬間に体がふわりと抱きかかえられた。私を抱えたのは探していた大好きなご主人様だった。

「どこにいたの?心配してたんだよ」

少しよごれちゃってるね。呟きながらご主人様は体を撫でてくれる。
ご主人様探しました!伊作さんからなかなか戻ってこないって聞いて怪我したんじゃないかって思って……!

「あーすれ違っちゃってたのか。少し別の優先事項が出来たからとりあえず伊作放置にしてたんだ」

伊作さん可哀そうですよ!

「さっき食満に任せてきたから大丈夫よ。貴女は優しいね」

うーん、いいのかな?

「大丈夫、大丈夫。さあ長屋に戻ろうか」

私をだっこしたままご主人様は長屋の方に歩きだした。


(おわり)