夢小説 | ナノ


treat!


「白石treat or treat!」

朝教室で白石に会った瞬間挨拶かわりに私はそう言った。

「お、そういえば今日ハロウィンやったかってtrickないやんか」

「悪戯より私はお菓子かご飯が欲しいんだよ!」

「お菓子かご飯って用は食べ物くれってことか」

「だってお腹空いてるんだもん」

目が覚めたら電車に乗るギリギリの時間。朝ごはんを食べる時間なんてなかったからお腹ぺこぺこだ。


「飴ちゃんならあるけど食うか?」

白石は律儀に自分のポケットやらカバンやらを漁って幾つか出てきた飴を私に見せる。駄目元で言ったのにちゃんとお菓子を探してくれた白石すごく良い人!

「うん食べる!白石ありがとう大好き!」

飴でも少しは空腹感が紛れる気がする。貰った飴を口に入れると甘い柑橘系の味が広がった。

「ん?白石どうかした?」


白石を見れば片手で顔を覆っている。

「いや何もない…」

「ふぅん。それならまあいいか」


treat!
((いきなり笑顔で大好きとか言うなや。俺の心臓もたんやろ…!))

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