「なぜ私を裏切った…答えろォ!!」

「いやいや、三成。これゲームだからね」


テレビ画面を凄まじい形相で見つめている三成の横で、なまえは苦笑いしながら操作した。


「なまえ、この戦闘は勝てるんだろうな」


ぎらついた瞳で画面を見る三成に、勝てないの一言が言える筈もなく、なまえは「え、ああ、うん」と曖昧に濁した。

三成が気に入って使っていたキャラクターが敵に回ってしまった為に、彼は相当ご立腹なのだ。
それもコントローラーを怒りに任せて破壊しそうな程に。


「三成、コントローラーがギシギシ言ってる!」

「壊す程の力は入れていない」

「嘘だ!」


ギャアギャア言っているうちにも、戦闘は進んでいくのだった。







「あと少し時間があれば斬滅出来たものを…っ」

「ま、まあまあ、善戦した方だって」

「勝たなければ意味など無い、ましてや裏切り者は斬滅すべきだ!」


ゲーム相手に何をムキになってるのさ、となまえが言い損ねたのは言うまでもない。



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