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  寝ましょうか

始業式などというのは憂鬱なもので、特に何が憂鬱かといえば長ったらしい校長のありがたーいお話であって。
それがことさら入学式となると、長さ、内容、つまらない言葉だらけの陳列、心に響きもしない薄っぺらい格言。よくもまああんなにツラツラと言葉を発せられるものだと思う。
しかもそんな自分が『意味のないモノ』として認識した校長のお話なんて只の子守唄であり心地のよい音楽と化す訳で。


そんな事を頭の片隅で考えながら眠気と格闘するあたしに免じて、早く話を切り上げてはくれないものだろうか。お願いします早く終われよ。あぁいけない、愚痴ばっかりになってしまいそう…。


「くあぁ〜っ」


横からまさかこんな大きな欠伸が聞こえてくるとは思わなんだ。誰だあたしの眠気との格闘で眠気に加勢しようかのごとく乱入したアンタは

あたしは少し自分が眠気と戦ってるのが馬鹿みたいな気分になってしまったのを八つ当たりするがごとく隣の男の子をジトーっと見た。


その男の子は、特徴が満載過ぎて凄かった。
まず身長。なにコイツ190越えてんだろ高すぎ。
そして真っ青な短髪と濃く焼けている肌。
……見るからに体育会系馬鹿だと予想できる。


彼は見るからに眠たそうで、欠伸をして涙目になりながらコックンコックンと首を上下させてうつらうつらしている。
入学式に寝るとはいい度胸じゃあないか。
ということであたしは手持ちのシャーペンで彼の脇腹をこっそりつついてやった。
ハッとするとらいったいなんなのだと言わんばかりにこちらを向いてきて。

『入学式に寝るだなんていい度胸じゃないの』

と皮肉を書いたメモ帳を見れば、まじめに…最後まで耐える…訳でもなく、ニヤリと笑ってまた寝てしまった。
鬼だ。マジ鬼畜だ。

そんな時ヤツはあたしに聞こえるか聞こえないか位の声で、一緒に昼寝しようぜと言ってきた。




あたしは素直にコクりと頷き……そのまま寝た。
何故だろうか、アノ青髪少年が言うと、寝るのも悪くないな、と感じたから。


青峰大輝と女の子の出会いのお話。


<寝ましょうか>



 
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