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 春原家とこどもの日

「ううう! ごめんねひな、空……! 仕事終わったらすぐ戻ってくるから! パパ行ってくる!!」

 5月5日、GW真っ最中の日。
 本当なら百はオフのはずだったが、急遽収録が入ってしまったのだ。百は半泣きになりながら空と私の頬にいってきますのキスをして家を出た。

「むー……」

 しょぼんとして私のスカートの裾を掴む空。せっかく百と一緒にいれると思ってたのに仕事になってしまい、寂しいのだろう。そんな空に私は提案する。

「空、夕方にはパパ帰ってくるからそれまでにママと一緒にご飯作って待ってよっか!」
「! うん!!」

 一緒にご飯作りを提案すると、空はぱあっと笑った。百のために美味しいご飯作るぞ! と空と意気込んで、まずは一緒に買い物に出かけ、そしてご飯を作りをするのだった。




「ただいま! ごめん、お待たせ!」

 日がまだ落ちきっていない夕暮れ時に玄関から鍵の開く音と百の声が聞こえた。聞こえた途端、空は待ちきれないとばかりに玄関までトコトコと走って向かって行く。


「ぱぱおかえり!」

「空〜! ただいま〜!」
「おかえり、お仕事お疲れ様」
「ただいまひな! いい匂いだね、ご飯できてるの? お腹すいちゃった」
「ぱぱ、きて!」
「え、空どうしたの!」

 空と一緒にお出迎えしていたが、夕食の話になった途端に空は百の手を握ってすぐにリビングへと誘導する。百は驚きながらもかけ足で向かう空と一緒にリビングへと向かい、ドアを開けた。


「わー!美味しそう!ちらし寿司と柏餅だ!」

 テーブルの上には空と一緒に作った夕食が並んでいる。

「これ! ぼくつくった」
「え! 空作ったの!?」
「うん、これも!」

 空は柏餅とちらし寿司を得意げに指さす。柏餅は餅部分の握りを一緒にやったり、柏の葉の盛り付けをお願いしたり……。ちらし寿司は具材の盛り付けを一緒にやったんだよ、と百に伝えると「嬉しい〜! 作ってくれたんだね! ありがとう、パパ幸せだよ!」と空を愛おしそうに抱きしめて言った。空も百に喜んでもらえて満面の笑みで嬉しそうに笑っている。

「……あ、あとなに言うんだっけ? 空」

 ああ、大事なことを忘れていた。空に言うように促すと、空は思い出したかのように言った。

「あ! これももだよ、ぱぱにした!」
「え! 柏餅桃なの?」
「うん、桃餡にしてみた、普通のもあるよ。空がパパは桃だから! って言ってたから作ってみた」

「ううう、モモちゃん幸せすぎる……!」

 百は幸せそうに満面の笑顔で空と私を一緒に抱きしめた。そして「ぱぱ、まま、たべよう!」という空の言葉を合図にし、夕食を食べたのだった。




「ごちそうさま! とってもおいしかった!」
「ぱぱ、かたぐるま!」
「いいよ〜おいで!」
「ちょっと……!食べたばっかなんだから休憩してからにしてね!」

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